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第一章 僕は普通の農民です
宿
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「誠に申し訳ございません」
「い、いえいえ、予定外なら仕方ないですから」
「ですが御客人を呼んでおいて宿に泊まらせるなど……」
「僕もコンも大丈夫ですから、ね?」
今現在僕達は早く着き過ぎてしまったためまだお城の方で迎える準備が出来ていないと言われ、また明日に来るよう言われたのだそう。
そもそも呼んだ本人である国王様は他国との会談で出掛けていた所に連絡が入ったため、今もまだ王都に到着していないそう。
お城も客間が現在使用出来ない状況らしく、王都で宿を探すことになったのだ。
あと混沌竜のコンは大変目立つため、従魔には一応元の住処に戻って貰う事も出来たのだが現在はコン自身の魔法で透明化している。
「ですが、貴族用の宿がこんな日に限って埋まっているだなんて……」
「そんな貴族用だなんて、僕には勿体無いですから普通の宿でいいですよ」
「我はロイと居られれば野宿でも構わないのだが?」
「そ、そそそ、そんなとんでもない!」
「コン、あんまり困らせることを言わないの」
「なぜ今ので困るのだ?人の世はなかなか難しいものだな」
と、あちこち周りながら話していた。
「あの、宿をお探しでしょうか?」
と、突然後から声を掛けられた。
「えっと……君は?」
僕が振り返ってみると、そこには10歳ぐらいの大きな袋を提げた女の子が居た。
「私、メルって言います。あのその、家は宿屋をやってるんですけど、もしよければお泊りになりますか?」
そうおずおずと話しかけてきた少女に対し、僕は笑顔で答える。
「うん、じゃあ案内してくれないかな?」
僕はその子、メルが持っている袋に様々な食材が入っているのを見て買物の帰りだと思い案内をお願いすると笑顔になった。
「はい!」
そして元気なメルの返事を聞いた僕は、メイドさんに何も確認をしていないことを思い出した。
「あの、勝手に決めてすみません」
すぐに頭を下げる僕にメイドさんはちょっと驚き、そして慌てて答える。
「いえいえ、私達がお呼び致しましたので、お客様であるロイ様とコン様が良ければ何も問題ありません」
と、そう言うことらしいのでメルに案内してもらう。
その時メルは大丈夫とは言っていたのだが、メルが持っていた袋の3つの内2つを案内してもらう分と言って運んだ。
「着きました」
それから少しメルを先頭に歩いた僕達は王都の繁華街の中にある一軒の宿屋に到着する。
「へぇ、立派な宿屋だね」
そう感心して見上げる建物は木製2階建てでそこそこ大き目な建物だった。
「お、おかえりメル」
「ただいまお父さん」
丁度入り口の掃き掃除をしていたメルのお父さんがメルに気付いて掃き掃除の手を止める。
「あ、この人達宿を探してたみたいだから案内してきたよ」
「おお、そうか!ではここで立ち話も何ですから、中へどうぞ」
そうして、運んできた袋をメルに返してから中に入る。
「うちは一階が食堂にもなっておりまして、宿代に食事付きですとそれように作ったものをお部屋にお運びするのですが、大半の人は宿泊費だけにして食べていく方が多いです」
入ってすぐにメルのお父さんが説明してくれる。
「お二人様であればツインか別室となりますが……」
「ああいえ、泊まるのは僕だけですので」
僕は慌てて答える。
「ああ、もしかして国王様からのお呼び出しかい?」
「え、そのとおりですけど……なんでわかったんですか?」
普通そんなのわからないと思うんだけど……
「ああいや、あんたの見た目と服装がいかにも田舎から来ましたーって感じなのにメイドを連れてるとか疑問だからな。だから理由としては一番ありえそうなんでな」
「ああ、なるほど……」
「はい。ですので今回は国王様がお支払いになりますので、ロイ様とコン様がよろしければここでも……」
そうメイドさんが言った時、メルのお父さんは首を傾げる。
「コン?そいつは遅れて来るのか?」
あ、そういえば従魔のコンのことを言ってなかった。
「あ、コンは僕の従魔です」
「ああ、そうか従魔か。まあ従魔はここで出していてもいいが、あんま大きい奴とか重い奴とか危険な奴ではないよな?」
そう不安そうに聞くので、コンには事前に話した魔法を掛けてもらった上で透明化を解除してもらう。
すると、真っ白い姿のコンが現れた。
「お、おお!?もしかしてりゅ……いや、ちょっと待てそんなのここで出したらパニックになるから呼び出すのはちょっと……いえ、お部屋でなら構いませんが、絶対に騒ぎになりますので……」
「あ、すすす、すみません!」
そうだ混沌竜とバレなければと先程考えて『白竜』の姿に変えてもらったのだが、そもそも竜種が特別だった……村では普通に受け入れられていたため、そこまで気が回らなかった。
それから暫くしてシングルで1部屋を食事代を抜きで泊まることになった。
