夢のかけら【完結】

しょこら

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1.出会い

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 銀の髪なんて悪目立ちしすぎる。
 イリーナは痛いほどの視線を周辺から浴びながら、市で賑わう街道を歩いていた。
 ここは魔法大国エレアザールの首都クレイス。
 綺麗に整備された石畳の広い道いっぱいに店子が軒を連ねている。活気に溢れたその様子に半ば圧倒されていたのだが、イリーナはしばらくするとすれ違う人すれ違う人すべてが、怪訝そうに振りかえるのに気が付いた。
 イリーナの顔をというよりもやはり髪を見、次いでおのぼりさんだとすぐ分かる一張羅の服装を上から下まで見下ろし、首を傾げていく。聞こえてくるのは「違うのか」とか「染めてるんじゃねぇの」とか、そんな言葉。
 イリーナには何が違うのか分からなかったし、染めてるわけでなくれっきとした地毛であると大声で叫び出したくなったが、一生懸命自制心を働かせて耐えた。
 ここは顔見知りばかりの田舎ではないのだ。
 イリーナは大きく深呼吸すると、きっと顔を上げて前を見据えた。
 その時だった。
 いきなり後ろから腕を引かれて、驚いて体勢を崩しそうになった。
「お前、ルティナか?」
 振りかえると、浅黒い肌の大柄な男がイリーナの手をしっかりと掴んでいた。見るからに怖そうな風貌だ。小さな黒い目が油断なくイリーナを見据えている。
 無意識に後じさったが、がっちりと捕まえられて逃げようにも逃げられない。
「ル……ルティナってなに?」
 気丈にも問いただしてみたが、悲しいかな声はかなり上ずっていたかもしれない。
「とぼけるなよ、嬢ちゃん」
「と、とぼけてなんか……」
 いつのまにか回りは四、五人のごろつき風の男たちに囲まれていた。
 みんな仲間なのだろうか。
 どうしよう。
 イリーナは急いでまわりを見渡した。
 他の人達は不審そうな視線を向けつつも遠巻きに眺めているだけで、助けてくれそうもない。
 なんて薄情な人たちなのかしら。都会の人達ってみんなこんななのかしら。
 心の中で毒づきながら、それでもやはり怖い事に間違いはない。
 目の前の若い男が赤茶けた髪をばりばりとかきながら、にやにや笑いを浮かべていた。
「いくらおのぼりさんを装っても、一番肝心のその銀の髪をなんとかしないと、誰も騙されちゃくれないよ」
 確かにさっきからこの銀の髪に視線が集中していたことを思い出した。
「何のことかわからないわ。この銀の髪がなんだっていうの?」
 男たちがイリーナの言葉に一斉に首を傾げた。ぽかんと口をあけている男もいる。その反応にイリーナのほうも驚いた。
「なんだ、お前、どんな田舎から出てきたんだ?」
 さっきから手を掴んでいる大柄の男が珍しいものを見るようにそう尋ねた。
 イリーナは負けじと大男を睨み返した。
 大男がおっと言って身を引いたが、それでも掴んだ手を放そうとはしなかった。
「銀のルティナがこんなところで一人でうろうろしてるとは思わなかったぜ。ラッキーというかなんというか……」
「本当、良いカモだぜ、こりゃあ」
 か、カモ?
 イリーナは血の気が下がるのを感じた。
 逃げなくちゃ!
 そう考えるより早く、行動していた。
 大男の手に思いっきり噛み付く。
「いてっ!!」
 手が離れた隙に脱兎の如く駆け出した。
「あ、こらっ待て!」
 慌てた男たちが一斉に追いかけてくる。
 路地を回って振りきろうとしたが、男の足に敵うはずもなく、すぐに肩を掴まれた。
「大人しくしろ」
「いやぁっ!! 誰か、誰か、助けてっ!」
 たくさんの腕を無我夢中で振り払いながら、イリーナは大声を上げた。路地に入ってしまったのは失敗だったかもしれない。大通りだったら、まだ人目があったのに。
 刹那、ひゅんと風を切る音がしたかと思うと、羽交い締めにされていた体が急に自由になってよろめいた。
 地面へと倒れこみそうになったイリーナの体をふわりと抱きとめる腕。
「えっ?」
 そのまま黒いローブの中へと引き寄せられた。頭上から聞こえてくる不思議な言葉。
 それが呪文だとすぐに分かった。
