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第6話 花ざかりの少年少女たち
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今月は、花の絵の焼き印が入った白いまんじゅうと、小さなスフレチーズケーキがセットで盛られ、飲み物だけ希望を取るというスタイルになった。
咲良もあざみは一も二もなく日本茶だったが、まつりも優香も「私たちも日本茶で」と、軽く手を挙げながら言った。
「この焼き印、ひょっとしてフクジュソウですか?」
花卉園芸を趣味にしている高倉という初老の女性が、菓子類をサーブしていたスタッフに尋ねた。
「正解です。さすがですね」
「新春らしくていいわね。かわいい」
そこで高倉は、咲良たちに話題を振った。
「花といえば、我がお茶会のフラワーシスターズがいたわね、あざみちゃんと咲良ちゃん」
音だけではあるが、ともに花の名前を持つ常連ということで、即興でユニット名が冠されてしまった。
「何ですか、そのネーミングは!」
あざみが突っ込むような調子で言ったが、別に不愉快な気持ちではなかった。
そこで優香が、それが癖らしく、やはり軽く手を挙げて言った。
「あのお、この子も仲間に入れてあげてください」
「優香、ちょっと…」
まつりは優香を制するようなしぐさをしたが、優香は構わず続けた。
「この子“まつり”って平仮名で書くんですけど、
茉莉花からとった名前なんです。
つまりジャスミンです。ちなみにお姉さんはすみれさんって名前で」
「あらあら、リアルシスターズがいたの?
まつりちゃんって素敵な名前ね。清楚な白い花だし、イメージにぴったり」
高倉が目を輝かせて食いついてきた。
「いやいや、そんな…」
優香はすっかりこの場になじんだ雰囲気だったが、まつりはまだ“かたさ”が取れない。
「ところで、あなたの名前は?」
「私は南原優香っていいます。優しい香りと書きます」
「花に香りはつきものでしょ。あなたも立派にシスターズの一員ね」
「いやあ…そもそもユウカなんてかわいい名前が柄じゃないんで…」
咲良は、如才なく振る舞う優香の照れたような表情を、ちょっとかわいいなと思った。
(まつりさんもおとなしいけど感じがいいし、2人ともちょっとお友達になりたいかも)
咲良もあざみは一も二もなく日本茶だったが、まつりも優香も「私たちも日本茶で」と、軽く手を挙げながら言った。
「この焼き印、ひょっとしてフクジュソウですか?」
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「正解です。さすがですね」
「新春らしくていいわね。かわいい」
そこで高倉は、咲良たちに話題を振った。
「花といえば、我がお茶会のフラワーシスターズがいたわね、あざみちゃんと咲良ちゃん」
音だけではあるが、ともに花の名前を持つ常連ということで、即興でユニット名が冠されてしまった。
「何ですか、そのネーミングは!」
あざみが突っ込むような調子で言ったが、別に不愉快な気持ちではなかった。
そこで優香が、それが癖らしく、やはり軽く手を挙げて言った。
「あのお、この子も仲間に入れてあげてください」
「優香、ちょっと…」
まつりは優香を制するようなしぐさをしたが、優香は構わず続けた。
「この子“まつり”って平仮名で書くんですけど、
茉莉花からとった名前なんです。
つまりジャスミンです。ちなみにお姉さんはすみれさんって名前で」
「あらあら、リアルシスターズがいたの?
まつりちゃんって素敵な名前ね。清楚な白い花だし、イメージにぴったり」
高倉が目を輝かせて食いついてきた。
「いやいや、そんな…」
優香はすっかりこの場になじんだ雰囲気だったが、まつりはまだ“かたさ”が取れない。
「ところで、あなたの名前は?」
「私は南原優香っていいます。優しい香りと書きます」
「花に香りはつきものでしょ。あなたも立派にシスターズの一員ね」
「いやあ…そもそもユウカなんてかわいい名前が柄じゃないんで…」
咲良は、如才なく振る舞う優香の照れたような表情を、ちょっとかわいいなと思った。
(まつりさんもおとなしいけど感じがいいし、2人ともちょっとお友達になりたいかも)
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