記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko

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結婚の問題

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『私たちの問題って、結婚の事なの?』

マティアスさんにしがみついたまま、お母さんに聞く。

『まあ、そういう事ですかね。
元老院の老師たちを、納得させなければいけませんから。』

元老院。
気難しい老師たちの集まりという位しか印象が無い。

王族に連なる私は、そんな人々の賛意も得なければならないらしい。

『このまま、行方不明って事には出来ないのかしら?』

『無理ね。
私がこの国に入った事も知られているだろうし、ブラントンの事も報告しなければいけませんしね。

それに、いずれチヒロとマティアス殿の子の事も問題になるでしょうしね。
早い内に報告した方が問題は早く片付くと思いますよ。』

私と、マティアスさんの子?
そんな、いつの事か分からない事を先に考えておくの?

『チヒロ、まだ気付いていないの?
あなた、子が宿っているわよ。』

『子?!』

あまりの事に、頭が真っ白になった。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※




隣でヒロ母子の会話を聞いていたら、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。

『あなた、子が宿っているわよ。』

こ?

子?!

『子供か?!』

じっとりとチリカが俺を見やる。

『ま、まさか、俺とヒロの赤ん坊が?!』

『まさかもなにも、間違いありませんよ。
マティアス殿の子です。』

『いや、でも、まだそんな分かる程時は過ぎて無いだろう?
どうして分かるんだ?!』

『私の能力ですね。
それとも、心当たりが無いとでも?』

『あ、いや、その。
まだ、分かる程の日数が経っていないから驚いただけで。』

うん、心当たりは充分にある。
まだ2度だが、俺はヒロとそういう行為を持った。

勿論、嫁にする為であり、子が宿れば悦び、一緒に家族になる覚悟は出来ている。

これは、とても喜ぶべき事だった。

『ヒロ、俺と結婚して子供を産んでくれ!
俺たち、ちゃんと家族になろう。』

『マティアスさん、嬉しい。
私、あなたの子供を産むわね。』

愛しいヒロ。
どんな事があっても、ヒロと子供は守り抜くからな!
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