ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

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飛び出せ!

ネテラ運営日本支部

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 イベントも終わり結果も概ね成功したと言って良いだろう。今後は各企業ごとにイベントを行うことになる。その中で今回の合同企画は多くの業界に刺さったみたいで、ここ一週間の間ずっとSHOWAの受付は電話が鳴りっぱなし状態となっている。

 なぜ知ってるかだって?
 俺にも電話来てるからだよ!

「あ、はい。私発案だと言っても、実際はSHOWA社員さんが頑張った結果でして……。ええ。いやいや、釣り以外は全くの門外漢ですよ。はい、失礼します」

 うぼぼぼぼ。吐き気を催《もよお》しそうになる。
 こんなのが毎日毎日なりっぱなし、なまじ丁寧な対応な為、断るのに時間がかかってしまうのが困る。

「オイ。サカナガキタゾ」
「このアラン声着信も飽きてきたなー。っと、もしもし」
「海老名様のお電話で間違いありませんでしょうか?」
「そうですよ」
「Neo Earth Terraforming日本支部の運営担当、笹森と申します。イベントお疲れ様でした。少々込み入ったお話したいのですが——」

 天から降ってきたような話。Neo Earth Terraformingの本部に来てみないかという打診で、聞いた当初は喜んで小躍りしていたけれど、後から考えると胡散臭さもある。
 色々と自分で調べたところで、ほとんど情報が出てこない。



 教えてもらったところに来たけれど、未だに間違いじゃないかと心配になる。

「ここに来てくれと言われたけど……宇宙省って入っても良いのかな」
「宇宙省に御用であれば、あちらの受付で予約確認をお願いします」
「あ、はい」

 怖い警備員に促されて中へ入ると、中は警備ロボットがそこかしこと動き回っている。そのうちの一体が常に張り付くように後ろをついてくる。

「いらっしゃいませ。お名前と目を確認します」
「海老名《えびな》 望太《ぼうた》」
「……Neo Earth Terraforming日本支部は67階にございます。あちらのエレベーターをお使いください」
「どうも」

 指定されたエレベーターへ乗り込むと、ボタンなどはどこにも無く、勝手に上がっていく。

「すっげぇ」

 ガラス張りのエレベーターに張り付いて外を見ると、超大型のシャトルが目に入った。未だ開発中と言われていたけれど、すでに建造されていたんだ。
 到着の音は聞こえていたが、目が離せなくてずっと見続けていると、警備ロボットのアームに掴まれて引きずられてしまう。

「ぐんぬぬぬぬ! ふんぬぅ! もうちょっとだけ。あぁぁぁあああああ」
「え? お客さん?」
「中まで入ってきてるし、そうじゃない?」
「もう少し! 先っちょだけで良いから!」

 レトロ的なピコピコ音を鳴らす警備ロボットの力には抗えず、とある薄暗い一室へと放り込まれてしまう。
 周辺を見渡すと、様々なモニターが表示され、働いている人たちやロボットが忙しなく動いている。

「ようこそハッチ君」
「あ。もしかして笹森さんですか?」
「そうそう。電話だけだったからわからなかったよね。まずは席に座ってこちらをどうぞ」
「ありがとうございます。コーラですかね」

 笹森さんにもらった飲み物は黒っぽい色に炭酸のような泡が出ている。

「おっほ。メディカルペッパーとは粋ですね!」
「君なら気に入ってくれると信じてたよ」
「メディペは命の源ですからね」
「ちなみにそれは僕が独自に配合したものなんだよ」
「すっげぇ!」
「まさか室長の趣味に乗る人がいるとはね。雑談はそこまでにして、話を進めましょう」

 話しかけてきたのは女性、じゃなくて女性の形をしたロボット。流暢な話で本物の人かと思ってしまった。いや、もしかして。

「遠隔でしゃべってる?」
「残念ながらAIだよ。かなりラーニングに時間かかったけど、会話機能は人よりも数段高度かもしれないね」

 ここまで技術が進んでいたのかと驚きそうになったが、会話だけで言えばネテラ内のNPCも負けていない。
 そう考えるとありえる話だと思えるな。

「さて、ハッチ君と話したかったのもあるけど、本題は僕ら運営からと言うより国からの依頼かな」
「国? 頼まれるほどすごい技術とか持ってませんよ」
「君の技術と言うより、存在というか友好関係というか」

 友人であれば、それこそ俺じゃなくて本人に頼めば良い話だ。いまいち話の先が見えてこない。

「単刀直入に言うと、ハッチ君……じゃなくて海老名君。惑星ネオアースに行かないか?」
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