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最終話:それぞれの未来へ
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「さあみんな! これからますます忙しくなるわよ!!」
謁見の間で見せた放心状態から、見事に立ち直ったバークティ妃が、鉄扇を片手に鼓舞する。
「王の葬儀の後、シャンティが正式に次期女王になると宣言される。そしてわたくしたちのミラージェス王国が、やっと奴隷扱いから解放されるのよ」
「えがった、えがった」
カエはジュースを啜りながら、のほほんと呟く。
バークティ妃はテキパキと召使いたちに指示を飛ばし、張り切りまくっていた。
「もっと背筋を伸ばしてシャキッとせんか。呆けたような顔をしおって、情けない」
カルリトスがカエの頬を小さな手でぺちぺち叩く。
「つーか老師、なんで消えてないの? 老師って王のソティラスだったのよね??」
「儂は闇の異形、ムスタ・ソティラスじゃからの。不死の身体ゆえ、道連れにはならんのじゃ」
「マジっすか…」
「ちなみに、お主が死んでもアールシュとセスは存命じゃ」
「なぬっ!」
これには、アールシュとセスがニヤリと笑んだ。
「うわー……、別に死んでほしいわけじゃないけど、なんかズルイ気がするかも」
「闇の異形は、元々はクマールの実験の成れの果て、ソティラスだったものじゃ。クマールが死んでも、儂らはこうして生き続けておる」
カルリトス、アールシュ、セスの顔に、色々な思いを乗せた複雑な色が過る。
「おぬしが死んでも、やはり生き続けるじゃろう」
ヴァルヨ・ハリータの力に呪われた、憐れな存在。クマールの呪いが、結果不死となって彼らを生き永らえさせている。
(老師もアールシュたちも、どんな気持ちで5000年も生きてきたんだろう…)
それを思うと、カエは複雑な気持ちになる。
(アールシュとセスをソティラスにした儀式のとき見えたビジョン、カイラたちとは対照的だった)
ゾッと背筋が凍るような、濃い闇の世界。
(……あんな色を心に住まわせて、ずっと生きるのかな…)
この先、カエはソティラスを増やしていかなければならない。
エセキアス・アラリコは、女王となるカエが引き継いでいく、王の伝統のようなもの。
「老師、私、十二神将を決める時は、絶・対! 美形を優先することにするから!!」
「………そうか」
秘めたる決意を固めるカエの顔を見て、カルリトスは髭を萎れさせた。
王の葬儀は2週間にも及んだ。
正式な後継者であるシャンティ王女が主導の元――名目だけ――執り行われ、アドラシオン大陸じゅうが喪に服した。
葬儀が終わると、文字通り「バタバタ」と慌ただしくなり、シャンティ王女の後継者としての儀式やら、行政、軍事方面などの調整、新たな任命などで大騒ぎだ。
そして多忙な合間を縫って、ニシャの葬儀が身内のみで執り行われた。
「待たせちゃって、ごめんね、ニシャ」
遺体は丁寧に清められ、防腐処理を施され、奇麗な姿のまま花の中に横たえられていた。
ニシャの最期を聞いたソティラスたちは、その場に泣き崩れ、ニシャのために悲しんだ。カエもみんなと一緒に沢山泣いた。
泣くに泣いた後、カエはニシャの手に、白いユリの花を持たせた。
生前、ニシャが好きだと言っていた花。
棺の中は、白いユリの花でいっぱいに満たしてあげた。
「おまえが、送ってやるか?」
シャムが赤々と燃える松明を差し出す。
「うん」
カエは松明を受け取り、改めてニシャの棺の前に立つ。
「……ありがとう、ニシャ。大好きだよ!」
組まれた薪に火を点す。
やがて火は大きな炎となり、ニシャの棺を取り込んで轟轟と燃え盛った。
見送るみんなの中から、嗚咽が一つ、二つと零れる。
「神の庭で、のんびり過ごしててね」
天に向かって舞い上がる火の粉を見つめ、カエはいつまでも涙を流し続けた。
ニシャの葬儀の翌朝、カエは着替えもせず、猛ダッシュでアンブロシア宮の玄関を飛び出した。
「シャム!!」
呼び止められたシャムは、ビクッと肩を震わせて振り返った。
「…早起きめ」
「どういうことなのよ!!」
肩を怒らせ、カエはシャム、アールシュ、セスを睨みつけた。
「我は、バラしてないぞ」
「俺もだ」
2人はしらんぷりして、明後日の方向へ視線を泳がせた。
「説明しなさいよ! なんで出ていくのよ!!」
ズンズンと大股に近づき、シャムを見上げた。
マジ怒状態のカエの剣幕に引きつつ、シャムはポリポリと頬を掻く。
「あー……、そのなんだ、出ていくっつーか、修行の旅に出るっつーか」
「はあ!?」
