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第一話『魔法少女を探せ』
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ふわふわキュートは幼い頃に憧れた女児は多いのではないだろうか。
現代の多様性を尊重する社会ではそうでもない人、もしくは男児でも憧れたという人もいるであろう。
子供の頃の淡い夢、それが今中年になって叶おうとしている者たちがいる。
『光夜町』その名の通り、夜の帳が降りる頃に煌々とネオン輝く夜の街。
キャバクラ、ホスト、スナック、バー、ラウンジ……様々な城が楽しい一夜へと誘う。
「……ハァ」
僕の名前はメルルン。
突然、こんな名乗りをしてびっくりした人もいるかもしれないけれど、本名だ。
実は妖精界の住人で、魔法少女を選ぶ任を授かって、この光夜町へやって来た。
先日一人前になったばかりの僕。妖精界では一人前になると人間界へ送られ、自分がサポートする魔法少女を探す。
そんなこんなでここへやって来たわけなのだけれど……さすがに妖精の姿のままで人間界は散策できない。普通の妖精なら小さな子供や小動物に変身する。しかし、何故かこの光夜町で魔法少女の気配を感じてしまった僕は、目立たぬようホスト風のイケメンに変身した。
まあ、中にはイケメンに変身する妖精もいる。案外、魔法少女からの受けがいい。
……しかし、ここは夜の街、うろついていると店のキャッチやホストのスカウトなど猛烈な勧誘に遭う。
ここへ来て早一週間弱、僕はヘトヘトだ。
「本当にこんなところに魔法少女がいるんだろうか……」
路地裏でしゃがみ込み、一人ため息をつく僕。
いや、諦めては駄目だ。ここには水商売のお店だけじゃなくてラーメン屋などの飲食店もある。ひょっとしてそこの一人娘なんかが僕の探している魔法少女だったりするのかもしれない。
探さなくては……あと数日……あと数日でこの街にモンスターが来てしまう!
――ドーン!!!
「……えっ!?」
僕が気を引き締めた瞬間、大きな爆音と共に夜でも明るい街が一層明るくなった。
焼けるような熱風が頬を掠める。
慌てて大通りに出ると、大きな炎と黒煙が見えた。そして、その先には大口をあんぐりとあけ、黒い水晶のような目をぎょろつかせたモンスター。
「……そんな!まだ見つかっていないのに!」
突然のことに驚きと焦りで頭がついていかない。
僕は魔法少女のサポートは出来るが、自ら戦うことは出来ない……僕たち妖精はなんて無力なのだと思い知らされる。
――ピピッ……ピピッ……
まさに絶望。そう思った瞬間だった。
ズボンの右ポケットに入っている『魔法少女センサー』が反応を示した。
「なんてタイミングだ!ナイス!」
僕は反応が強い小路へと足を踏み入れた。
先ほどの爆発により、どこのお店からも何だ何だと次々に人が出て来る。
僕はそんな人の波を避けながら、より反応の強い方へと進む。
そして……
――ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「何!?あれ火事じゃない!?」
「大通りの方ですよ!何が爆発したんだろう……」
その反応は、目の前のビルから飛び出て来た二人の女性の前で最大になった。
――次回予告
昨日、付き合っていた男が結婚したことを知った私。
やけくそになってお店でオールした次の日、出勤して来た雪乃ちゃんにそのことを話すと彼女は大激怒。
普段の彼女からは想像できないほどの暴言の数々に、当事者の私も圧倒されている最中、突然大きな爆発音が響き渡った。
外に出ると大通りの方で大きな炎と黒煙が見える。
テンパる私と雪乃ちゃんの前に、何やら謎のイケメンが現れて……
え!?私たちが魔法少女!?
次回、『52歳と35歳だけど大丈夫?』お楽しみに!
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ふわふわキュートは幼い頃に憧れた女児は多いのではないだろうか。
現代の多様性を尊重する社会ではそうでもない人、もしくは男児でも憧れたという人もいるであろう。
子供の頃の淡い夢、それが今中年になって叶おうとしている者たちがいる。
『光夜町』その名の通り、夜の帳が降りる頃に煌々とネオン輝く夜の街。
キャバクラ、ホスト、スナック、バー、ラウンジ……様々な城が楽しい一夜へと誘う。
「……ハァ」
僕の名前はメルルン。
突然、こんな名乗りをしてびっくりした人もいるかもしれないけれど、本名だ。
実は妖精界の住人で、魔法少女を選ぶ任を授かって、この光夜町へやって来た。
先日一人前になったばかりの僕。妖精界では一人前になると人間界へ送られ、自分がサポートする魔法少女を探す。
そんなこんなでここへやって来たわけなのだけれど……さすがに妖精の姿のままで人間界は散策できない。普通の妖精なら小さな子供や小動物に変身する。しかし、何故かこの光夜町で魔法少女の気配を感じてしまった僕は、目立たぬようホスト風のイケメンに変身した。
まあ、中にはイケメンに変身する妖精もいる。案外、魔法少女からの受けがいい。
……しかし、ここは夜の街、うろついていると店のキャッチやホストのスカウトなど猛烈な勧誘に遭う。
ここへ来て早一週間弱、僕はヘトヘトだ。
「本当にこんなところに魔法少女がいるんだろうか……」
路地裏でしゃがみ込み、一人ため息をつく僕。
いや、諦めては駄目だ。ここには水商売のお店だけじゃなくてラーメン屋などの飲食店もある。ひょっとしてそこの一人娘なんかが僕の探している魔法少女だったりするのかもしれない。
探さなくては……あと数日……あと数日でこの街にモンスターが来てしまう!
――ドーン!!!
「……えっ!?」
僕が気を引き締めた瞬間、大きな爆音と共に夜でも明るい街が一層明るくなった。
焼けるような熱風が頬を掠める。
慌てて大通りに出ると、大きな炎と黒煙が見えた。そして、その先には大口をあんぐりとあけ、黒い水晶のような目をぎょろつかせたモンスター。
「……そんな!まだ見つかっていないのに!」
突然のことに驚きと焦りで頭がついていかない。
僕は魔法少女のサポートは出来るが、自ら戦うことは出来ない……僕たち妖精はなんて無力なのだと思い知らされる。
――ピピッ……ピピッ……
まさに絶望。そう思った瞬間だった。
ズボンの右ポケットに入っている『魔法少女センサー』が反応を示した。
「なんてタイミングだ!ナイス!」
僕は反応が強い小路へと足を踏み入れた。
先ほどの爆発により、どこのお店からも何だ何だと次々に人が出て来る。
僕はそんな人の波を避けながら、より反応の強い方へと進む。
そして……
――ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「何!?あれ火事じゃない!?」
「大通りの方ですよ!何が爆発したんだろう……」
その反応は、目の前のビルから飛び出て来た二人の女性の前で最大になった。
――次回予告
昨日、付き合っていた男が結婚したことを知った私。
やけくそになってお店でオールした次の日、出勤して来た雪乃ちゃんにそのことを話すと彼女は大激怒。
普段の彼女からは想像できないほどの暴言の数々に、当事者の私も圧倒されている最中、突然大きな爆発音が響き渡った。
外に出ると大通りの方で大きな炎と黒煙が見える。
テンパる私と雪乃ちゃんの前に、何やら謎のイケメンが現れて……
え!?私たちが魔法少女!?
次回、『52歳と35歳だけど大丈夫?』お楽しみに!
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