 突如として巻き起こった風に男たちが悲鳴を上げる。
「あなた、魔法使い?」
 明るい緑の瞳の青年がイリーナを見下ろしてふわりと笑った。
「その髪は本物?」
「あったりまえだわ!」
 イリーナは大声で怒鳴り返した。
 青年は一瞬ビックリしたように目を見開いたが、すぐに破顔した。
 まるでおひさまのように明るく、快活な笑顔だと思った。
 クセのある黒髪が風を孕んで舞いあがる。
 まだ若い。
 イリーナと同じ位の年だろうか。
 自信に満ち溢れた明るい瞳が、不敵に男たちを捉える。
 と、ふいに、青年が怪訝そうに眉をひそめた。
「あれ……マーク?」
 旋回を繰り返していた風が静かに流れて消えていった。残されたのはぐったりと気持ち悪そうに座りこんでいる先ほどの男たち。
「あれ、マーク?……じゃねぇよ、イサーク。勘弁してくれ」
「おまえら、いつから人攫いなんかやるようになったんだ? 知らないのか、ルティナ誘拐は最高刑だぜ」
「冗談じゃねぇって、誰がっ」
 大男の言葉にイサークと呼ばれた青年は、ちらりとイリーナに問い掛けるまなざしを向けた。
「嘘っ、だって私のこと、いいカモだっていったじゃないの!」
「ほう?」
 黒髪の魔法使いが剣呑な声を出す。
 茶髪のニヤニヤ笑いをしていた男がぎょっとして慌てふためいた。
「ご、誤解だよ、誤解! なあ、イサークなら分かってくれるだろ?」
「トールはいつも言葉が足りないからな」
「何、あなたもこの人達の仲間なの?」
 助けてくれた人だからと安心していたが、どうやらこの魔法使いと男たちが知り合いのような会話をしている事に気がついた。
「仲間……と言うか、彼らの事はよく知ってる」
 イリーナは息を飲んで、一歩後じ去った。
 逃げ出そうとするイリーナの手をイサークが捕まえて、まっすぐに見つめてくる。
「待って。俺も彼らも君に危害は加えない。この紋章に誓うから」
 そういって、イサークは左の手首にあるものをかざして見せた。
 そこには黒のビロード地に銀糸で六芒星が縫い取られてあった。エレアザールの住人なら誰でも知っている紋章だ。村にある小さな神殿の入り口にも刻まれてあったのを覚えている。
「この紋章はこの魔法大国と呼ばれるエレアザールすべての魔法使いが持っている。俺たち魔法使いはこの紋章を戴くとき、輝ける太陽カーズ・ナシオンと癒しの銀の月ルティニネティに誓うんだ」
 すべてを見晴るかし、余すことなく照らす偉大なる太陽神カーズ・ナシオン。
 いつも慈愛の光で包み込んでくれる癒しの月の女神ルティニネティ。
 天に輝く二柱の神々に自らを誓うというのなら、それに勝るものがあるのだろうか。
 まっすぐに見つめてくる緑の瞳は真摯で揺るぎ無い。
「銀のルティナに永遠の忠誠を……」
 イサークのささやくような声音に、イリーナはぼうっとなった。イサークが恭しくイリーナの手の甲に口付けるのもぼんやりと他人事のように見ていた。吐息とともにぬくもりが指に降りてきた時にはじめて我に返った。びっくりして、手を振り払う。イサークは気分を害した風でもなく、微笑を浮かべている。
 顔が真っ赤になっているだろうことを想像して、更に赤くなった。
「……あなたの言う事、信じても良いわ。けど、私は銀のルティナが何なのかも知らないし、この人達は私がその銀のルティナでここにいたのはラッキーだったって言ったのよ?」
「だから誤解だってばぁ」
 トールが泣きそうな声でうめいた。
 一番はじめにイリーナを捕まえた大男のマークも頭を抱え込んでうめく。
 その様子をイサークは面白そうに眺めながら、くすっと笑いを漏らした。
「なんとなく事情が掴めてきたけど。君さ、さっき言ってたよな。銀のルティナなんかしらないって」
 イリーナが頷くと、イサークも一瞬信じられないような顔をして見せたが、説明を続けた。
「君のように生まれながらに銀の髪をしている者が銀のルティナと呼ばれるんだ。月の女神ルティニネティの加護を受けしものたちだ。……それともう一つ、体のどこかに水晶を持っている。もちろん、宝飾品とかそう言う意味じゃなくてね」
 ぎくりとした。
 確かにイリーナは水晶を持っている。そのことは誰にも言ってないし、もちろん誰にも見せてもいない。