気まずい空気がそろりと流れたが、シャムはため息を一つつくと、カエと向き合った。
「俺は、半分闇の異形だって話したな」
「う、うん」
「だがな、闇の異形としての力がまだ使えないんだ。だから、使える様になろうと思う」
カエは不可解そうに眉を顰めた。
「だったら、ここでも出来るでしょ? 修行」
「バーカ、修行っつったら、山って相場は決まってんだよ」
「いつの時代だってゆー……」
固まる2人を見て、アールシュは「くすっ」と笑った。
「王女の危機に、自分の身体でしか防ぐ術がなかったことを、シャムはずっと恥じていたのだ。せめて、闇の異形としての力が使えれば、王女をあんなに泣かせることもなかったのに、とね」
「…シャム」
アールシュに本音をバラされて、シャムは照れ隠しに顔を背けた。
「ケッ! そーゆーわけだクソっ」
カエはまじまじとシャムを見上げ、顔を真っ赤にした。
(私のこと、そこまで心配してくれて……シャムのくせに…)
「俺は、強くなるよ。おまえが安心して女王をやってけるように」
「シャム…」
「おまえが即位する頃には戻ってくる。それまで俺を想って待っとけ!」
カエは耳まで真っ赤になり、シャムのむこうずねを思い切り蹴とばした。
「っだあ」
「1分1秒でも遅れてきたら、絶対許さないかんね!!」
「安心していい、王女。我らがちゃんと連れ帰る」
「任せたわよ、アールシュ、セス!」
シャムは「いたた…」とぼやき、顔を上げた。
「じゃ、行ってくる」
そう言って、カエの顎を持ち上げると、「ぶちゅー」といった表現がぴったりなキスを、カエの唇に押し付けてシャムは踵を返した。
「良い女になっとけよ!」
笑いながら去っていく3人の後ろ姿を茫然と見つめ、カエはその場にひっくり返った。
「だいじょうぶかの??」
カルリトスがカエの額の上に立って、髭をそよがせた。
「……教えてくれて、ありがと、老師」
「なに、この先のおぬしのテンションを下げないためじゃ」
「うん、滅茶苦茶やる気出た」
見上げる空は、もう水色を濃くしていた。今日も晴天の様だ。
「2年後を見てろー、シャムがビビるくらい、超絶イイ女になっててやる!」
「なら、こんなところで寝転がっとる場合じゃないぞ」
「そうだね」
「姫様!!」
そこへ、鬼の形相のマドゥが駆けこんできた。
「また寝間着で宮の外に出て!! いい加減自覚をお持ちくださいませ!!!」
「やばっ」
カエは慌てて起き上がると、デジャブを感じながら、慌てて宮の中に走っていった。
謁見の間で見せた放心状態から、見事に立ち直ったバークティ妃が、鉄扇を片手に鼓舞する。
「王の葬儀の後、シャンティが正式に次期女王になると宣言される。そしてわたくしたちのミラージェス王国が、やっと奴隷扱いから解放されるのよ」
「えがった、えがった」
カエはジュースを啜りながら、のほほんと呟く。
バークティ妃はテキパキと召使いたちに指示を飛ばし、張り切りまくっていた。
「もっと背筋を伸ばしてシャキッとせんか。呆けたような顔をしおって、情けない」
カルリトスがカエの頬を小さな手でぺちぺち叩く。
「つーか老師、なんで消えてないの? 老師って王のソティラスだったのよね??」
「儂は闇の異形、ムスタ・ソティラスじゃからの。不死の身体ゆえ、道連れにはならんのじゃ」
「マジっすか…」
「ちなみに、お主が死んでもアールシュとセスは存命じゃ」
「なぬっ!」
これには、アールシュとセスがニヤリと笑んだ。
「うわー……、別に死んでほしいわけじゃないけど、なんかズルイ気がするかも」
「闇の異形は、元々はクマールの実験の成れの果て、ソティラスだったものじゃ。クマールが死んでも、儂らはこうして生き続けておる」
カルリトス、アールシュ、セスの顔に、色々な思いを乗せた複雑な色が過る。
「おぬしが死んでも、やはり生き続けるじゃろう」
ヴァルヨ・ハリータの力に呪われた、憐れな存在。クマールの呪いが、結果不死となって彼らを生き永らえさせている。
(老師もアールシュたちも、どんな気持ちで5000年も生きてきたんだろう…)
それを思うと、カエは複雑な気持ちになる。
(アールシュとセスをソティラスにした儀式のとき見えたビジョン、カイラたちとは対照的だった)
ゾッと背筋が凍るような、濃い闇の世界。
(……あんな色を心に住まわせて、ずっと生きるのかな…)
この先、カエはソティラスを増やしていかなければならない。
エセキアス・アラリコは、女王となるカエが引き継いでいく、王の伝統のようなもの。
「老師、私、十二神将を決める時は、絶・対! 美形を優先することにするから!!」
「………そうか」
秘めたる決意を固めるカエの顔を見て、カルリトスは髭を萎れさせた。
