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重大な決断とふざけた会話
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爺さんは真剣な目付きで俺を見続ける。
コレは本気だな。
本気で俺の決断を待っている。
本気には本気で返さなきゃな。
それが礼儀ってモンだ。
だが確かめなけりゃいけない事も有る。
それも事実だ。
「幾つか聞きたい事が有る。」
「良かろう、何なりと答えよう。」
爺さんは真剣な面持ちで頷いた。
「先ずは1つ目、何故俺に移住話をもちかけた?」
「なんじゃ、そんな事か。それはの‥。」
爺さんが一拍おく。
「…それは?」
「なんとなく‥じゃ。」
「…は?」
あ、マヌケな声が出ちまった。
「なんとなく面白そうだから話をもちかけた。それだけじゃ。」
「いやいやいやいや!!ちっと待てぇ!? 」
思わず爺さんに聞き返す。
「なんとなく面白そうだからって何!?なんか俺でなきゃダメ!!みたいな理由ねーの!?」
「特に無いのぅ。まあ、他の者はつまらなそうなのが理由と言えば理由かの?」
…力抜けるわ。
理由が[なんとなく]って…。
あー…、何かもうどうでも良い気がしてきた。
「俺はセカンディールに可愛いベイビーで転生すんのか…?」
何か質問が投げやりになりそうだ…。
「それは違うの。お主は儂が新たに創った身体に魂を植え込み、その身体でセカンディールに移り住む。文字通りの移住じゃ。」
「記憶は?」
「当然そのままじゃ。」
フーッ…。
気を取り直す為に大きく息をつく。
聞きたい事はまだあるんだ。
「もし移住を拒否したらどうなる?」
「その時は地球の輪廻転生の輪に戻るだけじゃ。移住を望めば輪廻転生の輪から弾かれ、セカンディールの輪廻の輪に入る。」
「そうか…。」
迷うな。
移住を決めれば異世界生活を体験できるのか。
死後の世界は誰でも体験できるが、異世界生活は滅多に体験出来んしな…。
「‥う~む、どうしよう?」
「なんじゃ?まだ踏ん切りがつかんか?」
「そういうなよ、一世一代の決断だぜ?‥あ」
フ‥と思いついた。
「なんじゃ?どうかしたか?」
「新しく創る身体、当然セカンディールの情報も植え込みするよな?」
そうだ、コレを忘れちゃいかん。
言語、文字、習慣を知らん人間は怪しまれるからな。
「おお、セカンディールの常識を知らねば悪目立ちするからの。わかった、植え込むとしよう。」
よし、コレで普通の生活位は何とかなるだろう。
後は…。
「爺さん、セカンディールってどんな世界だ?」
「どんな世界?どういう意味じゃ?」
「う~ん‥例えば人間と恐竜が共存してるとか、モヒカンが世紀末の荒野でヒャッハー…とか?」
「なんじゃ、その例えは?想像力豊かじゃな。」
ウルセェ、只のオタ知識だよ!
「一言で言うならお主の世界の中世じゃな。剣と魔法で獣や魔物との生存競争。弱肉強食の世界じゃ。」
「お約束過ぎだろ…。」
ココまで聞ければ良いかな…?
時間切れで決断出来ず…はゴメンだ。
俺は爺さんに向き合い、そして答えた。
「決めた。爺さんの世界に移住する。」
答えた瞬間、俺の中で何かが壊れ、新たに何かが生まれた気がした…。
「うむ、良くぞ決断した!」
爺さんはニコリと笑い言う。
「我が世界『セカンディール』は、新たな住人ハヤテ・タカツキを歓迎するぞ!」
そいつはドーモ。
嬉しいような嬉しくないような…。
「ところで爺さん?」
「なんじゃ?」
「俺はセカンディールで何すりゃ良いんだ?」
「どういう意味じゃ?」
「使命みたいなモンはねーのかって事だよ!」
俺の言葉に爺さんは「…ふーむ。」と、考え込む。
俺は爺さんは爺さんとしか呼ばない事に決めていた。
まあ本人が文句言わないから良いよな。
「特に無いの。」
「無いの…?」
「無い。ハヤテよ、お主の好きに生きるが良い。」
「好きにねぇ…。」
なんだかなぁ‥、ユルユルだよ。
「儂の治める世界と言うたが、儂自身が世界に関与する事はあまり無い。世界の行く末は住む者達に委ねておる。」
「それ無責任て言わねーか?」
「信頼しておると言う事じゃ。」
いや、絶対無責任なだけだ。
「じゃからハヤテも好きに生きろ。世捨て人でも戦士でも、盗賊でも殺戮者でも自由になれるぞ。」
「神様が犯罪助長してどーすんだ…?」
「儂に生き方を縛る権利は無いと言う事じゃ。」
コイツ本当に神様か?
