44 / 58
第三章 決闘を前に
第四十三話
しおりを挟む
「Sクラスってのは響きこそ最高位のクラスですけど、学校からすれば問題児を集めたクラスって意味合いも強いですからね」
―どういうことですか?―
「先生達では私達を指導することがかなわない、そういうこと」
『他の生徒と歩幅を合わせる、響きこそ良いが合わされる方としてはあまりいい気分じゃないだろう?それに基礎を収めたら応用だ、だが魔道士はその応用が多岐にわたっていて同じ指導方法をとっても意味がないことが多い。先生方の役割はその生徒個人にあった修行方法を与えたり、鍛錬のやりかたが間違っていないかの助言をしたりすることがメインとなっていくわけだが・・・』
「あー、難しく考えずにこう考えれば良いよ」
ベルがセシルの言葉に割って入ってくる。
「『魔道士として一人前として認めるかわりに、指導なんかしないから勝手に強くなりなさい』って感じ?」
「相談には、乗ってくれる」
「先生たちですか?」
「ん、そう」
「そうなると、授業って何やるんですか?」
ミルフェスが気になって聞いてみる。
「そういえば、今日は木曜日ですよね?いつもの時間過ぎちゃっていますけど」
「今日はお休みだよ。輸送隊(キャラバン)が早めに準備出来たらしくてね、ボクもクラス分け見に行きたかったから先に行ってもらったんだ」
「?」
光とミルフェスは二人揃って首をかしげる。
「ボク的には来週までのお楽しみにしておきたいところだけど、みんなはどうかな?」
『口で説明するより、実際に体験させた方がいいと思います。我の時もそうでしたし』
「私は前もってレオから聞いてたからなんとも、美鈴先輩はどう思います?」
「論より、証拠」
「それは地味に使い方間違っている気がしますが、光さんに過度な期待を持たせてしまっても申し訳ないですし。彼女のSクラス入りが正式に決まってから説明すればいいのではないですかね」
「というわけで来週の月曜日までおあずけにしよう、二人とも今日は何もないから解散にしちゃう感じだけどいいかな」
「まあ活動が特にないのであれば、私はそれでも構いませんが」
そう言いながら光のほうに視線をミルフェスが向ける。
―私もそれで大丈夫です―
光もホワイトボードに追加で書き込む。
「じゃあ今日は顔見せってことで解散にしよう。」
「何気にいい時間ですねえ」
すでに暗闇が空を覆いつつある時間である。日本と違い日の沈む時間が早い。
「いいじゃないか、ちょうど生徒会関連の仕事も少しあったんだ。ボクはそっちにいくことにしよう」
いいながらベルは立ち上がると荷物を手にとって校舎に向かって早速歩き出す。
美鈴とラザロがあわててベルを追いかける。
・・・本当に慌てているらしく、フル装備のままだ。
「明日は授業が終わったらここに来ること。いいね」
「わかりました」
―はい―
「じゃねー」
『それでは、また明日』
「ばい、ばい」
三人が手を振って校舎へと向かっていく。
「会長いっちゃいましたけど、いいんですか?」
「ああ、オレは片付けてからいくから」
給仕根性がしっかり働くレオは、片付けを始めるべくお盆にベル達の飲みかけのティーカップをのせながら答えた。
―片付けなら私も―
「うーん、じゃあホワイトボードだけ使わなくなったら中に入れといて。残りはやっとくから」
柔和な笑みを浮かべながらレオがお盆をおくと、自分の紅茶をゆっくり飲みだした。
「レオに任せて置けばいいのよ」
シルフィがそんなことを言ってくれる。
「じゃあ、はい」
ミルフェスは飲み終わったティーカップをお盆の上にのせる。
光もそれに習い、お盆の上にのせてホワイトボードをガラガラ押しながらプレハブ小屋の中にしまった。
「うん、ありがとう」
―ありがとうございました―
「ごちそうさまでした、私たちも失礼しますね」
光がホワイトボードを片付け終わるのを見て、ミルフェスも立ち上がる。
こくん。光も頷くと鞄と刀を持ってミルフェスと並んで校舎とは反対の方向へと足を運んだ。
「それじゃあまた明日」
シルフィが二人に声をかけてくれた。
見るとレオは、既に台を片付けだしていた。
