モノツキフェアリー

メガゴールド

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20話  結果

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 ダイキチはバットを投手に向ける……いや、遠くに向けてる?

「ナミコ見てろ~!! おれの努力の成果ってやつ! 見せてやるよ!」

 ダイキチは大声で叫んだ。
 へへ。やる気は戻ったみたいじゃんか。さっきのへっぴり腰が嘘みたい。

「やるね、エミコさん」

 と、小田くんはあたしのところに戻ってきた。
 さっきバット壊そうと、ダイキチのところに向かおうとしてたけど……やめたの?
 いや、やめたのならいいことだけど……

「大丈夫なの? バット壊さないとまずいんじゃ……」
「うん。でも大丈夫そうだから」
「え?」

 ふと、あたしはダイキチに視線を戻すと……

「あれ? 黒いモヤがなくなってる!?」

 そう、悪玉になりそうになってたバットの黒いモヤモヤが見えなくなってるんだよ!

「彼がバットに頼る事をやめ、自分の努力、力でこの場をなんとかしようとした……その心がダゲキくんに届いたのかも」
「え?」
「妖精にもいろいろいるって言ったでしょ? 人みたいに性格が違う。それは好むものも違うってこと」

 好むもの?

「ダゲキくんは頑張ってる人を見るのが好きなんだよ」

 小田くんがそう言うと、彼の肩に乗ってたダゲキくんは顔を赤くしてよそ見する。

「大内くんのおじいさん、お父さんはダゲキくんのバットを大事にするのと同時に努力してたんだろうね。だから居心地がよかった」
「大事にしてもらってたからってだけじゃなかったんだ……」
「彼をすぐに見捨てなかったのはそういう事なんでしょダゲキくん」

 ……そうか……
 単純に、他に気に入る物が見つからないってだけじゃなかったんだ。
 自分を大事に、そして努力してた二人の孫であり子供だから大目に見てたってだけじゃない。

 ダイキチは物を大事にはしてなかったけど、努力はしてた……

 努力してる人が好きなダゲキくんはだからあたし達がくるまで、見捨てる行動をとってなかった。

 悪玉のモヤが出てきたのも、自分に頼る……つまりは努力の大事さを、自らの力を信じなくなったから……

 そしてダイキチは努力を思い出した。自信家に戻った。
 その上、バットに謝罪し、物を大事にする事を学んだ……

 となれば、ダゲキくんから言わせれば、もう何も言うことはない……
 そういう事なんだね!

『べ、別に許したわけじゃねーぞ! あんなタコ坊主!』

 あ、照れてるねダゲキくん!
 かわいい~

 やっぱり妖精は優しく扱えば悪玉にはならない。こうして仲良くできるんだよ!

「だから後は安心して見守ろう。大内くんを」
「そだね~」
「まあ、自信とりもどしたのは良いけど、まさかホームラン予告とはね……」

 ホームラン予告?

「ああやってバットを向けることは、これからホームラン打つよって予告することなんだよ」
「え? 狙ってホームランって打てるの? 妖精なしで」
「プロだって無理だよそんなこと」
「じゃあなんでそんなこと言えるの?」
「さあ? 強がりなのか、自信からなのか、自らを追い込んでるのか……男の美学みたいなものかな」

 全然わからん!

 そもそもさっきまでバットに当たらなかったというのに、よくもまあ……

「でも相手の投手もムカッとしそうだよね~お前の球ホームランにするぞ! なんて言われてるようなものだし」
「それも一つの手なのかもね」
「え?」
「ムカッとして、つい甘い球……つまり打ちやすい球投げちゃうかも」

 まさか、そんな頭脳的な事をダイキチが……?

「おらおらこいこい!」

 ないな。
 いつもみたいに人を小バカにしてるだけだよ。いつもされてるあたしが言うんだから間違いない。

「というかランナーたまってるんだね。ならなおさらこの打席は彼の一振りにかかってるわけだ」
「ランナー? たまってる?」
「えっと、あの白いベース……塁に自分のチームの選手が立つのがランナーで……とにかく、打てば点が入りやすいってことだよ」

 なるほど! わからん!
 小田くんも途中でなんか説明あきらめてたし。

 でも実際、さっきの小田くんの言ったこと、投手はイライラするかもという事は当たっていた。

 何せ少しムッとした表情で投げた投手の球は……

「「ど真ん中だ!」」

 小田くんに限らずチームメイトの声まで聞こえた気がした。多分ダゲキくんの影響だ。

 よくわからないけど真ん中って打ちやすいの?

「もらったああああ!!」

 ダイキチは叫びと共にバットを強く振る。
 振られたバットは……投げられた球に……

 ――当たった。
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