悪魔の間違いじゃねーのか…?
コレは本気だな。
本気で俺の決断を待っている。
本気には本気で返さなきゃな。
それが礼儀ってモンだ。
だが確かめなけりゃいけない事も有る。
それも事実だ。
「幾つか聞きたい事が有る。」
「良かろう、何なりと答えよう。」
爺さんは真剣な面持ちで頷いた。
「先ずは1つ目、何故俺に移住話をもちかけた?」
「なんじゃ、そんな事か。それはの‥。」
爺さんが一拍おく。
「…それは?」
「なんとなく‥じゃ。」
「…は?」
あ、マヌケな声が出ちまった。
「なんとなく面白そうだから話をもちかけた。それだけじゃ。」
「いやいやいやいや!!ちっと待てぇ!? 」
思わず爺さんに聞き返す。
「なんとなく面白そうだからって何!?なんか俺でなきゃダメ!!みたいな理由ねーの!?」
「特に無いのぅ。まあ、他の者はつまらなそうなのが理由と言えば理由かの?」
…力抜けるわ。
理由が[なんとなく]って…。
あー…、何かもうどうでも良い気がしてきた。
「俺はセカンディールに可愛いベイビーで転生すんのか…?」
何か質問が投げやりになりそうだ…。
「それは違うの。お主は儂が新たに創った身体に魂を植え込み、その身体でセカンディールに移り住む。文字通りの移住じゃ。」
「記憶は?」
「当然そのままじゃ。」
フーッ…。
気を取り直す為に大きく息をつく。
聞きたい事はまだあるんだ。
「もし移住を拒否したらどうなる?」
「その時は地球の輪廻転生の輪に戻るだけじゃ。移住を望めば輪廻転生の輪から弾かれ、セカンディールの輪廻の輪に入る。」
「そうか…。」
迷うな。
移住を決めれば異世界生活を体験できるのか。
死後の世界は誰でも体験できるが、異世界生活は滅多に体験出来んしな…。
「‥う~む、どうしよう?」
「なんじゃ?まだ踏ん切りがつかんか?」
「そういうなよ、一世一代の決断だぜ?‥あ」
フ‥と思いついた。
「なんじゃ?どうかしたか?」
「新しく創る身体、当然セカンディールの情報も植え込みするよな?」
そうだ、コレを忘れちゃいかん。
言語、文字、習慣を知らん人間は怪しまれるからな。
「おお、セカンディールの常識を知らねば悪目立ちするからの。わかった、植え込むとしよう。」
よし、コレで普通の生活位は何とかなるだろう。
後は…。
「爺さん、セカンディールってどんな世界だ?」
「どんな世界?どういう意味じゃ?」
「う~ん‥例えば人間と恐竜が共存してるとか、モヒカンが世紀末の荒野でヒャッハー…とか?」
「なんじゃ、その例えは?想像力豊かじゃな。」
ウルセェ、只のオタ知識だよ!
「一言で言うならお主の世界の中世じゃな。剣と魔法で獣や魔物との生存競争。弱肉強食の世界じゃ。」
「お約束過ぎだろ…。」
ココまで聞ければ良いかな…?
時間切れで決断出来ず…はゴメンだ。
俺は爺さんに向き合い、そして答えた。
「決めた。爺さんの世界に移住する。」
答えた瞬間、俺の中で何かが壊れ、新たに何かが生まれた気がした…。
「うむ、良くぞ決断した!」
爺さんはニコリと笑い言う。
「我が世界『セカンディール』は、新たな住人ハヤテ・タカツキを歓迎するぞ!」
そいつはドーモ。
嬉しいような嬉しくないような…。
「ところで爺さん?」
「なんじゃ?」
「俺はセカンディールで何すりゃ良いんだ?」
「どういう意味じゃ?」
「使命みたいなモンはねーのかって事だよ!」
俺の言葉に爺さんは「…ふーむ。」と、考え込む。
俺は爺さんは爺さんとしか呼ばない事に決めていた。
まあ本人が文句言わないから良いよな。
「特に無いの。」
「無いの…?」
「無い。ハヤテよ、お主の好きに生きるが良い。」
「好きにねぇ…。」
なんだかなぁ‥、ユルユルだよ。
「儂の治める世界と言うたが、儂自身が世界に関与する事はあまり無い。世界の行く末は住む者達に委ねておる。」
「それ無責任て言わねーか?」
「信頼しておると言う事じゃ。」
いや、絶対無責任なだけだ。
「じゃからハヤテも好きに生きろ。世捨て人でも戦士でも、盗賊でも殺戮者でも自由になれるぞ。」
「神様が犯罪助長してどーすんだ…?」
「儂に生き方を縛る権利は無いと言う事じゃ。」
コイツ本当に神様か?
悪魔の間違いじゃねーのか…?
応援ありがとうございます!
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