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第一章
恋と友情
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六月の雲一つない晴天、体育祭当日。
午前のプログラムが終わり、昼休憩を挟んで、各組の応援合戦が始まる。
応援団チームは衣装に着替える為、構内に集合している。
由人は人文字パネルの指示や最後の確認、質問に対応する為グラウンドの生徒席スタンド前にいた。
体育祭が終われば、久場は受験勉強に本腰を入れる。夏休みだって始まってしまう。二人の時間はどんどん無くなっていく。
だから本当は久場の後を着いてまわりたかった。着替えも手伝いたかった。
でもこの人文字パネルも応援合戦の大事な一部だ。我慢だ。僕はもう十分に特別扱いをされていた。欲張ったらダメだ。
大声は出せないが、質問すればなんでも答えられた。こんな僕が頼りにされている、そのことを喜ぼう。寂しいなんて思っちゃダメだ。
昼休憩が終わり、もうすぐ応援合戦が始まると、本部からスピーカーでアナウンスが流れる。
着替えが終わった各組の応援団員が構内から続々と出てきて、各々の生徒席スタンド前に集まる。どの組からも興奮した歓声が上がった。
衣装に着替えた雛子に、早恵子と誉が近寄り話しているのが視野に入る。
由人は、いざ近くに青い法被と袴姿の久場がいると思うと、見たいという気持ちよりも緊張でがちがちになってしまい、目立たないようにスタンド席の端にこそこそと隠れた。
それなのに早速、久場に見つかり隣に来てしまう。
「由人、どうした? 暑いのか?」
素肌の上に着た法被から、久場の割れた腹筋が見える。長い足に黒い袴を履いて白手袋をはめている。
かっこ良すぎて卒倒しそうだ。
周りにいるスタンドの生徒達からも、黄色い声が上がるのに、久場は平然と僕の肩を抱き、顔を覗き込む。
クラスメイトにドキドキし過ぎて、おどおどと挙動不審になる。
恥ずかしく後ろめたい。逃げ出したいが肩を抱かれて逃げ場がない。
「暑くない……み、みんながかっこ良すぎてびっくりしてるだけ」肩を窄めてどうにか答える。
「そうか……由人、これ結んでくれ」
久場が青い鉢巻を差し出す。
「僕?」鉢巻を受け取る。
「うん」
背の高い久場が後ろを向き、結びやすいように膝を曲げる。
「僕が結んでいいの?」答えは分かっている。それでも言葉が聞きたかった。
「由人がいい、鉢巻はお前にしてもらうって決めてた」
「……分かった」
みんなの視線を感じる。
なんであんなチビが? きっとそう思われている。僕だってそう思うよ。
久場には沢山の友達がいる。知ってる。それでも僕を見つけて鉢巻を渡してくれるんだ。
ジャージのポケットに入れていたピン留めを取り出して、邪魔な前髪を止める。
じんわり涙が溢れる。
以前の僕ならまた感情が昂って、そのまま泣いて久場を困らせただろう。
「久場くんの頭のつむじ、初めて見たかも…」でも少し度胸がついたのかな、滲む涙を止められたよ。
少しだけ長めのツーブロックの久場の髪に、後ろから長い鉢巻を巻く。
長さが均等になるように、シワにならないように耳にかけしっかりと結ぶ。後ろから前髪を触って鉢巻の前に出す。
綺麗に結べたよ。背中をぽんぽんと叩いた。
「よし!」
法被をはためかせ、久場が屈めていた身を勢いよく立ち上げた。
下唇を噛んで、泣くのを堪えている僕の顔を見て、耳にかけている前髪を触る。
「…今日が本番だし、俺のことしっかり見てろよ」
そう言って僕の頭をぽんぽんと叩いた。
久場はスタンド席の真正面に歩き出し、腰の後ろで両手を組み仁王立ちになった。
六月の風に鉢巻がたなびく。久場が深く息を吸う。
「押忍!」青組のスタンド席によく通る久場の声が響き、みんなの視線が集中した。
「最強の青組の力! 見せつけてやろうぜ!」拳を高く突き上げた久場に、わっと歓声があがった。
応援合戦は、人文字パネルから応援団演舞を各組が演じる。
青組も人文字パネルを無事終え、次は久場が率いる応援団の演舞の番だ。
由人もスタンド下に座って、本部テント前に駆けて行った久場の後ろ姿をじっと見つめた。
広いグラウンドに腹から発声される久場の口上が響きわたり、合図とともに和太鼓が叩かれる。
その太鼓の響きは教室で毎日聞いていた通りで、演舞する動きも毎日見ていたものだった。
青い空の下で体全体のエネルギーを解放し、伸びやかに演舞を舞う久場の存在は、どこか神がかっていた。
久場を中心に応援団全員の士気が一つになる。
一糸乱れぬ動きは演舞後、大喝采を浴びた。
応援団が駆け足でスタンドに帰ってくるのを青組全員が興奮した拍手で迎える。
由人だけが、座ったまま呆然と、固まっていた。
どうしよう……久場くんが好きだ。
周りの大歓声も朧げにしか聞こえない。
自分の心臓の音がやけにはっきり聞こえる。
とうとう、誤魔化せなくなってしまった。
ずっと否定していた。この感情は恋とかそういう生温かく苦しいものではないと、気持ちを払っていた。友達なんだと。
だって友達の方がいい。僕は男だ。
どんなに可愛がってもらっても、特別扱いをされてもそれは友達だから。それ以上はないんだ。
だからこの感情に名前を、色をつけてはいけないと分かっている。
恋なんて、叶うわけがないのに、心臓の鼓動の音が……鮮やかに色付いてしまった。
由人は呆然と賑わっている応援団員の方を見る。
雛子のそばに早恵子と誉がいる、三人とも嬉しそうに話している。その向こうに久場がいて、一際賑わっていた。
他の組で応援団をしている大久保と丸太も法被を着たまま一緒に楽しそうに話している。
そして、どうやら久場の家族らしい人もいて、久場達を囲んで写真を撮っていた。
賑やかな光景だ。
そうだ、あれが本来の姿なんだ。あの場所に僕は似合わない。
分かっている。友達でいることに満足するべきだ。
それなのに、恋が消えない。
由人は俯く。涙が一粒、抱えた膝に落ちる。
大丈夫、こんなのは分かっていたことだ。黙って今まで通りにしていればいいだけ。
「大丈夫、大丈夫」呪文のように小さな声で繰り返した。
俯いた視界の端に誰かの運動靴が入る。
「由くん」
声の主の誉だった。誉は由人の隣に静かに座る。
「泣いてるの?」
由人は俯いたまま首を振る。
「……由くん、こっち行こう」誉が手首を引いて由人をスタンドの裏に連れて行く。
由人は引かれるままについていった。
グラウンドでは最後の組が演舞を披露する太鼓の音が聞こえている。
「……誉ちゃん、なんでいるの?」
僕のことはほっといていいよ、涙はもうおさまったから。
「雛ちゃん、着替えに行ったから早恵ちゃんも一緒に行ったの、私は由くんと一緒にいる」
「そうなんだ……ごめん、大丈夫……スタンド席に戻ろうか……」
「由くん、すごく頑張ったよね……パネル大成功だったね、お疲れ様」
由人と同じくらいの身長の誉が頭を撫でる。
「私じゃ役不足だよね、でも本当に由くん偉かったよ、私、由くんの友達で凄く嬉しいもん」
的外れな言葉でも、人は慰められると涙が出てしまうものである。
どうしようもない状況に心はもう諦めていている。誉から逸らした瞳に涙が溢れて頬をつたっていくのも、まるで他人事のように感じる。
きっと、賑やかな輪に入れなくて僕が拗ねていると誉ちゃんは思ったんだね、でも違うんだ。
僕はね、今、恋を自覚して、そして失恋したんだよ。
「ありがとう、誉ちゃん」
それにね、僕なんてほっといていいんだよ。
優しくされているのに……ありがとうと言いながら、僕は今酷いことを考えている。
「泣かないで由くん、私達がいる、私達はずっと味方だから」
誉が由人をそっと抱きしめた。じっと立ったまま由人はその抱擁を受け止めた。
誉ちゃんはなんて優しいんだろう。純粋な友情で、こんな僕を慰めてくれている。
なのに……僕はね、ちっとも嬉しくないんだ。
誉ちゃんみたいな、柔らかく笑う優しい女の子だったらよかった、そしたら久場くんに告白出来たのに。そう思ってるんだ。
誉ちゃんは女の子でいいな。
ああ、でも久場くんは女の子と付き合っても好きにはならないんだった。
「誉ちゃん、大丈夫だよ、僕はすぐ泣いちゃうからダメだよね、誉ちゃんが友達で僕も嬉しいよ」
「本当に? 泣きたい時は泣いていいよ、ここには私しかいないんだし」抱きしめていた腕を離し、誉が照れ臭そうに笑う。目尻に涙が浮かんでいた。
「なんで誉ちゃんが泣いてるの……もう、本当になんでもないんだよ……席に戻る前に顔を洗いに行こっか」
「ごめん、私も泣き虫だからなんかもらい泣きしちゃった」
てへへと、笑う誉が可愛くて由人も笑った。
僕には僕の為に泣いてくれたり、心配してくれる優しい友達がいる。
辛い恋なんかより、こうやって思いやってくれる友達を大事にするべきなんだ。
