31 / 39
第14章 分岐
こまけえことはいいんだよ!
しおりを挟む
俺を選ぶか、選ばないかだ。
***
「まつり、俺のこと嫌いじゃないだろ?」
「そりゃ――って、その聞き方は卑怯だよ」
「じゃ、聞き方変える。俺のこと好きじゃないだろ?」
「好きじゃないわけではない――って、結局同じことじゃん」
「つまり俺はそういう存在だ。まつりは斉木が好きだけど、それを理由に俺に『嫌い』とか『好きではない』って言うほどでもない。これ、俺としては脈があるって見るけどね」
「脈…」
「街を歩くカップルなんて、別に猛烈に惚れあってる同士ばっかじゃねえよ。お前んとこの親だって仲よさそうだけど、そういうんじゃないだろ?」
「まあ、ねえ…」
「若い頃はいろいろあったかもしんないけど、夫婦ってそんなじゃん。うちは母ちゃんが気が強いから、しょっちゅう親父が怒鳴られてるけど、俺とか兄貴が親父の悪口言うと、母ちゃんすげー怒るよ」
「そういうの、なんかいいね」
「だろ?だからそういう中年夫婦みたいな中学生カップルがいたっていいじゃん」
「よくわかんない理屈だけど、言いたいことは分かる」
「ま、ほぼ屁理屈だけどな。細かいことはいいんだ。俺はまつりに俺のカノジョになってもらいたい」
「……」
「かわいくて律儀で、自己評価低いのが玉に瑕だけど、そんなところまで大好きだ。たのむ。どうかオレのカノジョになってください」
日高君はそう言って、私に頭を下げた。
***
この続きは第15章・第16章の2種類あり、追って更新予定です。
***
「まつり、俺のこと嫌いじゃないだろ?」
「そりゃ――って、その聞き方は卑怯だよ」
「じゃ、聞き方変える。俺のこと好きじゃないだろ?」
「好きじゃないわけではない――って、結局同じことじゃん」
「つまり俺はそういう存在だ。まつりは斉木が好きだけど、それを理由に俺に『嫌い』とか『好きではない』って言うほどでもない。これ、俺としては脈があるって見るけどね」
「脈…」
「街を歩くカップルなんて、別に猛烈に惚れあってる同士ばっかじゃねえよ。お前んとこの親だって仲よさそうだけど、そういうんじゃないだろ?」
「まあ、ねえ…」
「若い頃はいろいろあったかもしんないけど、夫婦ってそんなじゃん。うちは母ちゃんが気が強いから、しょっちゅう親父が怒鳴られてるけど、俺とか兄貴が親父の悪口言うと、母ちゃんすげー怒るよ」
「そういうの、なんかいいね」
「だろ?だからそういう中年夫婦みたいな中学生カップルがいたっていいじゃん」
「よくわかんない理屈だけど、言いたいことは分かる」
「ま、ほぼ屁理屈だけどな。細かいことはいいんだ。俺はまつりに俺のカノジョになってもらいたい」
「……」
「かわいくて律儀で、自己評価低いのが玉に瑕だけど、そんなところまで大好きだ。たのむ。どうかオレのカノジョになってください」
日高君はそう言って、私に頭を下げた。
***
この続きは第15章・第16章の2種類あり、追って更新予定です。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる