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第2章
いいえ、実は突っ込み担当です。
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「はぁっ!?」
思わず声を出す私は、きっと間抜けな顔をしていただろう。
リョウはそんな私の態度を左程気にしていないのか、きょとんとした顔つきで数秒考え込む。
「そう言われんの嫌いか? んーどないしよ。ほな、ナツキちゃん?」
――――なんでやねんっ!!
と突っ込みたい衝動を食い止め。
私はこめかみに筋を立てそうになりながらも冷静に反論する。
「すみませんが、私、女の子じゃないので、ちゃん付けは止めて下さい」
笑顔のリョウを正面から見据えて、私がそう言うとリョウは物凄くがっかりした顔になる。
「男の子ぉ!?」
「いえ、それも違います。今のトコロはですけど……」
「あぁ! 未分化の人なんや? ワイ初めて会ったわ。なんや、ラッキーな感じやね」
ニコニコ顔で嬉しそうに言われると、反論が一切出来ない雰囲気になるので困る。
「ラッキーなんでしょうか?」
何と無く釈然としないので、ぼそぼそと言うと。
「え? ちゃうの? ワイはラッキーだと思うんやけど?」
リョウに、う~んと首を捻られた。
私は、日本で珍しいパンダか何かなのか?
この学院に数人は必ず居るであろう未分化の人間。
だけど、普通で考えたら、砂漠の中に落ちているダイアモンド位には珍しい存在という事なのだろうか。
「そんなものなのでしょうか?」
「ふーむ、たぶんやけどな!」
あまり頓着せずに、あっけらかんとした回答に呆気にとられる。
「「「きゃぁっぁあぁ!! カグラ様ぁっ!!」」」
沢山の女性の悲鳴と歓声がその場に響く。
「うわ?!」
「え?」
私とリョウは歓声の原因へ目を移した。
「……さっき、私が押された原因はアレでしょうかね?」
アイドル並みの人だかりを見ながら、私は思った事を口にする。
熱狂的なアイドルの追っかけは、メチャ迫力がある。
日本のアイドルのファンをやっていた事があるので、無駄に理解してしまう。
うん、分るよ。その気持ちはね。
彼、カッコイイもんね~。
そんでもって身分もあれば、アイドル以上の存在だろう。
プリンスって呼ばれても納得してしまう程にはね。
「……」
あのカグラだとは思うが、実際、男女入り乱れての人の山で頭の天辺位しか見えない。
「迷惑と思わへん? 皇位継承権第二位だろうが、この学院でそないなコト関係あらへんやろ? あんなん放置してなんやあったらどないすんねんちゅーの」
きつめの視線で、少し睨み付けるような感じでリョウはアイドルの様な扱いをされる様を見詰めていた。
「まぁ、それは、自己責任になるのでは?と、思うけど」
「ふーん、ジブンはそう思うんや? 押されたのに?」
「ちゃんと見ていなかった私にも責はあるかと。それに、入学と言うイベントの真っ只中に超有名人がいて、イケメンだったら騒ぎになるのも必然じゃないかなーって」
周囲に美形が居たから、免疫が出来てしまった私は「うん、カッコイイなぁ」とか「綺麗だなぁ」とのんびり観察する位には馴れっ子だ。
前世のままなら、間違いなくあの一団の一人だっただろう。
とは言え、少なからずミーハーやオタク具合は、今現在も入っているのは言わずもがなって感じだけどね!
見入っているリョウは気付かなかったが、大講堂の入り口からカツカツカツと出てカグラを囲んでいる一団に近付く人がいた。
私はそれを見て、告げる。
「あ~、でも、そんなに長い時間騒ぎにはならないかなとも思う」
「え?」
リョウがその人を視界に映すと同時に、通ったオネエ口調が響いた。
「そこの新入生達! 入学早々謹慎処分になりたいのかしらっ!?」
声の主は、相も変わらずド派手な民族調な服装のシエンだ。
「アンタ達は、学院規則を読んで来なかったのかしら?」
フフフと企み笑いで言う、シエンは正直傍目で見ていてもおっかないと思う。
「まぁ、今日は初日だから注意勧告だけにしておいてあげるわ。次に同じ事があるなら、容赦無くペナルティーを科すわよ。解ったら、さっさと散りなさい!」
青い顔をした者、邪魔をされて憮然としている者、つまらなそうな顔をしている者がわらわらと散って行った。
思わず声を出す私は、きっと間抜けな顔をしていただろう。
リョウはそんな私の態度を左程気にしていないのか、きょとんとした顔つきで数秒考え込む。
「そう言われんの嫌いか? んーどないしよ。ほな、ナツキちゃん?」
――――なんでやねんっ!!
