異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました

あいえだ

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伝説のゆくえ

ベンが帰った理由

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しばらく集中治療室の前で佇んでいると、バタバタと複数の人が走ってくるのが見えた。

「陛下…!」

ここにいる全員がガタン!と立ち上がる。陛下が息を切らせて走ってきたのだった。

「シン…」

俺の姿を見て少し陛下が驚いた。俺の頭をそっと撫で、目の前を通りすぎるとそのまま治療室に入っていく。目を閉じて横たわるベンを見て、医師から何か話を聞いてから、部屋を出てくる。

「このまましばらくは目覚めないと思う…とのことだ、お前達も戻るといい」
「は…」

陛下の労いに全員が解散となり、医療棟からドラゴン舎に戻る。するとエリアスが俺をいきなり抱き締めた。

え、どうしたの…?

ベンが戻ってきたことに動揺しているみたいだった。フィリックスも落ち着かない。ハムザとトゥルキは既に知っているようで、痛々しい表情になっている。

「何でベンが生きてるんだ?ハムザ、トゥルキ?」

フィリックスが二人に尋ねると、首を振る。

「わからん…確かにとどめは刺した。ただ、谷底に落ちていったからその後を見たわけではないんだ…どちらにしてもベンは遺物の魔力に操られていたからな…目覚めたのか?」
「まだだ。では正気かどうかもわからんな」

フィリックスが無表情で言い放つ。俺はさっきから疑問だらけになった。

仲間が無事だったのに、なんでみんな喜ばないの?

俺だったらそんな話をされるのは嫌だなあ…。

「俺、用があるからちょっと部屋に戻るね」

そう言ってエリアスの手を離れ、俺は走ってドラゴン舎を飛び出した。みんな冷たくない?

さっきの医療棟へ戻り、集中治療室のベンの元へ行くとアンディももうおらず、看護師や医者も別室にいた。誰もいない、ベンだけの部屋のドアを開けると、彼が目を閉じて眠っている。

みんなひどい…せっかく見つかって帰ってきたのに…、ヘラクレス号だって喜ぶよ。

「…っ、ん…」

不意にベンの瞼が動き、声がした。バッ!とベンの元へ行って覗き込むと、彼の瞳が開く。美しい、金色の瞳だ…。あまりにきれいなので吸い込まれそうになってしまった。

「…。可愛い…!」

ベンから発せられた言葉。俺は理解するのに少し時間がかかってしまった。だって、開口一番それ?そして何が可愛いの?

「君、可愛いね…誰?」

え?言葉のチョイスおかしくない?褒めといて誰て?まあ、嬉しいけど。

「えっと、…新人竜騎士のシンだよ」
「竜騎士なのか…へえ。俺はベン、じゃあ、仲間だな」

むくりと起き上がったベンは辺りを見回して、ここが王宮だとわかったみたいで俺ににっこり笑いかけた。

めちゃくちゃ綺麗だなこの人…。赤い髪に金の瞳が印象的だ。

「エリアスは?」
「ドラゴン舎にいると思うけど…」
「そう…一緒にいってもらえる?」

ベンは自分についている管を抜くと、ベッドからそっと降りる。部屋にあった白いガウンに袖を通すとふらつく足取りで部屋を出た。医師達が飛んでくるのをベンはにっこり笑って制する。

「すぐ戻るから…少しだけ。シンがついててくれるから」

医師達は俺を見て、それ以上は止めなかった。

よろよろと廊下を歩く。俺はベンを支えるためにそっと腕を取ると、彼は俺を見て微笑む。

「ありがと…優しいな、シン。シンのドラゴンにも会いたいな。どんなの?」
「ラースっていうんだ…綺麗な青いドラゴンだよ」
「へえ…俺のはヘラクレスっていうんだ。太ってて、どんくさくて、気が弱いけどでも最強で優しい子だよ…あ、竜騎士だから知ってるか、元気かな?」

ベンが嬉しそうに俺に話をしてくる。人懐っこいんだな、ベンって。

「うん…知ってる」
「そうだよな…ふふ、エリアスは俺が帰ったのを喜んでくれるかな?」

そこで俺は彼がエリアスの元恋人だったことを思い出した。

何だろう、心がざわざわする。これが嫉妬というやつか?でもエリアスは今、俺の恋人なわけで…。

別れたわけではないのか…?では陛下は?
とかうだうだ考えているうちにドラゴン舎についてしまった。

ドアを開けた瞬間、一斉に竜騎士がこっちを見る。そのときの皆のぎょっとした表情。空気が一瞬凍りついた。

ふらつく足を制してベンが駆け寄ったのはエリアスの腕の中だった。

「エリアス…!」

倒れこむようにエリアスにすがりつくベンを見て、俺は固まった。エリアスが背中を支えるその手をすごく見てしまった。いや、これは普通の行動だぞ俺!?醜い心はよくない。

「会いたかった…!エリアス…!エリアスに会いたくて戻ってこれた…!やっと会えた…」

困惑した表情のエリアスの目が泳ぐ。
そして、エリアスが離れた場所にいる俺を見る。

「シン、そんなとこにいないでこっちに来てくれよ」

ベンがエリアスの腕の中で俺に無邪気に手を振り、エリアスがベンから離れた。不思議そうな表情のベンを目を伏せて見下ろすと、エリアスは俺の元へ来る。
エリアスに手を引かれてドラゴン舎に連れて来られた俺は、そのまま手を繋いだままだ。

「ベン…」

エリアスが低い声で彼を呼ぶ。
どうするつもりなんだろう…?俺はエリアスを見上げた。

「エリアス…?」

ベンが目を丸くして俺たちを見る。

「俺は、シンのものなんだ…」

エリアスが淡々とベンに告げ、俺の肩をぎゅっと抱いた。















































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