誉と並んで、構内にある手洗い場へ歩きながら由人は自分に言い聞かせていた。
午前のプログラムが終わり、昼休憩を挟んで、各組の応援合戦が始まる。
応援団チームは衣装に着替える為、構内に集合している。
由人は人文字パネルの指示や最後の確認、質問に対応する為グラウンドの生徒席スタンド前にいた。
体育祭が終われば、久場は受験勉強に本腰を入れる。夏休みだって始まってしまう。二人の時間はどんどん無くなっていく。
だから本当は久場の後を着いてまわりたかった。着替えも手伝いたかった。
でもこの人文字パネルも応援合戦の大事な一部だ。我慢だ。僕はもう十分に特別扱いをされていた。欲張ったらダメだ。
大声は出せないが、質問すればなんでも答えられた。こんな僕が頼りにされている、そのことを喜ぼう。寂しいなんて思っちゃダメだ。
昼休憩が終わり、もうすぐ応援合戦が始まると、本部からスピーカーでアナウンスが流れる。
着替えが終わった各組の応援団員が構内から続々と出てきて、各々の生徒席スタンド前に集まる。どの組からも興奮した歓声が上がった。
衣装に着替えた雛子に、早恵子と誉が近寄り話しているのが視野に入る。
由人は、いざ近くに青い法被と袴姿の久場がいると思うと、見たいという気持ちよりも緊張でがちがちになってしまい、目立たないようにスタンド席の端にこそこそと隠れた。
それなのに早速、久場に見つかり隣に来てしまう。
「由人、どうした? 暑いのか?」
素肌の上に着た法被から、久場の割れた腹筋が見える。長い足に黒い袴を履いて白手袋をはめている。
かっこ良すぎて卒倒しそうだ。
周りにいるスタンドの生徒達からも、黄色い声が上がるのに、久場は平然と僕の肩を抱き、顔を覗き込む。
クラスメイトにドキドキし過ぎて、おどおどと挙動不審になる。
恥ずかしく後ろめたい。逃げ出したいが肩を抱かれて逃げ場がない。
「暑くない……み、みんながかっこ良すぎてびっくりしてるだけ」肩を窄めてどうにか答える。
「そうか……由人、これ結んでくれ」
久場が青い鉢巻を差し出す。
「僕?」鉢巻を受け取る。
「うん」
背の高い久場が後ろを向き、結びやすいように膝を曲げる。
「僕が結んでいいの?」答えは分かっている。それでも言葉が聞きたかった。
「由人がいい、鉢巻はお前にしてもらうって決めてた」
「……分かった」
みんなの視線を感じる。
なんであんなチビが? きっとそう思われている。僕だってそう思うよ。
久場には沢山の友達がいる。知ってる。それでも僕を見つけて鉢巻を渡してくれるんだ。
ジャージのポケットに入れていたピン留めを取り出して、邪魔な前髪を止める。
じんわり涙が溢れる。
以前の僕ならまた感情が昂って、そのまま泣いて久場を困らせただろう。
「久場くんの頭のつむじ、初めて見たかも…」でも少し度胸がついたのかな、滲む涙を止められたよ。
少しだけ長めのツーブロックの久場の髪に、後ろから長い鉢巻を巻く。
長さが均等になるように、シワにならないように耳にかけしっかりと結ぶ。後ろから前髪を触って鉢巻の前に出す。
綺麗に結べたよ。背中をぽんぽんと叩いた。
「よし!」
法被をはためかせ、久場が屈めていた身を勢いよく立ち上げた。
下唇を噛んで、泣くのを堪えている僕の顔を見て、耳にかけている前髪を触る。
「…今日が本番だし、俺のことしっかり見てろよ」
そう言って僕の頭をぽんぽんと叩いた。
久場はスタンド席の真正面に歩き出し、腰の後ろで両手を組み仁王立ちになった。
六月の風に鉢巻がたなびく。久場が深く息を吸う。
「押忍!」青組のスタンド席によく通る久場の声が響き、みんなの視線が集中した。
「最強の青組の力! 見せつけてやろうぜ!」拳を高く突き上げた久場に、わっと歓声があがった。
応援合戦は、人文字パネルから応援団演舞を各組が演じる。
青組も人文字パネルを無事終え、次は久場が率いる応援団の演舞の番だ。
由人もスタンド下に座って、本部テント前に駆けて行った久場の後ろ姿をじっと見つめた。
広いグラウンドに腹から発声される久場の口上が響きわたり、合図とともに和太鼓が叩かれる。
その太鼓の響きは教室で毎日聞いていた通りで、演舞する動きも毎日見ていたものだった。
青い空の下で体全体のエネルギーを解放し、伸びやかに演舞を舞う久場の存在は、どこか神がかっていた。
久場を中心に応援団全員の士気が一つになる。
一糸乱れぬ動きは演舞後、大喝采を浴びた。