その際、絶対にコンを部屋以外で出さないことと強く念を押された。
「い、いえいえ、予定外なら仕方ないですから」
「ですが御客人を呼んでおいて宿に泊まらせるなど……」
「僕もコンも大丈夫ですから、ね?」
今現在僕達は早く着き過ぎてしまったためまだお城の方で迎える準備が出来ていないと言われ、また明日に来るよう言われたのだそう。
そもそも呼んだ本人である国王様は他国との会談で出掛けていた所に連絡が入ったため、今もまだ王都に到着していないそう。
お城も客間が現在使用出来ない状況らしく、王都で宿を探すことになったのだ。
あと混沌竜のコンは大変目立つため、従魔には一応元の住処に戻って貰う事も出来たのだが現在はコン自身の魔法で透明化している。
「ですが、貴族用の宿がこんな日に限って埋まっているだなんて……」
「そんな貴族用だなんて、僕には勿体無いですから普通の宿でいいですよ」
「我はロイと居られれば野宿でも構わないのだが?」
「そ、そそそ、そんなとんでもない!」
「コン、あんまり困らせることを言わないの」
「なぜ今ので困るのだ?人の世はなかなか難しいものだな」
と、あちこち周りながら話していた。
「あの、宿をお探しでしょうか?」
と、突然後から声を掛けられた。
「えっと……君は?」
僕が振り返ってみると、そこには10歳ぐらいの大きな袋を提げた女の子が居た。
「私、メルって言います。あのその、家は宿屋をやってるんですけど、もしよければお泊りになりますか?」
そうおずおずと話しかけてきた少女に対し、僕は笑顔で答える。
「うん、じゃあ案内してくれないかな?」
僕はその子、メルが持っている袋に様々な食材が入っているのを見て買物の帰りだと思い案内をお願いすると笑顔になった。
「はい!」
そして元気なメルの返事を聞いた僕は、メイドさんに何も確認をしていないことを思い出した。
「あの、勝手に決めてすみません」
すぐに頭を下げる僕にメイドさんはちょっと驚き、そして慌てて答える。
「いえいえ、私達がお呼び致しましたので、お客様であるロイ様とコン様が良ければ何も問題ありません」
と、そう言うことらしいのでメルに案内してもらう。
その時メルは大丈夫とは言っていたのだが、メルが持っていた袋の3つの内2つを案内してもらう分と言って運んだ。
「着きました」
それから少しメルを先頭に歩いた僕達は王都の繁華街の中にある一軒の宿屋に到着する。
「へぇ、立派な宿屋だね」
そう感心して見上げる建物は木製2階建てでそこそこ大き目な建物だった。
「お、おかえりメル」
「ただいまお父さん」
丁度入り口の掃き掃除をしていたメルのお父さんがメルに気付いて掃き掃除の手を止める。
「あ、この人達宿を探してたみたいだから案内してきたよ」
「おお、そうか!ではここで立ち話も何ですから、中へどうぞ」
そうして、運んできた袋をメルに返してから中に入る。
「うちは一階が食堂にもなっておりまして、宿代に食事付きですとそれように作ったものをお部屋にお運びするのですが、大半の人は宿泊費だけにして食べていく方が多いです」
入ってすぐにメルのお父さんが説明してくれる。
「お二人様であればツインか別室となりますが……」
「ああいえ、泊まるのは僕だけですので」
僕は慌てて答える。
「ああ、もしかして国王様からのお呼び出しかい?」
「え、そのとおりですけど……なんでわかったんですか?」
普通そんなのわからないと思うんだけど……
「ああいや、あんたの見た目と服装がいかにも田舎から来ましたーって感じなのにメイドを連れてるとか疑問だからな。だから理由としては一番ありえそうなんでな」
「ああ、なるほど……」
「はい。ですので今回は国王様がお支払いになりますので、ロイ様とコン様がよろしければここでも……」
そうメイドさんが言った時、メルのお父さんは首を傾げる。
「コン?そいつは遅れて来るのか?」
あ、そういえば従魔のコンのことを言ってなかった。
「あ、コンは僕の従魔です」
「ああ、そうか従魔か。まあ従魔はここで出していてもいいが、あんま大きい奴とか重い奴とか危険な奴ではないよな?」
そう不安そうに聞くので、コンには事前に話した魔法を掛けてもらった上で透明化を解除してもらう。
すると、真っ白い姿のコンが現れた。
「お、おお!?もしかしてりゅ……いや、ちょっと待てそんなのここで出したらパニックになるから呼び出すのはちょっと……いえ、お部屋でなら構いませんが、絶対に騒ぎになりますので……」
「あ、すすす、すみません!」
そうだ混沌竜とバレなければと先程考えて『白竜』の姿に変えてもらったのだが、そもそも竜種が特別だった……村では普通に受け入れられていたため、そこまで気が回らなかった。
それから暫くしてシングルで1部屋を食事代を抜きで泊まることになった。
その際、絶対にコンを部屋以外で出さないことと強く念を押された。
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