短編集「熱血!脱力?ジュニアハイ日記」

あおみなみ

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後輩からのラブレター 恋愛対象の性別など、考えたこともなかった

不機嫌な後輩

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中学校のバスケ部に所属する宇崎は、人懐っこいが直情型の後輩・霧島の扱いには定評があり、何かと面倒を見、かわいがっていた。
一方で、繰り返し見る夢のせいで、霧島への本当の気持ちを自覚せざるを得なくなって…。

***

 奥田おくだ学園中3年の宇崎うざき幸次郎こうじろうは、バスケットボール部に所属している。
 ブロック大会敗退後、2年生への引き継ぎに入っていたが、現2年生の中でも実力的には1、2を争う霧島きりしまタカオは、宇崎にとって悩みの種だった。

 競技者としての力量はあり、社交的な性格で他の部員からもまあまあ慕われている。宇崎自身もかわいがっていた。
 反面、癇癪持ちで、スムーズに事が進まないと人に当たり散らすような困った面がある。

 霧島よりも技術的には劣るものの、安定した温厚な性格の平田ひらたの方が、多分部長としては適格だろう。
 部長決定のミーティングが近々あり、多分、他の3年生も宇崎と同じように考えているだろうが、もしも平田を部長として推した場合、霧島は一体何と言うだろう。

「何でっすか!平田みたいなヘタクソより、俺の方がいいっしょ?」
 くらいのことは無遠慮に発言しそうだ。
 そして平田の性格上、「霧島の方がずっとうまいのは事実だから」と引き、霧島のサポートをしてくれるだろう。
 それはその場で収まったとしても、そんな感じで決まった部長に下級生たちがついてくるのかどうか。

 そんなことを思いつつ、宇崎は2・3時間目の業間に、霧島が所属する2年4組の教室に出向き、「おい霧島、今日のミーティングサボるなよ?」と一声かけた。
「部長選挙の大事なミーティングだから」という意味だったのだが、霧島は別な取り方をし、見るからに不機嫌な顔をした。

 霧島は3年生の中でも宇崎に特に懐いていた。というよりも、「宇崎は霧島のいなし方がとにかくうまい」との定評があったので、こうした伝言は宇崎が大抵担当していたのだが、いつになく不機嫌な顔で「くどくど言わなくてもちゃんと行くっす!」と怒鳴り返してきた。

「何だその返事は?「はい」でいいだろう?」と言うと、「すんません」と一言、やはり不機嫌顔のまま答えるのだ。

 宇崎はそういった反応自体は、何か虫の居所が悪かったのだろうと思い、大した気に留めなかった。それよりもミーティングの行方の方が問題である。
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