「ここ」で笑ったり怒ったり真顔になったり

あおみなみ

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夜中なので、本音を書きますat福島(2013年1月19日)

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 空想してごらん 大地震なんかなかったって
 空想してごらん 津波も来なかったって
 空想してごらん 原発は無傷だったって
 空想してごらん 福島はまだただの地味な田舎のままだって
 空想してみるとわかるよ 空想がいかに役立たずかって

◇◇◇

 短編映画『福島さん』を見ました。

 2011年3月10日、色白で伏し目がちの美しい女性が、謎の男から「放射性物質除去装置」なるものを受け取るところから始まります。
 女性は「3月の福島でその格好は風邪を召しますよ」と一声かけたくなるような涼しげなスーツ姿でした。いや、それはこの際どうでもいいか。

 問題は、放射性物質除去装置です。

 私は、ここでいきなりそういうものが出てくること、そして、クライマックスでその設定が効いてくるという流れがついぞ理解できませんでした。
 ほら、つい今しがた言ったでしょ、「空想は役に立たない」って。

◇◇◇

 大昔、『宇宙戦艦ヤマト』にコスモクリーナーDというものが出てきました。
 もちろん架空ですが、まあいわゆる放射能除去装置です。
 「ヤマト」の作者・松本零士さんは、我が郡山市のふれあい科学館名誉館長を務めていらっしゃいます(**)。
 そのご縁で、秘蔵のコスモクリーナーDを福島県に提供…なんてことはもちろんなく…。
 当たり前だけど、空想は(略)ということで、松本さんを責めることもできず、「本当に存在するなら一体幾らぐらいするんだろうなー」と遠い目になるばかり。
 ただ、もしももしもこんなものが本当にあったら、人間は反省も後悔もなく、同じような失敗を繰り返すだけという気もします。

**
ご存じのとおり、松本零士さんは2023年2月、急性心不全で亡くなりました(ご冥福をお祈り申し上げます)。
オープンした2001年に就任し、2021年まで務められたそうです。
現在は福島県出身の天文学者・渡部潤一氏が同職に就いていらっしゃいます
**

 余談ばかり長くなりました。
 この『福島さん』、一言で言うと脱原発を標榜した作品なのですが、これを見てはっきりしたことがあります。
 「やっぱり極端な原発反対派は、目的遂行のためなら人を傷つけて屁とも思わん連中ばかりだな」
 ということです。

 原発事故後、冒頭のシーンで出てきた女性は赤い着物(放射性物質)をまとい、「放射性物質を出し続ける人間」として差別され、東京在住の自分の妹からもなじられる存在になっているのですが、この女性はなんと、福島のなのだそうです。

 これを見て「まあ、こんな美人にしてもらって光栄だわ」と思う福島県民は、多分そんなにいないでしょう。
 私は控えめに言っても吐き気がしました。
 たとえどんなに真摯に脱原発を訴えようと、もうこの一点で台無しです。

◇◇◇

 福島に現在住んでいる人間は、皆ここが絶対に安全だと思っているわけではありません。
 ただ、それは放射線量が高いからという理由ではなく(そういう理由の人もいましょうが)、多くの自然災害について報道で目の当たりにしたり、体験したりした結果、真の意味での安住の地などないんだな、というある種の諦観の上でです。

 妥協と辛抱の中にも、当事者にしかわからない楽しみも幸せもたくさんあります。
 夏は地元の桃をたくさん食べたし、秋は梨がおいしゅうございました。
 もちろん市場に出ているわけですから、検査に合格したものばかりです。
 この際、公的アナウンスを信じるか信じないかで争いたくはありません。

 前述のふれあい科学館は24階建てビル(ビッグアイ)の20階から24階に設営され、最上階の宇宙劇場(プラネタリウム)は、ギネス認定の「世界一高いところにあるプラネタリウム」なんだそうです。
 この「それがどーした」感、ちょっとよくないですか?私は好きです。

 放射性物質は得体が知れない、とにかく危険、今すぐ脱原発を!と高い意識と情熱を持って行動する人たちが、スポイルされ続ける福島の人間の気持ちを推し量るどころか、運動を盛んにするための燃料にしているふしがあるのは本当に残念です。

◇◇◇

上記の文章はもう11年前の冬の真夜中、勢いで書いたものです。
まだ震災から2年弱。不安から福島に関わるものを忌避する人がいても不思議はありませんでしたが、まだ火力強目にああだこうだ言う方も少なからずいます。
汚染水処理水を海洋放出反対!」…とか頑なに言い募る界隈の人々。
いやはや、根気がありますなあ(呆)。
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