ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

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ボロ竿だろうが釣竿に変わりなし

釣具を作るために4

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 昨日は大変だったな。
 村長のところへ行けばすぐに許可貰えると思ったんだが、村中の有力者に許可をもらいに行くことになった。
 許可は4つで良かったが、タイミング悪く店が閉まり始める時間になってしまった。

「これで良いじゃろう。これが認可証じゃ」

「やっと貰えた」

「無くすでないぞ」

「おう!」

 ホクホク顔のオトシンさんを連れて広場に向かうと、昨日のメンバーが集合した。

「まさか、日を跨いぐとは思わなかったです」

「クエスト受けた俺が説明すれば良かったなぁ」

 テッケンさんは同じクエをやったので、内容を知っていたみたいだが、単に時間が悪かっただけだよ。

「アタシは気にして無いよ。村に戻った時、もう日は陰り始めていたから、仕方ないと思ってる」

「もう済んだことだよ。それより、竹林行こう」

『ヤマト』を起動しつつ、みんなに声をかける。
 スコップよし! 忘れ物は無し!



 守衛さんが、昨日と同じように出迎えてくれる。

「貰って来たか?」

「これです」

 オトシンさんが認可証を出すと、手をかざして魔力を出す。
 何かわかったのか、一度頷くと石碑に名前を刻んだ。

「次からは、オレに言わなくても入れるぜ」

 同じフレーズを聞くと一安心。

「じゃあ、出発だ!」



 オトシンさんには、道中に敵の特徴を伝えてある。特に厄介なモグラは念入りに。それでも、あまり気にしてないようだったので、なんでか尋ねてみた。

「へへ。『クルス』がそういうの得意なんだよ。まぁ出て来てからのお楽しみだな」

 そう言っていたが、レアモンスターなのですぐには出てこない。
 数時間作業しているが、この日は子イノシシばかりで、モグラは全然出現しなかった。

 だから気の緩みもあったんだろうね。ちょっと集団から離れて、タケノコを掘っていたら、急に後ろ髪を引っ張られた。
 気づくと真っ暗で土の香りが充満している。
 手足をバタつかせて抜け出そうとするけど、効果無し。
 ここで初めて知ったんだけど、酸素ゲージというのが表示されて、そいつがどんどん減っていく。
 時折聞こえてくる「ジッジッジ」という鳴き声が、余計焦らせてくる。

 酸素の残りが半分を切ったところで、足を引っ張られる感覚と、周りからのザクザク掘る音が聞こえて来た。

 ヤバい! そろそろ酸素無くなる!

「ぶっは!」

「間に合ったか!?」

「死ぬかと思った……」

「モグラ野郎がやっと出て来たな。出番だクルス!」

 体はちっこいのに、勇敢に立ち向かう姿は凛々しいな。
 それと同時に、オトシンさんとテッケンさんも攻撃に参加する。
 ヤマトは……。お前は小さすぎて何も出来ないか。

「ハッチさんのヤマトが呼びにきたんだよ」

「ヤマトが? やるじゃないか!」

「ハッチさん。私たちも参加しましょう!」

 グスタフさんもやる気に満ちているな。俺も負けていられない。
 なんて思っていたんだが、すでに決着はついていた。

「さすがはクルスだ!」

 オトシンの前で尻尾を追いかけてたかと思えば、ピタっと止まるとドヤ顔でひと吠え。
 お前……なんという可愛さなんだ。

「ヤマトもそういうことは……」

 顔を洗う待機モーションだけでも満足。
 機獣とリトルウルフを眺めるテッケンさんは、ちょっと悔しそうな顔をしている。

「はやく機械言語を探さないと……」

 その気持ちはわかる。
 グスタフさんの方を見ると、こちらには興味無く、すでにモグラを解体していた。

「やはりモグラの爪は鉱石判定か? これは持って帰って調べないと」

 ん? それは聞き捨てならないぞ。

「どうしてそう思ったんですか?」

「今日は、鉱物探知をセットしてきたんですよ。採掘場所があるかと思ったんですが、予想外なところで反応しました」

 俺はセットしてないからわからないな。
 前回取った分と合わせると、爪3本分くらいにはなる。
 帰ったら親方に聞いてみようか。

 その後、もう一度モグラは現れたけど、同じようにハグれた人が被害にあっていた。笑い方も馬鹿にしているし、1人の時を狙ってくるずる賢い奴。
 またもクルスが大活躍していた。その戦いをしっかり見ていると、モグラが出てくる場所を凝視していたり、飛び出すタイミングで噛み付いたりしている。オトシンさんの話だと、気配察知と嗅覚で獲物位置がすぐわかるみたい。可愛いだけじゃなく有能とは、侮れない奴だ。

「オトシンさんもそろそろ良い?」

「あぁ。これだけあれば、しばらく制作に打ち込めるだろ」

「それなら、そろそろ戻りましょうか」
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