シルフィがベヒモスに手を振ると、ベヒモスは尻尾を振って返すのであった。
―どういうことですか?―
「先生達では私達を指導することがかなわない、そういうこと」
『他の生徒と歩幅を合わせる、響きこそ良いが合わされる方としてはあまりいい気分じゃないだろう?それに基礎を収めたら応用だ、だが魔道士はその応用が多岐にわたっていて同じ指導方法をとっても意味がないことが多い。先生方の役割はその生徒個人にあった修行方法を与えたり、鍛錬のやりかたが間違っていないかの助言をしたりすることがメインとなっていくわけだが・・・』
「あー、難しく考えずにこう考えれば良いよ」
ベルがセシルの言葉に割って入ってくる。
「『魔道士として一人前として認めるかわりに、指導なんかしないから勝手に強くなりなさい』って感じ?」
「相談には、乗ってくれる」
「先生たちですか?」
「ん、そう」
「そうなると、授業って何やるんですか?」
ミルフェスが気になって聞いてみる。
「そういえば、今日は木曜日ですよね?いつもの時間過ぎちゃっていますけど」
「今日はお休みだよ。輸送隊(キャラバン)が早めに準備出来たらしくてね、ボクもクラス分け見に行きたかったから先に行ってもらったんだ」
「?」
光とミルフェスは二人揃って首をかしげる。
「ボク的には来週までのお楽しみにしておきたいところだけど、みんなはどうかな?」
『口で説明するより、実際に体験させた方がいいと思います。我の時もそうでしたし』
「私は前もってレオから聞いてたからなんとも、美鈴先輩はどう思います?」
「論より、証拠」
「それは地味に使い方間違っている気がしますが、光さんに過度な期待を持たせてしまっても申し訳ないですし。彼女のSクラス入りが正式に決まってから説明すればいいのではないですかね」
「というわけで来週の月曜日までおあずけにしよう、二人とも今日は何もないから解散にしちゃう感じだけどいいかな」
「まあ活動が特にないのであれば、私はそれでも構いませんが」
そう言いながら光のほうに視線をミルフェスが向ける。
―私もそれで大丈夫です―
光もホワイトボードに追加で書き込む。
「じゃあ今日は顔見せってことで解散にしよう。」
「何気にいい時間ですねえ」
すでに暗闇が空を覆いつつある時間である。日本と違い日の沈む時間が早い。
「いいじゃないか、ちょうど生徒会関連の仕事も少しあったんだ。ボクはそっちにいくことにしよう」
いいながらベルは立ち上がると荷物を手にとって校舎に向かって早速歩き出す。
美鈴とラザロがあわててベルを追いかける。
・・・本当に慌てているらしく、フル装備のままだ。
「明日は授業が終わったらここに来ること。いいね」
「わかりました」
―はい―
「じゃねー」
『それでは、また明日』
「ばい、ばい」
三人が手を振って校舎へと向かっていく。
「会長いっちゃいましたけど、いいんですか?」
「ああ、オレは片付けてからいくから」
給仕根性がしっかり働くレオは、片付けを始めるべくお盆にベル達の飲みかけのティーカップをのせながら答えた。
―片付けなら私も―
「うーん、じゃあホワイトボードだけ使わなくなったら中に入れといて。残りはやっとくから」
柔和な笑みを浮かべながらレオがお盆をおくと、自分の紅茶をゆっくり飲みだした。
「レオに任せて置けばいいのよ」
シルフィがそんなことを言ってくれる。
「じゃあ、はい」
ミルフェスは飲み終わったティーカップをお盆の上にのせる。
光もそれに習い、お盆の上にのせてホワイトボードをガラガラ押しながらプレハブ小屋の中にしまった。
「うん、ありがとう」
―ありがとうございました―
「ごちそうさまでした、私たちも失礼しますね」
光がホワイトボードを片付け終わるのを見て、ミルフェスも立ち上がる。
こくん。光も頷くと鞄と刀を持ってミルフェスと並んで校舎とは反対の方向へと足を運んだ。
「それじゃあまた明日」
シルフィが二人に声をかけてくれた。
見るとレオは、既に台を片付けだしていた。
シルフィがベヒモスに手を振ると、ベヒモスは尻尾を振って返すのであった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる