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リアン

リアンの生い立ち

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「おはようございます!」

元気な挨拶。俺は今日から騎士になった。

俺の名前はリアン。20歳の健康男子だ。今年念願かなって騎士に合格した。俺は移民なので去年は受験資格すらなかったけれど、今年は移民も受けられるというので受けたらラッキー合格してしまった。

昨日王宮にある宿舎に入り、騎士団の一員として国王陛下をお守りする騎士となる。騎士は頭がよくて強くて、そこそこ美形でないといけない。俺はよく綺麗だといわれるのでなんとか受かったのかな?

俺は移民だけど、元々はこの国の国民だったらしい。小さい頃の記憶はあまりない。
亡くなった母が美貌でものすごい玉の輿に乗り、夢のような生活をしていたのが5歳くらいまで。当時母は再婚だったから俺は連れ子だ。

その母が病で亡くなり、俺はその家を出された。その家は血縁でもない俺を置いておけなくなったのかもしれない。今なら理解できるけど、5歳の俺には理解不能だった。ただ、追い出されたと思った。
その後外国の遠縁を頼って船に乗ったら俺は海賊に襲われて人質になってしまった…。
またそれを他の海賊が襲ってまた俺はそこへ人質となった。ややこしい!

その海賊の船長に何故か気に入られて俺は17歳くらいまで海賊船に乗っていた。だから腕には自信がある。船長が引退するっていうから彼について俺も船を降り、この国で船長と暮らしたんだ。昨年船長も長煩いしていた病で倒れ、亡くなった。俺はとうとう天涯孤独になった。

まあ、船長の遺産もあるし、養子縁組も移民の登録も船長が生前にばっちりしておいてくれていた。だから就職しようと思って俺はたまたま知った騎士募集の試験を受けたら受かってしまい、今に至るわけだ。公務員だ!すげぇ!

王宮ってすげー広い。広すぎる。なんか本でみた神殿みたいなところや金づくめの部屋なんかすごい綺麗だ。俺が昔母と住んでたところもすごかった、気がする。

そこには兄がいて、すごく可愛がられた。血が繋がらない兄だったから、今はもう他人だけど…。
たぶんあの家はすっごい大貴族だったろうから今は立派な大人になってるんだろうな。俺が騎士になって王宮にいるとどこかですれ違うこともあるかもしれない。

でも兄の顔も名前も覚えてない。

「リアン、ここにいたのか。団長がお呼びだぞ。」

先輩騎士が俺を呼びに来た。





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