 知っているのは母親だけ。
「もし君がそうなら、王宮に保護されるべき人物だってことだ」
 無意識に胸元に手をのばす。固い感触と共に慣れ親しんだ波動が届く。
「あるんだね」
「ええ」
 イリーナは頷く。途端にこぼれるのは安堵といくらばかりかの興奮のため息。
「やっぱり銀のルティナじゃん」
「だから、なに? 銀の髪だから? 水晶を持ってるからってなんなの?」
「まあ、それは追い追い説明するよ。でも君を見つけたのがマークたちで良かったよ」
 イサークの言葉に、イリーナは疑わしそうにマークたちを見た。
「マークたちは人攫いじゃないよ。わりとこっちの事情も知ってるし、俺も助かっているんだ。けど、もしかしたら、君は本当に人攫いに攫われていたかもしれなかった。人間ならまだ良い。下手するともっと悪い事になっていたかもしれない」
「じゃあ、ラッキーだったって言うのは……」
「怖がらせちまったのは悪かったが、俺たちが見つけてラッキーだったってことさ、お嬢ちゃん」
「本当だよ、あのまま歩いていたら、かっこうのカモだったんだぜ」
「そうそう闇の組織に連れ去られるか、人買いに攫われてでもしたら、どこかに売り飛ばされてたかも知れないぜ」
 イリーナはあんぐりと口をあけた。
「そういう意味だったの?」
「やっぱりその銀髪が目立っていたしな。どう見てもおのぼりさんだが、やけに堂々と歩いていたし……意外な盲点ともいえるかもな」
「どういうこと? その……銀のルティナが外を歩くのはおかしい事なの?」
 マークは困ったように苦笑いし、イサークに助けを求めた。
「…うーん。おっと、そう言えば今の今まで自己紹介してなかったな。俺はイサーク。エレアザールの宮廷魔法使いだ。君は?」
「私はイリーナ。ラーザから来たの」
「ラーザ?」
 イサークは眉をひそめてイリーナをまじまじと見返した。周りの男たちも目を丸くしたり、口笛を吹き鳴らしたものもいた。
「えらく遠いとこから来たもんだな、お嬢ちゃん」
 ラーザはエレアザールの西のはずれに位置している。簡単に言えば、ど田舎だ。だが風光明媚な土地だし、のんびりと穏やかな生活をするにはもってこいの場所だ。
 イリーナも母親の療養でずっとそこにいた。
 母の病に良いと言われている薬を求めに、はるばる首都クレイスまで来たのだ。
「お袋さん、病気なのか」
「……ええ、もうずっと長い間、寝たきり。私はお医者さまの勧めで薬を探しに来たの。首都なら薬の種類も豊富だし、良い薬もたくさんあるからって」
「そうか。良い薬師なら知ってるから良ければ紹介するよ」
「ありがとう! あのね、お医者様を紹介して頂いて、その人を探しているんだけど……」
「人探しなら協力するぜ、お嬢ちゃん。クレイスは俺たちにとっちゃあ庭みたいなもんだからな」
 イリーナはポケットから小さなメモを取りだした。
「えっと……フルク・ガルネーレっていうお医者様なんだけど……」
 汚名返上とばかりに意気込んでいたマークたちは一斉に静まり返って、イサークを見た。
 その視線を受けて、イサークは肩を竦め、ゆっくりと腕を組んだ。
「……奇遇だな」
「え、何? 何なの?」
「フルク・ガルネーレなら王宮にいるよ」
 王宮で典医として働いていると聞いてイリーナは目を丸くした。
 もう一度メモに書かれた達筆な文字を見直す。はっきりくっきりとその名は記されてある。やはり見間違いでも読み間違いでもなさそうだ。
「やだわ、おじいちゃんてば、そんなに凄い人だなんて言ってくれなかった」
 しかも王宮にいるとは。
 イリーナは自分の一張羅の服を惨めな気分で見下ろした。
「……君が望むなら、王宮へ連れていってあげるよ」
 なんだか気乗りしなさそうなイサークの様子が気になった。
「イサーク、ご厚意はとってもありがたいわ。でも無理なら私のことは気にしないでね」
 イサークははっとしたように、イリーナを見つめ返した。ばつが悪そうなそんな顔だった。
「いや、そんなんじゃないんだ。ごめん。ちゃんとフルクのところまで連れていってあげるよ」
「ありがとう、お願いします」
「うん」
 今度は翳りのない笑みだった。
 やっぱりおひさまのような笑い方をする人だとイリーナは思った。
 急に陽が翳って気温が下がった気がした。

