悪役にされた令嬢は、阿呆共に報復する

龍希

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断罪への序曲6

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「そう信じ込んでいるのは、義兄様だけでしてよ? ああ、そこにいるお友達もですわね」
「父上や母上を騙しているのは解っているんだ。次期公爵としてお前を俺は裁かねばならん!」
 さも、自身の行動を正当化してカルステンは言うけれど、エルーシャは小首を傾げてうろんげな眼差しを義兄に向ける。
「次期公爵としてですか……? 言っておきますが、義兄様は次期公爵としては擁立されませんわよ」
「は? 何を言ってる?! 俺が次の公爵だ!」
「いいえ、既に義兄様は外されておりますわ。当主からの呼び出し状にも応じず、好き勝手をする者には次の当主は務まりませんもの」
「なんだと!!」
「身から出た錆びですわね」
「次の当主はお前だとでも言うのか! エルーシャッ!」
 ビリビリと響く音声でカルステンが問い詰める。
「いいえ」
 エルーシャは至極平坦な声音で、あっさりと否定する。
「いいえ、私ではありません。ローザリンデか、ジークベルトですわね。二人ともとても優秀ですもの。義兄様と違って、可愛い自慢の弟妹ですわ。私の事を知ろうとちゃんと努力しましたもの。お義父様もお義母様もお認めになりましたわ。期限内に真実に辿り着かなかったのは、義兄様だけですわ。早急にこれ以上恥の上塗りをする前に、お帰りになった方が良いと思いますわ」
 もう遅いとは思うが、最高権力者がまだこの場に現れていないので首の皮一二枚位? 分は繋がっているかなー? って感じの希望的な観測でしかないけれど一応忠告はしておく。どうせ聞き入れないと諦めているエルーシャではあるが。
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