王の葬儀は2週間にも及んだ。
正式な後継者であるシャンティ王女が主導の元――名目だけ――執り行われ、アドラシオン大陸じゅうが喪に服した。
葬儀が終わると、文字通り「バタバタ」と慌ただしくなり、シャンティ王女の後継者としての儀式やら、行政、軍事方面などの調整、新たな任命などで大騒ぎだ。
そして多忙な合間を縫って、ニシャの葬儀が身内のみで執り行われた。
「待たせちゃって、ごめんね、ニシャ」
遺体は丁寧に清められ、防腐処理を施され、奇麗な姿のまま花の中に横たえられていた。
ニシャの最期を聞いたソティラスたちは、その場に泣き崩れ、ニシャのために悲しんだ。カエもみんなと一緒に沢山泣いた。
泣くに泣いた後、カエはニシャの手に、白いユリの花を持たせた。
生前、ニシャが好きだと言っていた花。
棺の中は、白いユリの花でいっぱいに満たしてあげた。
「おまえが、送ってやるか?」
シャムが赤々と燃える松明を差し出す。
「うん」
カエは松明を受け取り、改めてニシャの棺の前に立つ。
「……ありがとう、ニシャ。大好きだよ!」
組まれた薪に火を点す。
やがて火は大きな炎となり、ニシャの棺を取り込んで轟轟と燃え盛った。
見送るみんなの中から、嗚咽が一つ、二つと零れる。
「神の庭で、のんびり過ごしててね」
天に向かって舞い上がる火の粉を見つめ、カエはいつまでも涙を流し続けた。
ニシャの葬儀の翌朝、カエは着替えもせず、猛ダッシュでアンブロシア宮の玄関を飛び出した。
「シャム!!」
呼び止められたシャムは、ビクッと肩を震わせて振り返った。
「…早起きめ」
「どういうことなのよ!!」
肩を怒らせ、カエはシャム、アールシュ、セスを睨みつけた。
「我は、バラしてないぞ」
「俺もだ」
2人はしらんぷりして、明後日の方向へ視線を泳がせた。
「説明しなさいよ! なんで出ていくのよ!!」
ズンズンと大股に近づき、シャムを見上げた。
マジ怒状態のカエの剣幕に引きつつ、シャムはポリポリと頬を掻く。
「あー……、そのなんだ、出ていくっつーか、修行の旅に出るっつーか」
「はあ!?」
気まずい空気がそろりと流れたが、シャムはため息を一つつくと、カエと向き合った。
「俺は、半分闇の異形だって話したな」
「う、うん」
「だがな、闇の異形としての力がまだ使えないんだ。だから、使える様になろうと思う」
カエは不可解そうに眉を顰めた。
「だったら、ここでも出来るでしょ? 修行」
「バーカ、修行っつったら、山って相場は決まってんだよ」
「いつの時代だってゆー……」
固まる2人を見て、アールシュは「くすっ」と笑った。
「王女の危機に、自分の身体でしか防ぐ術がなかったことを、シャムはずっと恥じていたのだ。せめて、闇の異形としての力が使えれば、王女をあんなに泣かせることもなかったのに、とね」
「…シャム」
アールシュに本音をバラされて、シャムは照れ隠しに顔を背けた。
「ケッ! そーゆーわけだクソっ」
カエはまじまじとシャムを見上げ、顔を真っ赤にした。
(私のこと、そこまで心配してくれて……シャムのくせに…)
「俺は、強くなるよ。おまえが安心して女王をやってけるように」
「シャム…」
「おまえが即位する頃には戻ってくる。それまで俺を想って待っとけ!」
カエは耳まで真っ赤になり、シャムのむこうずねを思い切り蹴とばした。
「っだあ」
「1分1秒でも遅れてきたら、絶対許さないかんね!!」
「安心していい、王女。我らがちゃんと連れ帰る」
「任せたわよ、アールシュ、セス!」
シャムは「いたた…」とぼやき、顔を上げた。
「じゃ、行ってくる」
そう言って、カエの顎を持ち上げると、「ぶちゅー」といった表現がぴったりなキスを、カエの唇に押し付けてシャムは踵を返した。
「良い女になっとけよ!」
笑いながら去っていく3人の後ろ姿を茫然と見つめ、カエはその場にひっくり返った。
「だいじょうぶかの??」
カルリトスがカエの額の上に立って、髭をそよがせた。
「……教えてくれて、ありがと、老師」
「なに、この先のおぬしのテンションを下げないためじゃ」
「うん、滅茶苦茶やる気出た」
見上げる空は、もう水色を濃くしていた。今日も晴天の様だ。
「2年後を見てろー、シャムがビビるくらい、超絶イイ女になっててやる!」
「なら、こんなところで寝転がっとる場合じゃないぞ」
「そうだね」
「姫様!!」
そこへ、鬼の形相のマドゥが駆けこんできた。
「また寝間着で宮の外に出て!! いい加減自覚をお持ちくださいませ!!!」
「やばっ」
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