と突っ込みたい衝動を食い止め。
私はこめかみに筋を立てそうになりながらも冷静に反論する。
「すみませんが、私、女の子じゃないので、ちゃん付けは止めて下さい」
笑顔のリョウを正面から見据えて、私がそう言うとリョウは物凄くがっかりした顔になる。
「男の子ぉ!?」
「いえ、それも違います。今のトコロはですけど……」
「あぁ! 未分化の人なんや? ワイ初めて会ったわ。なんや、ラッキーな感じやね」
ニコニコ顔で嬉しそうに言われると、反論が一切出来ない雰囲気になるので困る。
「ラッキーなんでしょうか?」
何と無く釈然としないので、ぼそぼそと言うと。
「え? ちゃうの? ワイはラッキーだと思うんやけど?」
リョウに、う~んと首を捻られた。
私は、日本で珍しいパンダか何かなのか?
この学院に数人は必ず居るであろう未分化の人間。
だけど、普通で考えたら、砂漠の中に落ちているダイアモンド位には珍しい存在という事なのだろうか。
「そんなものなのでしょうか?」
「ふーむ、たぶんやけどな!」
あまり頓着せずに、あっけらかんとした回答に呆気にとられる。
「「「きゃぁっぁあぁ!! カグラ様ぁっ!!」」」
沢山の女性の悲鳴と歓声がその場に響く。
「うわ?!」
「え?」
私とリョウは歓声の原因へ目を移した。
「……さっき、私が押された原因はアレでしょうかね?」
アイドル並みの人だかりを見ながら、私は思った事を口にする。
熱狂的なアイドルの追っかけは、メチャ迫力がある。
日本のアイドルのファンをやっていた事があるので、無駄に理解してしまう。
うん、分るよ。その気持ちはね。
彼、カッコイイもんね~。
そんでもって身分もあれば、アイドル以上の存在だろう。
プリンスって呼ばれても納得してしまう程にはね。
「……」
あのカグラだとは思うが、実際、男女入り乱れての人の山で頭の天辺位しか見えない。
「迷惑と思わへん? 皇位継承権第二位だろうが、この学院でそないなコト関係あらへんやろ? あんなん放置してなんやあったらどないすんねんちゅーの」
きつめの視線で、少し睨み付けるような感じでリョウはアイドルの様な扱いをされる様を見詰めていた。
「まぁ、それは、自己責任になるのでは?と、思うけど」
「ふーん、ジブンはそう思うんや? 押されたのに?」
「ちゃんと見ていなかった私にも責はあるかと。それに、入学と言うイベントの真っ只中に超有名人がいて、イケメンだったら騒ぎになるのも必然じゃないかなーって」
周囲に美形が居たから、免疫が出来てしまった私は「うん、カッコイイなぁ」とか「綺麗だなぁ」とのんびり観察する位には馴れっ子だ。
前世のままなら、間違いなくあの一団の一人だっただろう。
とは言え、少なからずミーハーやオタク具合は、今現在も入っているのは言わずもがなって感じだけどね!
見入っているリョウは気付かなかったが、大講堂の入り口からカツカツカツと出てカグラを囲んでいる一団に近付く人がいた。
私はそれを見て、告げる。
「あ~、でも、そんなに長い時間騒ぎにはならないかなとも思う」
「え?」
リョウがその人を視界に映すと同時に、通ったオネエ口調が響いた。
「そこの新入生達! 入学早々謹慎処分になりたいのかしらっ!?」
声の主は、相も変わらずド派手な民族調な服装のシエンだ。
「アンタ達は、学院規則を読んで来なかったのかしら?」
フフフと企み笑いで言う、シエンは正直傍目で見ていてもおっかないと思う。
「まぁ、今日は初日だから注意勧告だけにしておいてあげるわ。次に同じ事があるなら、容赦無くペナルティーを科すわよ。解ったら、さっさと散りなさい!」
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