幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん

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少女たちの目覚め

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 ミリスside

「ッッッッ!!!ああああああああぁぁぁ!」

 気持ち悪い何かをが抜けていくと同時に僕は今まで自分がとんでもないことしてしまったという実感が湧いてくる。

「……ち、違うんだアルフこれは間違えだ!僕がそんなことを――」
 

『僕、実はアルフのことそんなに好きじゃないんだよねと』

 急に自分がアルフに向けて発した声を思い出す。

「違う!!僕はアルフが大好きだ世界で一番大好きなんだ!何を言っているんだ僕は!!」

『気持ち悪いな!僕には触らないでくれ!』

『そんな足があるから僕に近ずいて乗れるんだ。消してあげるよ』

 そう言って僕はアルフの左足を――

「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!」

 僕は絶望してうずくまる。

「最愛の人の足を……。僕は、僕はなんてことを……!」

 僕は涙が止まらなかった。
 僕は僕を殺したいほど憎んだ。

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

グレイアside

 ああ、早く死なないかな。
 ワタシは何度も壁に頭を打ち付ける。
 壁は血で赤くなり、アタシの意識も朦朧としてきた。

『アタシはあんたが一人でいたから可哀想で一緒にいてあげたのよ』

「死ね」

『触るんじゃないわよ。気持ち悪いわね』

「死ね!」

『あははっ!あんた左足を足なくなっちゃったんだ!』

「死ね!!」

『右足も消してあげるわよ!これで左右対象ね♪』

「死ね!!!!!!」

 アタシは強く壁に頭を打ち付け続ける。

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!このクソ女、尻軽、ゴミ!」

 そこまで言ってアタシはその場に崩れ落ちる。

「ごめん。アルフ、もう何を言っても許して貰えないだろうけど……」

 アタシはその場に倒れ込む。

「ごめんなさい」

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

シスタside

「アルフ……?」

 アルフが目の前にいる。なんだかとても久しぶりな感じがします。
 私は最愛の人に駆け寄ります。
 後ろから抱きついて彼をびっくりさせましょう。

 抱きつこうとした瞬間彼が振り返ります。
 彼の右目はぽっかりと空洞になっていた。
 
「ッ!酷い!誰がこんなことを!!」

 衝撃的な光景に思わず私は絶句します。
 誰がこんなことを、私が必ずそいつのことを――

 不意に、アルフが私を指さしてきます。

「? 私がどうかしましたか?」

「シスタ」

 最愛の人に名前を呼ばれる。少し照れてしまいます。彼に名前を呼ばれるだけで私はこれ以上ないくらいに幸せに――

「君に射抜かれた」

 アルフはニッコリしながらそう言います。

「……何を言ってるんですか?冗談はやめてください!」

 気がつくと私はアルフとおじゃま虫ともだち二人で暮らしていた家にいた。

 下を向くとゲスい顔をした勇者がいました。

 私は勇者にまたがって腰をギシギシとベットを揺らしています。

 なんで!なんでこんなやつに初めてを!?

『幸せです!勇者様!!もっと!もっと!ください!』

 ……は?
 何を言っている私は?早く降りなさい!降りろ!何をしているっ!汚らわしい!降りろ!降りろよ!!

『いいのかよシスタ。お前の幼なじみ、今頃泣いてるぜ?』

「構いません!あんなクズ!私にはあなたしかいないんです!」

 はぁ!?いい加減にしろよ?殺すぞ?

「殺す?こっちのセリフだよ?シスタ」

 再び私はアルフの前に立っていました。アルフの手には私の弓が握られています。

「さんざん俺を傷つけた、俺の気持ちを踏みにじった」

 アルフは弓を引きます。その左目からは殺意が溢れ出ていました。

「覚悟はできているよな?」

「……はい」

 私はこの殺意を受け入れることにした。彼にはその権利がある。私は最低なことをした。このぐらいされなくては割に合わない。

「死ねっ!!」

 アフルの弾いた弓は、アフルの右目に当たった。

「あああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!!」

 アルフの発狂が辺り一面にひびきわたる。

 私の手には弓が握られていた。
 さっきまでアルフが持っていたはずなのに……どうして?

『はははははっ!両足がなくなって目まで見えなくなったらどうなるんでしょうね?もう片方もいっときます?』

 また私の声だ。最低最悪のクソ女の声だ。

 最低最悪な私の声だ。

 目を開けると、そこには自分が寝ていた部屋の天井だった。

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

 僕達の目が覚めてから何日かすぎて少しずつ気持ちに整理が着いてきた頃。僕達三人は久しぶりに集まっていた。

 でも、僕も含めみんなの心はここに在らずという感じて、無言のまま2時間程が過ぎていった。

「僕、アルフに謝ろうと思うんだ」

 僕は意を決して話し始める。

 シスタとグレイアは初めは何を言っているのか分からないという顔をしていたが時期に怒りに満ちた表情に代わっていた。

「謝る?……今更謝って済む話じゃないでしょう!私たちは取り返しのつかないことをしてしまったんです!まさかされていたから許してなんていうつもりじゃあないでしょうね!」

 シスタは僕の胸ぐらをつかみ涙を流しながらそう怒鳴った。

「だからって!謝らなくていいの?許して貰えないから謝らないの!?」

 僕もシスタを睨み返す。

「そう言う話をしてるんじゃないわよ!アタシ達はもうアルフに会う資格なんかないって言ってんの!そんな当たり前のことをどうして分からないの!?」

 グレイアも僕を睨みつけながらそう怒鳴る。
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