悪役にされた令嬢は、阿呆共に報復する

龍希

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断罪への序曲2

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「貴様! 俺様が王子だと知っていてその態度はなんだ!」
 ぎゃあぎゃあと喚く王子は、このギアルギーナ国、第一王子イミテなのだが、王子たる品格はこの体たらくな上、頭脳明晰な双子の弟エメル王子と真逆をひた走る。残念を通り越して、突き抜けてしまっている。取り柄は美麗な顔だけである。

 弟王子は現在、別の国にある大陸一の学園都市に留学中である。優秀者だけがそこに入れると言う、超絶ハイレベル学校で、各国選りすぐりの者が集まり勉学に励んでいるとのこと。
 ストッパー兼説教役のエメル王子が居ないのを良いことに、箍が外れた様に好き勝手をイミテ王子はしているのだ。勘違いと自己中心的な考えを拗らせた。今現在、彼はかなり不味い立場に追い詰められているが、裸の王子様で崖っぷちの綱渡りをしている自身に全く気付かない。

 同じ顔を持つエメル王子とは大違いだ。実際、顔のパーツは線の細さや、キリリとした瞳を彩る青色など同じであるが……。
 髪は性格表す様に、イミテがふわふわ天然パーマで、エメルはサラサラキューティクルのストレート。
 身体つきに至っては、イミテがもやしでエメルは細いが程よく筋肉が付いた肉体美を持つ。
 身体と学問は努力した結果だ。そう、イミテは努力を放棄して、エメルは努力を惜しまなかっただけである。勉学と身体を鍛え上げる時間を捻出し、兄を捨て置く事が出来ない為、いつも苦言を呈し追い掛け回した。イミテはそんな双子の弟王子から逃げ回って、最終的には本人は逃げ切れたと思っているが、事実は見捨てられたとも言う。知らぬは本人ばかりなりである。
 大馬鹿をやらかして廃嫡させてしまえば良いというのが、周囲の大人達総意だ。そこに真面目なエメル王子がいたら傷が付く為もあり、留学させたらしい。遠い異国の地で勉学に励む秀才王子と、やらかす馬鹿王子と物理的に距離をわけて、はっきりさせてしまえば国民の支持も取りやすいと言う思惑も透けて見える。
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