13 / 38
粛正の六重奏
しおりを挟むパーティーの騒ぎから約2時間後……。
王宮内の円卓がある会議用も兼ねた、専用の質素な尋問部屋にエルーシャ達はいる。パーティーの参加者達の意識が、国王とエルーシャ達からそれた頃合いを見計らい、退出した後、身支度を整えてここへと来ていた。
公爵家から養父母と共に飛んで来た侍女は、帝国王太子の正装である軍服と、ファルクスの着替えも携えていた。二人は一室を借り受けて、新たなる出で立ちで国王達といる。エルーシャは上下白の軍服で胸元には、帝国の金銀細工で出来た記章が付けられ、肩口には金モール、上着の裾辺りには帝国の聖獣の意匠の銀糸の刺繍がほどこされている。ファルクスは黒の軍服で、胸元には金の記章、肩口には銀のモールと言う装い。
王子と愉快な仲間達は、手錠と足枷をつけられ、床に座らされている。その列の合間には、彼らの親御が頭と腰を下げ、恭順の意志を示していた。王子の左右には屈強な騎士が二名ついて目を光らせているようであった。
無言で進み、先ずは国王が着席する。次に騎士が王の右側を固めるように立つ。左側には宰相がまだ座らないで、エルーシャに自身の左側の席をと合図する。
ファルクスはエルーシャの椅子を引き、着席するのを確認したのち、隣の席に座る。その後、宰相も椅子に腰かけると、口を開く。
「皆、面を上げよ。さて、先ずは、席に着きなさい」
青い顔をした者が多数いたが、はっとしたようにエルーシャを見た後、少し焦った様に席に移動する。ランプロス公爵夫妻は至って平然としている。皆、無言で席に着き、その間の空間に元凶の子供を床に跪かせた。勅命で家名から外された者なので、同席は出来ない為の措置である。
「此度の件、既に罪状と判決を皆には了承してもらっているが、再度問おう。異議のある者はおるか?」
国王が淡々と問い掛ける。その間、潤んだ眼でじっと見詰める王子を完全無視である。
10
あなたにおすすめの小説
みんながみんな「あの子の方がお似合いだ」というので、婚約の白紙化を提案してみようと思います
下菊みこと
恋愛
ちょっとどころかだいぶ天然の入ったお嬢さんが、なんとか頑張って婚約の白紙化を狙った結果のお話。
御都合主義のハッピーエンドです。
元鞘に戻ります。
ざまぁはうるさい外野に添えるだけ。
小説家になろう様でも投稿しています。
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
え?わたくしは通りすがりの元病弱令嬢ですので修羅場に巻き込まないでくたさい。
ネコフク
恋愛
わたくしリィナ=ユグノアは小さな頃から病弱でしたが今は健康になり学園に通えるほどになりました。しかし殆ど屋敷で過ごしていたわたくしには学園は迷路のような場所。入学して半年、未だに迷子になってしまいます。今日も侍従のハルにニヤニヤされながら遠回り(迷子)して出た場所では何やら不穏な集団が・・・
強制的に修羅場に巻き込まれたリィナがちょっとだけざまぁするお話です。そして修羅場とは関係ないトコで婚約者に溺愛されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる