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本編
六話 呼び出し
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侍従長はさすが立場があるのか仕事が早く、指示してすぐ複数人の使用人が派遣された。
皇宮に勤めだけあり、相応の能力はあったので後は手っ取り早く上下関係を叩き込むだけで済んだので、予想よりも大して苦労しなかった。
途中で侍女長が何か喚きながら入ってきたが、うるさかったので吊り上げて庭に干した。
天日干しにしても最初はうるさく叫んでいたが、時間経過するにつれ音量が下がっていき、一日経った頃には静かになった。
それなりに高齢なので、もしや死んだかと思い確認したが、息はあったので問題ないだろう。
そんな感じで、使用人を揃えさせ、適度に調教しながらも快適に過ごしていたカイル。
ある日ライナルトから呼び出しがあった。
要件は聞いてないし聞く気もないカイルは、用があるならお前が来いと伝えるように、要件を伝えに来た侍従長に指示し。
そして侍従長によりオブラートで大量に包まれたその言葉を聞いたライナルトは、自分が呼び出されるというのは許せなかったのでお前が来いと伝えるよう指示され、蜻蛉返りでカイルの元へ。
その後、折れる気が一切ない二人はお前が来いという伝言ゲームをひたすら繰り返した。
そんな延々続くやり取りに、ライナルトの側近の一人がもう無理やり連れてくればいいだろ、と侍従長に言った。
命知らずもいいところである。
侍従長はもちろん命は惜しかったので出来ないと断ったら、側近がならば自分が行こうと言い出した。
そんなに生き急いでどうしたのだろうか。
侍従長は優しさで、カイルはやべぇ悪魔みたいな奴なので気をつけるように忠告した。
けれど側近はその忠告を大して取り合わず、適当に流して離宮まで向かった、Ωというだけで相手を嘗めていたので。
玄関で騒ぐ側近は、出来る限り静かに、もう呼吸音も心臓の鼓動も静かに心がける使用人が止めるが、そんなん知らんとばかりに静止を一切聞かずに騒いだ。
結果。
連日深夜まで読書に勤しみ、明け方に寝ていたため体内時計とち狂ったカイルの眠りを妨げたため、強制的に帝都お空の旅(負傷死亡自己責任)五時間コースに旅立つこととなった。
自業自得と言えば自業自得、この側近は今後、人の忠告を聞くことになるだろう。
障害物を自力で防ぎ、何度か擦りながらも生きて返ってきた頃にはとても静かになっていた。
とても静かに震え、その場を立ち去ろうとして腰が抜けていたので立てず、這って帰ろうとした。
その姿を、五時間の間で二度寝して目が覚め、服着替えて紅茶を入れさせゆっくりティータイムまでキメてるカイルは、心底愉快げに笑って眺めた。
ごめん。
ごめんなルイス(侍従長の名前、覚えなくていい)、あんな温室でぬくぬく育ってそうな生っ白いΩが怖いとか情けねぇとか馬鹿にして。
ありゃ確かに悪魔だ。
カイルの笑い声をBGMに、側近は必死の匍匐前進で進みながら、心の中で真摯に侍従長に謝った。
けれど、両者共に相手を呼び出し続ける状態は変わらず、仕方なくライナルトの執務室とカイルの離宮の中間地点を計測して割り出し、そこに急遽席を設けることとなった。
「要件は?」
「伝えさせたはずだが?」
「聞く気が起きなかった、今言えば聞いてやる」
「……そうか」
どこまでも偉そうなカイルに、怒りが湧いたライナルトはけれど落ち着いて話し合えと言われていたので、仕方なく冷静になろうと努めて、まずは世間話から始めた。
「お前、なんでこの国に来たんだ?」
話題のチョイスは最悪だったが。
カイルは一瞬国から出て行けって言ってんのかと思ったので、瞬間的に拳を握りしめたが、すぐに単純な疑問を聞いてるだけだと察して力を緩めた。
「親が勝手に国に俺を推したんだよね、だから仕方なく」
「お前がその程度で素直に従うような人間かよ」
当たり前のように、カイルを理解しているように言い切るので、へぇとちょっと感心したカイルはちょっと笑った。
「良く分かってんじゃん」
「ここまで見てれば馬鹿でも分かる」
「馬鹿は十年以上見てても分からないんだよ、だから俺に嫁げと言えるんだ」
「……確かに」
ふむ、と頷いたライナルト。
残念ながらカイルに今回の結婚を指示した実家の誰かは、国を通して命じればカイルが従うと思っていた馬鹿だった。
「それで、どうしてだ?」
「別に、特別な理由がある訳じゃないよ」
そう、本当に特別な理由はない。
例えば、皇帝を暗殺してやろうとか、帝国を内部崩壊してやろうとか、逆に掌握してやろうとか、そんな大それた理由じゃない。
ただ、強いていうなら。
「お前が治める帝国を、見てみたかったんだよ」
「は?」
「それだけ」
そこまで行って、そろそろ話し合いにも飽きたカイルはもう用がないなら帰る、と席を立つが、ライナルトに呼び止められる。
要件は別にあるので、あくまでついでに聞いただけだ。
この程度の質問のために、ここまではしない、暇じゃないのだ。
「夜会がある、俺のパートナーとして出席しろ」
「ヤだ」
「……」
「……」
即答で拒否されたライナルトは、黙ってカイルを見つめ、カイルも黙って見つめ返した。
「衣装は仕立てさせる」
「ヤだ」
「まずは採寸だな」
「ヤだ」
「装飾品は勝手に買え」
「ヤだ」
「……」
「……」
勝手に話を進めるライナルト、ひたすら拒否するカイル。
ともに譲歩する、譲る、考慮する、遠慮する、といった単語がそもそも辞書に存在しない二人は、ただ無言で見つめ合った。
「俺だってわざわざ参加してるんだ、お前も参加するべきだろ」
「俺に関係ないし、お前が一人で行けばいい」
「は?」
「あ?」
気の短い二人はキレそうになり、どうにか気持ちを落ち着かせるため深呼吸し、もう一度向かい合って交渉を続けた。
二人とも気に入らないことをいうやつの口は物理的に黙らせたいタイプだったのに、やりたいことを耐えたのだ、褒められて然るべきだがその場には誰もいなかったので褒められなかった。残念。
「率直に聞こう、なぜ嫌なんだ?」
「まず、頼みがあるなら頭を下げろ」
「チッ」
カイルの言葉に心底不愉快げなライナルトは、脚を組んだまま腕まで組み、椅子の上で背中を倒し、側頭部を背もたれに乗せた。
「これで満足か?」
「お前は本気でやってんの? それとも煽ってんの?」
「頭はお前より下にあるだろ」
「そうだな、俺が立ってるからな」
頭の下げ方を知らないのか、下げる頭なんて持ち合わせていないのか、下からカイルを見下ろしてるライナルト。
頭を下げると言いながら偉そうにしているライナルト、その態度に苛立つカイル。
そこまで耐えて、やっぱり気の短い二人の話し合いは殴り合いに移行し、魔法まで使うガチファイトに発展した。
どちらが先に手を出したのかはもう誰も憶えてないが、最終的に両者共に軽傷で終わり、皇城の一部が壊れた。
城より頑丈な二人の喧嘩の余波で城が壊れたので、その修復の間は夜会は延期になった。
延期になっても無くなるわけではないので、目的は二人の存在を貴族らに見せることなので、残念ながら不参加というわけにはいかないのだ。
なのでどうにか参加させなければならない、誰かがカイルの首を縦に振らせる必要がある。
そこで、今まで何度も気乗りしないライナルトを宥めて、どうにかこうにか会議とか式典とかに出席させてきた実績のある、乳兄弟でもある側近に全部任せることとなった。
実は今回の夜会にライナルトが参加すると決めたのにもこの側近の努力があるので、こいつならカイルもできるだろうとみんな押しつけたのだ。
そして真面目な側近、引き受けたからにはどんな無茶もこなして見せると向い、見事カイルを頷かせた。
魔法のような手腕だった。
なお、人の手による採寸を受け入れなかったカイルの為に、宮廷魔術師は大急ぎで全自動で採寸する魔法具を開発することになった。
皇宮に勤めだけあり、相応の能力はあったので後は手っ取り早く上下関係を叩き込むだけで済んだので、予想よりも大して苦労しなかった。
途中で侍女長が何か喚きながら入ってきたが、うるさかったので吊り上げて庭に干した。
天日干しにしても最初はうるさく叫んでいたが、時間経過するにつれ音量が下がっていき、一日経った頃には静かになった。
それなりに高齢なので、もしや死んだかと思い確認したが、息はあったので問題ないだろう。
そんな感じで、使用人を揃えさせ、適度に調教しながらも快適に過ごしていたカイル。
ある日ライナルトから呼び出しがあった。
要件は聞いてないし聞く気もないカイルは、用があるならお前が来いと伝えるように、要件を伝えに来た侍従長に指示し。
そして侍従長によりオブラートで大量に包まれたその言葉を聞いたライナルトは、自分が呼び出されるというのは許せなかったのでお前が来いと伝えるよう指示され、蜻蛉返りでカイルの元へ。
その後、折れる気が一切ない二人はお前が来いという伝言ゲームをひたすら繰り返した。
そんな延々続くやり取りに、ライナルトの側近の一人がもう無理やり連れてくればいいだろ、と侍従長に言った。
命知らずもいいところである。
侍従長はもちろん命は惜しかったので出来ないと断ったら、側近がならば自分が行こうと言い出した。
そんなに生き急いでどうしたのだろうか。
侍従長は優しさで、カイルはやべぇ悪魔みたいな奴なので気をつけるように忠告した。
けれど側近はその忠告を大して取り合わず、適当に流して離宮まで向かった、Ωというだけで相手を嘗めていたので。
玄関で騒ぐ側近は、出来る限り静かに、もう呼吸音も心臓の鼓動も静かに心がける使用人が止めるが、そんなん知らんとばかりに静止を一切聞かずに騒いだ。
結果。
連日深夜まで読書に勤しみ、明け方に寝ていたため体内時計とち狂ったカイルの眠りを妨げたため、強制的に帝都お空の旅(負傷死亡自己責任)五時間コースに旅立つこととなった。
自業自得と言えば自業自得、この側近は今後、人の忠告を聞くことになるだろう。
障害物を自力で防ぎ、何度か擦りながらも生きて返ってきた頃にはとても静かになっていた。
とても静かに震え、その場を立ち去ろうとして腰が抜けていたので立てず、這って帰ろうとした。
その姿を、五時間の間で二度寝して目が覚め、服着替えて紅茶を入れさせゆっくりティータイムまでキメてるカイルは、心底愉快げに笑って眺めた。
ごめん。
ごめんなルイス(侍従長の名前、覚えなくていい)、あんな温室でぬくぬく育ってそうな生っ白いΩが怖いとか情けねぇとか馬鹿にして。
ありゃ確かに悪魔だ。
カイルの笑い声をBGMに、側近は必死の匍匐前進で進みながら、心の中で真摯に侍従長に謝った。
けれど、両者共に相手を呼び出し続ける状態は変わらず、仕方なくライナルトの執務室とカイルの離宮の中間地点を計測して割り出し、そこに急遽席を設けることとなった。
「要件は?」
「伝えさせたはずだが?」
「聞く気が起きなかった、今言えば聞いてやる」
「……そうか」
どこまでも偉そうなカイルに、怒りが湧いたライナルトはけれど落ち着いて話し合えと言われていたので、仕方なく冷静になろうと努めて、まずは世間話から始めた。
「お前、なんでこの国に来たんだ?」
話題のチョイスは最悪だったが。
カイルは一瞬国から出て行けって言ってんのかと思ったので、瞬間的に拳を握りしめたが、すぐに単純な疑問を聞いてるだけだと察して力を緩めた。
「親が勝手に国に俺を推したんだよね、だから仕方なく」
「お前がその程度で素直に従うような人間かよ」
