己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第三章 決闘を前に

第四十三話

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「Sクラスってのは響きこそ最高位のクラスですけど、学校からすれば問題児を集めたクラスって意味合いも強いですからね」

―どういうことですか?―

「先生達では私達を指導することがかなわない、そういうこと」
『他の生徒と歩幅を合わせる、響きこそ良いが合わされる方としてはあまりいい気分じゃないだろう?それに基礎を収めたら応用だ、だが魔道士はその応用が多岐にわたっていて同じ指導方法をとっても意味がないことが多い。先生方の役割はその生徒個人にあった修行方法を与えたり、鍛錬のやりかたが間違っていないかの助言をしたりすることがメインとなっていくわけだが・・・』
「あー、難しく考えずにこう考えれば良いよ」

ベルがセシルの言葉に割って入ってくる。

「『魔道士として一人前として認めるかわりに、指導なんかしないから勝手に強くなりなさい』って感じ?」
「相談には、乗ってくれる」
「先生たちですか?」
「ん、そう」
「そうなると、授業って何やるんですか?」

ミルフェスが気になって聞いてみる。

「そういえば、今日は木曜日ですよね?いつもの時間過ぎちゃっていますけど」
「今日はお休みだよ。輸送隊(キャラバン)が早めに準備出来たらしくてね、ボクもクラス分け見に行きたかったから先に行ってもらったんだ」
「?」

光とミルフェスは二人揃って首をかしげる。

「ボク的には来週までのお楽しみにしておきたいところだけど、みんなはどうかな?」
『口で説明するより、実際に体験させた方がいいと思います。我の時もそうでしたし』
「私は前もってレオから聞いてたからなんとも、美鈴先輩はどう思います?」
「論より、証拠」
「それは地味に使い方間違っている気がしますが、光さんに過度な期待を持たせてしまっても申し訳ないですし。彼女のSクラス入りが正式に決まってから説明すればいいのではないですかね」
「というわけで来週の月曜日までおあずけにしよう、二人とも今日は何もないから解散にしちゃう感じだけどいいかな」
「まあ活動が特にないのであれば、私はそれでも構いませんが」

そう言いながら光のほうに視線をミルフェスが向ける。

―私もそれで大丈夫です―

光もホワイトボードに追加で書き込む。

「じゃあ今日は顔見せってことで解散にしよう。」
「何気にいい時間ですねえ」

すでに暗闇が空を覆いつつある時間である。日本と違い日の沈む時間が早い。

「いいじゃないか、ちょうど生徒会関連の仕事も少しあったんだ。ボクはそっちにいくことにしよう」

いいながらベルは立ち上がると荷物を手にとって校舎に向かって早速歩き出す。

美鈴とラザロがあわててベルを追いかける。
・・・本当に慌てているらしく、フル装備のままだ。

「明日は授業が終わったらここに来ること。いいね」
「わかりました」

―はい―

「じゃねー」
『それでは、また明日』
「ばい、ばい」

三人が手を振って校舎へと向かっていく。

「会長いっちゃいましたけど、いいんですか?」
「ああ、オレは片付けてからいくから」

給仕根性がしっかり働くレオは、片付けを始めるべくお盆にベル達の飲みかけのティーカップをのせながら答えた。

―片付けなら私も―

「うーん、じゃあホワイトボードだけ使わなくなったら中に入れといて。残りはやっとくから」

柔和な笑みを浮かべながらレオがお盆をおくと、自分の紅茶をゆっくり飲みだした。

「レオに任せて置けばいいのよ」

シルフィがそんなことを言ってくれる。

「じゃあ、はい」

ミルフェスは飲み終わったティーカップをお盆の上にのせる。
光もそれに習い、お盆の上にのせてホワイトボードをガラガラ押しながらプレハブ小屋の中にしまった。

「うん、ありがとう」

―ありがとうございました―

「ごちそうさまでした、私たちも失礼しますね」

光がホワイトボードを片付け終わるのを見て、ミルフェスも立ち上がる。
こくん。光も頷くと鞄と刀を持ってミルフェスと並んで校舎とは反対の方向へと足を運んだ。

「それじゃあまた明日」

シルフィが二人に声をかけてくれた。
見るとレオは、既に台を片付けだしていた。
シルフィがベヒモスに手を振ると、ベヒモスは尻尾を振って返すのであった。
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