応援団が駆け足でスタンドに帰ってくるのを青組全員が興奮した拍手で迎える。
由人だけが、座ったまま呆然と、固まっていた。
どうしよう……久場くんが好きだ。
周りの大歓声も朧げにしか聞こえない。
自分の心臓の音がやけにはっきり聞こえる。
とうとう、誤魔化せなくなってしまった。
ずっと否定していた。この感情は恋とかそういう生温かく苦しいものではないと、気持ちを払っていた。友達なんだと。
だって友達の方がいい。僕は男だ。
どんなに可愛がってもらっても、特別扱いをされてもそれは友達だから。それ以上はないんだ。
だからこの感情に名前を、色をつけてはいけないと分かっている。
恋なんて、叶うわけがないのに、心臓の鼓動の音が……鮮やかに色付いてしまった。
由人は呆然と賑わっている応援団員の方を見る。
雛子のそばに早恵子と誉がいる、三人とも嬉しそうに話している。その向こうに久場がいて、一際賑わっていた。
他の組で応援団をしている大久保と丸太も法被を着たまま一緒に楽しそうに話している。
そして、どうやら久場の家族らしい人もいて、久場達を囲んで写真を撮っていた。
賑やかな光景だ。
そうだ、あれが本来の姿なんだ。あの場所に僕は似合わない。
分かっている。友達でいることに満足するべきだ。
それなのに、恋が消えない。
由人は俯く。涙が一粒、抱えた膝に落ちる。
大丈夫、こんなのは分かっていたことだ。黙って今まで通りにしていればいいだけ。
「大丈夫、大丈夫」呪文のように小さな声で繰り返した。
俯いた視界の端に誰かの運動靴が入る。
「由くん」
声の主の誉だった。誉は由人の隣に静かに座る。
「泣いてるの?」
由人は俯いたまま首を振る。
「……由くん、こっち行こう」誉が手首を引いて由人をスタンドの裏に連れて行く。
由人は引かれるままについていった。
グラウンドでは最後の組が演舞を披露する太鼓の音が聞こえている。
「……誉ちゃん、なんでいるの?」
僕のことはほっといていいよ、涙はもうおさまったから。
「雛ちゃん、着替えに行ったから早恵ちゃんも一緒に行ったの、私は由くんと一緒にいる」
「そうなんだ……ごめん、大丈夫……スタンド席に戻ろうか……」
「由くん、すごく頑張ったよね……パネル大成功だったね、お疲れ様」
由人と同じくらいの身長の誉が頭を撫でる。
「私じゃ役不足だよね、でも本当に由くん偉かったよ、私、由くんの友達で凄く嬉しいもん」
的外れな言葉でも、人は慰められると涙が出てしまうものである。
どうしようもない状況に心はもう諦めていている。誉から逸らした瞳に涙が溢れて頬をつたっていくのも、まるで他人事のように感じる。
きっと、賑やかな輪に入れなくて僕が拗ねていると誉ちゃんは思ったんだね、でも違うんだ。
僕はね、今、恋を自覚して、そして失恋したんだよ。
「ありがとう、誉ちゃん」
それにね、僕なんてほっといていいんだよ。
優しくされているのに……ありがとうと言いながら、僕は今酷いことを考えている。
「泣かないで由くん、私達がいる、私達はずっと味方だから」
誉が由人をそっと抱きしめた。じっと立ったまま由人はその抱擁を受け止めた。
誉ちゃんはなんて優しいんだろう。純粋な友情で、こんな僕を慰めてくれている。
なのに……僕はね、ちっとも嬉しくないんだ。
誉ちゃんみたいな、柔らかく笑う優しい女の子だったらよかった、そしたら久場くんに告白出来たのに。そう思ってるんだ。
誉ちゃんは女の子でいいな。
ああ、でも久場くんは女の子と付き合っても好きにはならないんだった。
「誉ちゃん、大丈夫だよ、僕はすぐ泣いちゃうからダメだよね、誉ちゃんが友達で僕も嬉しいよ」
「本当に? 泣きたい時は泣いていいよ、ここには私しかいないんだし」抱きしめていた腕を離し、誉が照れ臭そうに笑う。目尻に涙が浮かんでいた。
「なんで誉ちゃんが泣いてるの……もう、本当になんでもないんだよ……席に戻る前に顔を洗いに行こっか」
「ごめん、私も泣き虫だからなんかもらい泣きしちゃった」
てへへと、笑う誉が可愛くて由人も笑った。
僕には僕の為に泣いてくれたり、心配してくれる優しい友達がいる。
辛い恋なんかより、こうやって思いやってくれる友達を大事にするべきなんだ。
誉と並んで、構内にある手洗い場へ歩きながら由人は自分に言い聞かせていた。
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