『逃げて!!』

 イリーナの脳裏を走る声。
 誰かは知らないが緊迫した声にイリーナは振りかえった。
 だが周りにはイサークたちしかいない。
 どこから呼びかけられたものなのか、方向が掴めなくてイリーナは戸惑った。
 空を見上げたのは無意識だった。
「あら、雨でも降るのかしら? さっきまであんなに良いお天気だったのに……」
 いつのまにか空は暗く、黒い雲が立ちこめていた。

『早く、逃げて!! やつらが、来るっ!!』

 再び警告する声が聞こえてきた。
 同じように空を見上げていたイサークが低い声で唸ったのを聞いた。
 マークたちも顔を強張らせている。
「イリーナ、のんびりしていられなくなった。すぐにここを離れないといけない」
「何? 何があるの? やつらって……」
 真剣味を帯びた声音に、思わず不安がわきあがった。その表情を読み取ったのか、イサークは安心させるように笑って見せた。
「君にも聞こえてるのか。大丈夫、心配しなくていいよ。君のことはちゃんと守るから」
「う、うん、ありがとう……」
 かぁっと赤くなった。
 面と向かってこんな言葉をかけられた事などはじめてだ。ラーザの男たちが束になったってこんな言葉は出てこないはずだ。
 イサークが宮廷魔法使いだと言っていたことを思い出して、なんとなく納得してしまった。
「マーク、後を頼む」
「了解、まかせとけ」
 トールが高らかに笛を吹いた。
 長く響くそれが合図のように、賑わっていた市場の人々の喧騒が急速に引いていった。
「良いかい、イリーナ?」
「ええ」
 イリーナが頷くとイサークは手を取って走り出した。さっきまで人で溢れていた街道は潮が引いていくように人影がまばらになっていた。慌てて店をたたむ姿があちこちで見られる。いったい何が起こっているのかイリーナにはまるで分からない。
 影はいっそう濃くなって夕闇が今にも降りてきそうだった。
 走りながら空を振り仰ぐと、黒雲がもくもくと大きく広がってきていた。
 微かに羽音が聞こえたような気がした。
「えっ?」
 ひゅんっと耳元を何かが飛び去っていった。
 イサークが舌打ちするのを聞いた。
 何か黒いものがものすごい勢いで飛びまわっていた。それらはイサークとイリーナを覆い囲むように飛びまわり、激しく旋回を続けていた。
 イサークは突然立ち止まり、イリーナをローブの内側に引き寄せた。
 ローブの影から外を見たとき、イリーナは悲鳴を上げそうになった。
 雲だと思っていた黒いものは鳥だったのだ。なんという数だろうか。空を覆わんばかりに埋め尽くしている。
「この鳥はいったい何なの?」
「ハーラ。魔王の使い魔だ」
 説明するイサークの頬すれすれにハーラが飛びすぎていく。
 イリーナは思わず悲鳴を上げた。イサークの表情は変わらない。
「大丈夫」
 そういうとイサークは腰から細身の剣を抜き高く振り上げた。

「天の剣
 輝き燃える浄き炎よ
 赤く猛る炎の精霊王よ!
 我が右手に宿りて力となれ!
 正三角の印の下に……」

 イサークの言葉と同時に、金の光が地表に三角形を形成した。
 火霊王召喚の正三角の魔法陣だ。

「炎よ来たれ!」

 正三角の魔法陣から火炎が勢い良く噴出し、イサークの掲げる剣へと収束されていく。
 熱気が風を伴なって吹きあがった。
 イサークは気合いと共に、剣を一閃した。
 炎がまるで生き物のようにハーラに向かって放たれた。
 近くを飛びまわっていたハーラたちは、悲鳴をあげる暇さえなく、一瞬にして炎に焼かれ、消滅した。
 イリーナは驚きで言葉も出なかった。
 呆けているイリーナの手を取って、イサークが走り出す。
  ハーラは炎が怖いのか一定の距離を保ったまま空を旋回していた。
 だが着かず離れず、あいかわらず空は真っ黒く、ハーラたちはそこにいる。甲高い鳴き声がどこまでも不気味だった。
「いいかいイリーナ、合図をしたら思いっきり飛ぶんだ」
 イリーナは無言のまま頷く。
 痺れを切らしたのか、ハーラたちの鳴き声が激しくなっていた。風を切る音と共に黒い影が再び襲いかかってくる。
 イリーナは悲鳴を上げた。
 走りこむ正面からハーラが向かってくる。
 もうだめだと目を瞑った。
 マントの翻る衣擦れの音と、イサークのくぐもったうめき、ハーラの断末魔の声を一瞬の内に聞いたような気がした。
「イリーナ、飛んで!」
 無我夢中でイサークと呼吸を合わせて飛んだ。ふわりと浮遊感があって、暖かい光に包まれた気がした。
 それはイリーナの生まれ育った田舎の、暖かくやわらかなおひさまの日差しにとても似ていると頭の隅でぼんやりと思った。

 

 
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