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エルアーラ遺跡編
episode434
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「こんな近未来的な遺跡探検は初めてのことですが、遺跡には侵入者撃退トラップなどがつきものですから、そうした類の何かで合ってると思います」
「巨大な丸い岩が転がってきたり、大量の水が洪水のごとくとか火攻めとか、そういう永遠のワンパターンよりも質の悪い……」
タルコットが肩をすくめ、苦笑があちこちから漏れる。
「キューリさんはまた幻めいたものが追いかけてきたら、躊躇せず撃退してください」
「はい」
「それから、ルーファスはちょっと辛そうなのでマリオン、ベルトルド卿に連絡を」
「もおやってるんだけどぉ、なんか繋がらないの~」
「?」
「取り込み中なのかなぁ……ウンともすんとも言わなくってぇ」
「ソレル国王などを討伐に行っているから、遮断しているんですかねえ。まあ、タイミングを計らいながら続けてください」
「ふぁい」
「この場から離れましょうか」
多少落ち着きを取り戻したルーファスは、ギャリーに手を借りながら歩き出した。
カーティスはもう勘レベルで歩き進んだ。そのうち首謀者やベルトルドたちがいる場所へ出て合流できればと、シビルとランドンに索敵はさせている。そしていつ幻が襲ってきてもいいように、キュッリッキも意識を集中させていた。
自分たちは傭兵だから、普段から鍛錬は怠っていないし体力も蓄えている。長丁場になることもあるし、数日は緊張しっぱなしでも耐えられるように精神面も鍛えていた。だが、先ほどのように明らかに悪意ある幻覚などに追い掛け回されては、体力的にも精神的にも多大な負担を強いられる。サイ《超能力》を使うルーファスですらあの状態だ。
延々白い通路が続くその先に、白く装飾のない巨大な扉が現れた。
「なぁに、これぇ~?」
高さは3メートルほどもある。押して開くのか謎だが、マリオンはヴァルトとガエルに向き直ると、ニヤッと意味ありげに笑った。
「この如何にもってぇ扉、すんごぉ~っく重そうだけどぉ、ヴァルトとガエルのどっちが力持ちなんだろ~?」
ヴァルトの眉とガエルの鼻が、ぴくっと反応した。
「こんなクマヤローに俺様が負けるわけがねえ!!」
拳同士を叩き合わせてヴァルトが吠える。瞬時に闘気が立ち上った。
「口先だけのひょろいヴァルトには荷が重い」
不敵な笑みを浮かべ、ガエルが挑発しながら腕を組んだ。
ヴァルトとガエルは扉の前に仁王立ちすると、顔を見合わせ火花を散らした。
たきつけ完了、と表情に書いて、マリオンがみんなにブイサインをする。やれやれと疲れた笑いが静かに漂った。
「さすが女狐……」
とてもか細い声でランドンが呟く。
「まずは俺様からだ!!」
ジャンケンで勝ったヴァルトが扉に両手をつき、両腕に盛りっと力をこめて力強く押した。
「うっわわっ」
その瞬間、扉はカーテンのような軽やかさでするっと開き、勢い余ったヴァルトは顔面から盛大にすっ転んだ。
「………」
腕を組んだままガエルは内心、
(俺じゃなくてよかった………)
と安堵し、胸をなでおろした。
「巨大な丸い岩が転がってきたり、大量の水が洪水のごとくとか火攻めとか、そういう永遠のワンパターンよりも質の悪い……」
タルコットが肩をすくめ、苦笑があちこちから漏れる。
「キューリさんはまた幻めいたものが追いかけてきたら、躊躇せず撃退してください」
「はい」
「それから、ルーファスはちょっと辛そうなのでマリオン、ベルトルド卿に連絡を」
「もおやってるんだけどぉ、なんか繋がらないの~」
「?」
「取り込み中なのかなぁ……ウンともすんとも言わなくってぇ」
「ソレル国王などを討伐に行っているから、遮断しているんですかねえ。まあ、タイミングを計らいながら続けてください」
「ふぁい」
「この場から離れましょうか」
多少落ち着きを取り戻したルーファスは、ギャリーに手を借りながら歩き出した。
カーティスはもう勘レベルで歩き進んだ。そのうち首謀者やベルトルドたちがいる場所へ出て合流できればと、シビルとランドンに索敵はさせている。そしていつ幻が襲ってきてもいいように、キュッリッキも意識を集中させていた。
自分たちは傭兵だから、普段から鍛錬は怠っていないし体力も蓄えている。長丁場になることもあるし、数日は緊張しっぱなしでも耐えられるように精神面も鍛えていた。だが、先ほどのように明らかに悪意ある幻覚などに追い掛け回されては、体力的にも精神的にも多大な負担を強いられる。サイ《超能力》を使うルーファスですらあの状態だ。
延々白い通路が続くその先に、白く装飾のない巨大な扉が現れた。
「なぁに、これぇ~?」
高さは3メートルほどもある。押して開くのか謎だが、マリオンはヴァルトとガエルに向き直ると、ニヤッと意味ありげに笑った。
「この如何にもってぇ扉、すんごぉ~っく重そうだけどぉ、ヴァルトとガエルのどっちが力持ちなんだろ~?」
ヴァルトの眉とガエルの鼻が、ぴくっと反応した。
「こんなクマヤローに俺様が負けるわけがねえ!!」
拳同士を叩き合わせてヴァルトが吠える。瞬時に闘気が立ち上った。
「口先だけのひょろいヴァルトには荷が重い」
不敵な笑みを浮かべ、ガエルが挑発しながら腕を組んだ。
ヴァルトとガエルは扉の前に仁王立ちすると、顔を見合わせ火花を散らした。
たきつけ完了、と表情に書いて、マリオンがみんなにブイサインをする。やれやれと疲れた笑いが静かに漂った。
「さすが女狐……」
とてもか細い声でランドンが呟く。
「まずは俺様からだ!!」
ジャンケンで勝ったヴァルトが扉に両手をつき、両腕に盛りっと力をこめて力強く押した。
「うっわわっ」
その瞬間、扉はカーテンのような軽やかさでするっと開き、勢い余ったヴァルトは顔面から盛大にすっ転んだ。
「………」
腕を組んだままガエルは内心、
(俺じゃなくてよかった………)
と安堵し、胸をなでおろした。
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