当たり前のように、カイルを理解しているように言い切るので、へぇとちょっと感心したカイルはちょっと笑った。
「良く分かってんじゃん」
「ここまで見てれば馬鹿でも分かる」
「馬鹿は十年以上見てても分からないんだよ、だから俺に嫁げと言えるんだ」
「……確かに」
ふむ、と頷いたライナルト。
残念ながらカイルに今回の結婚を指示した実家の誰かは、国を通して命じればカイルが従うと思っていた馬鹿だった。
「それで、どうしてだ?」
「別に、特別な理由がある訳じゃないよ」
そう、本当に特別な理由はない。
例えば、皇帝を暗殺してやろうとか、帝国を内部崩壊してやろうとか、逆に掌握してやろうとか、そんな大それた理由じゃない。
ただ、強いていうなら。
「お前が治める帝国を、見てみたかったんだよ」
「は?」
「それだけ」
そこまで行って、そろそろ話し合いにも飽きたカイルはもう用がないなら帰る、と席を立つが、ライナルトに呼び止められる。
要件は別にあるので、あくまでついでに聞いただけだ。
この程度の質問のために、ここまではしない、暇じゃないのだ。
「夜会がある、俺のパートナーとして出席しろ」
「ヤだ」
「……」
「……」
即答で拒否されたライナルトは、黙ってカイルを見つめ、カイルも黙って見つめ返した。
「衣装は仕立てさせる」
「ヤだ」
「まずは採寸だな」
「ヤだ」
「装飾品は勝手に買え」
「ヤだ」
「……」
「……」
勝手に話を進めるライナルト、ひたすら拒否するカイル。
ともに譲歩する、譲る、考慮する、遠慮する、といった単語がそもそも辞書に存在しない二人は、ただ無言で見つめ合った。
「俺だってわざわざ参加してるんだ、お前も参加するべきだろ」
「俺に関係ないし、お前が一人で行けばいい」
「は?」
「あ?」
気の短い二人はキレそうになり、どうにか気持ちを落ち着かせるため深呼吸し、もう一度向かい合って交渉を続けた。
二人とも気に入らないことをいうやつの口は物理的に黙らせたいタイプだったのに、やりたいことを耐えたのだ、褒められて然るべきだがその場には誰もいなかったので褒められなかった。残念。
「率直に聞こう、なぜ嫌なんだ?」
「まず、頼みがあるなら頭を下げろ」
「チッ」
カイルの言葉に心底不愉快げなライナルトは、脚を組んだまま腕まで組み、椅子の上で背中を倒し、側頭部を背もたれに乗せた。
「これで満足か?」
「お前は本気でやってんの? それとも煽ってんの?」
「頭はお前より下にあるだろ」
「そうだな、俺が立ってるからな」
頭の下げ方を知らないのか、下げる頭なんて持ち合わせていないのか、下からカイルを見下ろしてるライナルト。
頭を下げると言いながら偉そうにしているライナルト、その態度に苛立つカイル。
そこまで耐えて、やっぱり気の短い二人の話し合いは殴り合いに移行し、魔法まで使うガチファイトに発展した。
どちらが先に手を出したのかはもう誰も憶えてないが、最終的に両者共に軽傷で終わり、皇城の一部が壊れた。
城より頑丈な二人の喧嘩の余波で城が壊れたので、その修復の間は夜会は延期になった。
延期になっても無くなるわけではないので、目的は二人の存在を貴族らに見せることなので、残念ながら不参加というわけにはいかないのだ。
なのでどうにか参加させなければならない、誰かがカイルの首を縦に振らせる必要がある。
そこで、今まで何度も気乗りしないライナルトを宥めて、どうにかこうにか会議とか式典とかに出席させてきた実績のある、乳兄弟でもある側近に全部任せることとなった。
実は今回の夜会にライナルトが参加すると決めたのにもこの側近の努力があるので、こいつならカイルもできるだろうとみんな押しつけたのだ。
そして真面目な側近、引き受けたからにはどんな無茶もこなして見せると向い、見事カイルを頷かせた。
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