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喜多川史彦
家のこと
しおりを挟むゆうゆうじてき部の面々でも、好人物ながらちょいと影の薄い少年、喜多川史彦君視点の話です。
前話の「南原優香」同様、ダイジェスト要素もありますが、喜多川君自身の家業や家族絡みの部分が厚めです。
作中の「F県産の原料を使うと公言して話題になった菓子店」は実在の店がヒントにはなっていますが、実際の時期はこの話の設定(2010~2011年末)より後(2014年頃)の出来事です。ご了承くださいませ。
***
うちの親は「きたがわ」というケーキ屋を経営している。
最初は父ちゃんと母ちゃんの2人でやっていたけど、安くてうまいって評判で、お手伝いの人も何人か雇うようになった。
だからか母ちゃんは、俺が小学校に入ってある程度手がかからなくなった頃、「仕事の合間に」弟2人、妹1人を結構立て続けに産んだ。そして俺の中学入学前に、一気に4人きょうだいの一番上になっちまった。
一番年の近い(それでも7歳離れてるが)弟は、最近は生意気な口利くようになったけど、みんなかわいい。
スポーツとか結構好きだから、小4でサッカーのスポーツ少年団に入ろうとしたら、親が分担して子供たちを遠征先に送迎したり、何だかんだとやることが多いらしい。ちょうど母ちゃんの腹に妹がいた頃で、うちじゃ無理かなと思ってあきらめた。
逆に俺自身が弟たちの面倒を見た方がいいなって空気は、2人目が生まれたぐらいでさすがに感じたし。
親戚とか、お店のお客さんとか近所の人とかに、「ふみ君は面倒見もいいし、偉いねえ」って褒められるけど、もっと年近かったら不満も言ってたし、けんかもしてたと思う。
面倒くせえなって思っても、競うように「兄ちゃん、兄ちゃん」って寄ってこられると弱い。一番下の妹なんかまだ2歳だけど、「にい」って呼んでくれて、超かわいいんだ。
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