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【後日談】自転車に乗って【エンディングα】
春休みの“活動計画”
しおりを挟む本編第15章「エンディングα」を踏まえた、まつりとレイのデートエピソードです。
また設定が2012年3月のため、消費税率は5%です。
***
春休みに入ったら、ゆうゆうじてき部の活動の一環として、カルチェランド(通称カルラン)に行くことになった。
そこには片山唯一の遊園地である「メルヘン王国」と体育館と市民プールがあって、安い料金で遊園地の遊具に乗ったり、軽くスポーツを楽しんだりできる。
要するに、遊園地に遊びに行くだけなんだけど、スポーツをしているところを写真に撮って記録として残す。それも紙とブログの両方に残すのだ。
レイの無駄のない要点を押さえた文章の効果もあって、かなり活動記録っぽい体裁になるだろう。リーダー・斉木怜は本当にぬかりがない男子だ。
施設内にうどんやカレーが食べられるフードコートもあるけれど、すぐ近くにできたばかりの産直市場の中にちょっとかわいいカフェレストランもあるらしいので、お昼はそこもいいんじゃない?という話も出ている。
新学期からは3年生なので、そうそう遊んでばかりもいられない。その前にぱーっと景気づけみたいな感じで行こうと、メンバー一同楽しみにしているのだ。
といっても、ほぼ屋外施設だし、自転車移動だしで、天気が悪かったらアウトだけど、春休み中にメンバーの日程をすり合わせて変更するだけ。塾の春期講習の日程もみんな似たようなものだし、5人だから何とかなる。
◇◇◇
さて、そんな春休みまであと何日かという金曜の夜、レイからメールが来た。
『まつりちゃん、明日何か予定ある?』
「ないけど、なあに?」
正式にお付き合いみたいなことをすることになったとき、「これからは呼び捨てにしたい」と言っていたレイだけど、相変わらずちゃん付けで話しかけ、ちゃん付けでメールを送ってくるレイである。
『明日、かなり天気よさそうだから、ちょっと2人で出かけない? 塾が6時からだから、5時ぐらいまで遊べるよ』
「いいね。遊ぼう遊ぼう」
さすがの私も「2人で」と言われて、「みんなにも声かけよう」と言うほど空気が読めないわけではない。
これはレイなりのデートのお誘いなのだ。
そしてここでいつもなら、「まつりちゃん、行きたいところある?」と続くのだが、今回はちょっと違った。
『気になるところがあるから、そこに行きたい。距離は結構あるけど、自転車で行けるから』
「わかった。楽しみにしてるね」
『じゃ、明日10時に迎えに行くね』
こういうやりとりをしている間に、どちらかの家に行って直接話した方が早そうだけど、メールで会話っていうのも、それはそれでカップルっぽくていいな――なんて、最近思っている。
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