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第12話「クラスメイトと再会」

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 爆撃音の後、俺たちの前に現れたのはクラスメイトの二人、一人はアニメ好きのオタクで知られるやつ、もう一人は悠太と仲の良いサッカー部員で、しばしば「金魚の糞」とからかわれるやつだった。

 彼らがこの静かなロストアイルに現れた理由は一体何なのか。俺は衝撃とともに混乱した。ミナもまた、この予期せぬ状況に驚愕していた。

 二人のクラスメイト、オタク口調の佐藤勇輝(サトウ ユウキ)と俺様口調で調子に乗る田中健太(タナカ ケンタ)は、攻撃的な態度で俺たちに迫ってきた。彼らの姿は、かつての同級生の面影を色濃く残しつつも、何か別のものに変わり果てていた。

 俺とミナは近くの建物に隠れて状況を見守っていた。
 ミナの手は震えていたが、俺は彼女の手を優しく握る

「大丈夫だよ、大丈夫」安心させた。

「彼らは誰なの?」
 ミナが小さな声で尋ねた。

「俺の元仲間だよ」

 俺は深いため息をつきながら答えた。

「でも、今はこの世界の平和を脅かす敵だ」

 ミナの目には恐怖と驚きが交じっていた。
 彼女は俺の言葉を受け止め、固く頷いた。


「じゃあ、私たちで何とかしないと...」ミナの声は決意に満ちていた。

「そうだね。でも、気をつけて。彼らはもう以前の彼らじゃない」

 俺はミナに強く伝えた。そして、俺たちは慎重にユウキとケンタの動向を見守りつつ、次の一手を考え始めた。

 俺たちが建物から街の人々を避難させようとしていると、不意にユウキとケンタの攻撃が止まった。彼らは人々が避難するのを待ってから、街の中心へと進んでいった。彼らの行動には何か計画があるようだった。

 俺とミナは一時的に安心し、街の人々を安全な場所に導きながら、ユウキとケンタの動向に注意を払った。そして、人々が避難し終えた後、俺たちは彼らに近づいて話を聞くことにした。

 俺がユウキとケンタに近づいた瞬間、彼らは俺に気づいて驚いた表情を浮かべた。ユウキが口を開いた。

「お前、やっぱり生きてたのか。だから食料とかが手に入らなかったのか……」

 ケンタも不満そうに続けた。

「お前のせいで計画がめちゃくちゃだ。こんなことになるなんて……」

 俺は彼らの言葉を聞いて、深いため息をついた。

「お前たち、何をしてるんだよ。ここは無関係の人たちが暮らす平和な街だ。こんなことして、何が得られるっていうんだ?」

 ミナが俺の隣で静かに声を上げた。
「攻撃を止めてください。他にも生きる方法はあるはずです。」

 ユウキとケンタは一瞬、言葉を失った。彼らの目には迷いが見えた。彼らもまた、この厳しい異世界で生き抜くために苦悩していたのだ。

「お前たちとは違う、正しい方法で生きていこうと思ってるんだ」

 俺は彼らに訴えかけた。

「一緒に助け合って、生き抜く方法を見つけよう……これ以上、無関係な人を巻き込むな」

 少し間を開けた後。

「何のためにこんなことをするんだ、ユウキ、ケンタ?」
 俺が尋ねると、彼らは少し疲れた様子で答えた。

「俺たちはもうクラスの中での立場が低く、奴隷みたいに扱われてたんだ。ここに来てから、力を手に入れた。だから、食料と金目の物を手に入れるために、この街を狙ったんだ」

 ケンタも同意するように頷く。

「もうあのクラスには戻りたくない。自分たちで生きていくためには、これしかなかったんだ」

 彼らの言葉には、異世界での苦難と絶望が込められていた。俺は彼らの目に映る悲しみと怒りを感じ取った。かつての友として、彼らをただ非難することはできなかった。

「でも、こうやって他の人に迷惑をかけるのは違う。他に方法があるはずだ」
「私たちも異世界で生きている。一緒に助け合いながら生きていける方法を探しましょう」

 しかしこいつらは話を聞かない。

 ユウキはオタク口調で、何かぼやいていた。
「こんなはずじゃなかったのに、アニメの世界みたいにはいかないんだな……」

 一方で、ケンタは悠太との関係を強調しながら、自身の立場を訴えていた。

「悠太と一緒にいたって、結局は影に過ぎなかったんだ」

 彼らの表情は疲労と空腹で歪んでおり、精神的にも限界に近い様子だった。俺はテオドールの言葉を思い出した。考えることを放棄した人間には、言葉は届かない。

 俺はミナに向き直り、静かに言った。

「ミナ、ここは戦おう! 彼らを止めるには、力で示すしかないんだ」

 ミナは少し驚いた顔をしたが、俺の決意を感じ取り、頷いた。

「わかりました……私も力になります」

 俺は敵の動きを観察し始めた。どんな攻撃が来るか、どのように対処すべきか。全てはこれからの戦いにかかっていた。

 俺は剣を握りしめ、ミナも水魔法で戦闘準備を整えた。ユウキとケンタが攻撃を仕掛ける前に、俺たちは先手を打つことにした。

「やるぞ、ミナ。準備はいいか?」

「はい、任せてください」

 俺たちは戦いに身を投じた。これはただの戦いではなく、かつての友との悲しい対決だった。しかし、俺たちには、それを乗り越え、新しい未来を切り開く力がある。引き出しの秘めた力と、ミナとの連携を信じて、俺たちは戦いに挑んだ。
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