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告白 (初エッチ/正常位)

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「心の準備はできた?」

 映画のエンドロールが流れる薄暗い部屋で、ソファの隣に座っていた彼が私の真横に座り直す。太もも同士が触れ、気恥ずかしくなり軽く俯くと、体を屈め私と視線を合わせた彼は優しく微笑み、ちゅ、と触れるだけのキスをした。

「……わたし、じゅんび、まだ」
「はは、なんでカタコトなんだよ。……もうこれ以上待てない」

 顎を引かれ顔を上げると再びキスが――貪るような深いキスが降ってきた。思わず退けぞろうとしたが、いつの間にか頭の後ろに添えられた彼の手にしっかりと押さえられ逃げることができない。次第に息苦しくなりキスの合間に息継ぎをしようと必死に口を開けた。

「……ん、はっ」

 その時を待っていたと言わんばかりに彼の熱い舌が口内に入り込む。何度も角度を変え、深く、深く、上顎を撫でられ、舌を吸われ、気持ちよさに腰がゾクゾクと震える。

「……はっ、も、くるし」

 息も絶え絶えに私が彼の背中を軽く叩くと、ちゅ、とリップ音を残し名残惜しそうに彼の唇が私から離れていった。口に溜まったどちらのものかも分からない唾液を思わずごくりと飲み込むと、上下に動く喉元を見た彼が、はあ、と熱い息と共に私の喉に軽く噛み付く。

「ん、ねえ一ノ瀬、やめて」
「やなの?」

 彼がぐ、と私の腰をひき二人の体が密着する。腰の辺り彼の熱い昂りを感じ、私の体の奥も熱を帯びる。

「ほら、俺は準備できてるけど、結城は?」
「……あっ、ん」

 私のトップスを捲し上げた彼は、露わになった胸元にキスをした。

「可愛いブラジャー。もしかして今日のために買った?」
「……うん」

 彼の弛んだ笑顔に釣られ思わず肯定すると、今度は反対側の胸にキスが落とされる。

「あー、いいね。俺に抱かれる準備してきてくれたんだ?ほんとに……興奮する」

 ゆっくりとソファに押し倒された私は、熱を抱いた彼の視線から目を逸らすことができない。



 ***



 事の発端は一ヶ月前に遡る。一ノ瀬がメインで進めていたプロジェクトが無事に終わったため、仲の良い同期数名でお疲れ様会をしようという話になったのだ。気兼ねなく飲みたいという理由で会場は一ノ瀬の家。私は買い出し班を名乗り出て、仕事を終え途中で買い物をしてから一ノ瀬の家に向かった。愛車をコインパーキングに停めると、到着の連絡を見た一ノ瀬が荷物を取りに車の前までやってくる。

「お疲れ様、結城。悪いな、荷物持つよ」
「ありがと。みんなは?」
「あいつらはまだ仕事終わってないっぽい」

 金曜の夜ぐらい早く帰らせてくれればいいのに。入れば、という一ノ瀬の言葉に甘え一足先に部屋にお邪魔することにした。

 一ノ瀬の家に来るのは初めてではない。1LDK、一人暮らしにはやや広い部屋は同期の溜まり場にうってつけで、それぞれ違う部署に配属された私たちは彼女がいないときだけ解放される一ノ瀬の部屋に時々集まって近況報告をし合っていた。
 
「先に飲むか」
「私ノンアル買ってきた~」
「飲んでいいよ?泊まってけば?」
「はは、何言ってんの」

 男性陣はよく一ノ瀬の部屋に泊まっているようだが、さすがに私は泊まることはない。冗談を聞き流し、一ノ瀬はビール、私はノンアルコールビールを手に取りプシュ、とプルタブを開けた。

「「かんぱーい」」

 飲みながら私が買ってきたお惣菜を机に並べる。すぐに食べられるもの以外にもいくつか食材があることに気付いた一ノ瀬が私に問いかけた。

「なあ結城、これなんか作るの?」
「簡単におつまみ作ろかなって。冷蔵庫入れとく」
「まじ?結城って料理できるの?」

 食材を持ってキッチンに向かう私の背中に向かって一ノ瀬が失礼な言葉を投げかけてくる。

「失礼な。得意ではないけど、つまみ程度なら作るよ」
「じゃー今すぐ食べたい」
「え?わがままじゃん」

 とはいえ家主は一ノ瀬だ。ノンアルコールビールを片手に渋々キッチンに立つと、本当に炒めるだけの簡単なつまみを数品作った。運ぶよ、とキッチンに顔を出した一ノ瀬に手渡す。

「つまみ食いしちゃお」
「はは、どうぞ」

 料理をテーブルに並べるとそれらを食べながら一ノ瀬は二本目の缶ビールを開けた。私が作った料理は一ノ瀬の口に合ったようで、どんどん箸が進む。

「結城の味付けいい感じ。料理うまいね」
「私の味付けっていうかレシピ通りだけど。私家で作るときは洗い物面倒だからフライパンから直で食べてる」
「やば、豪快」

 ケラケラと笑う一ノ瀬に私はほっと胸を撫で下ろす。二人きりで何を話そうかと緊張していたが、話し上手な一ノ瀬のおかげでそれなりに話は盛り上がった。
 
 元カノが料理得意って言って色々作ってくれたんだけど味覚合わなくてさ、と笑う一ノ瀬の言葉に私の胸がチクリと痛む。好きな人の元恋人の話なんて聞きたくないというのが本音だが、笑って流す。

「あー、結城の料理、最高。いい彼女になりそ」

 不意打ちを喰らい胸が高鳴った。好きな人にそんなことを言われて嬉しくないわけがない。入社して五年、長い付き合いだが私が一ノ瀬のことを好きだと自覚したのは最近のことだ。こうして一ノ瀬の彼女の話を聞く度に私だったら一ノ瀬にそんな思いをさせないのにと思ってしまうと同じく同期の由奈に打ち明けると「それって好きってことじゃーん」と軽く言われ、そこで自分の気持ちに気づくことになったのだ。

 缶ビールを飲む一ノ瀬の横顔を盗み見る。鼻筋が通っていて整った顔立ちだと思う。性格は朗らかでよく気が利き、職場からの女性人気が高い。

「なに」

 私の視線に気づいた一ノ瀬が首を傾げる。

「……これ作れたらいい彼女になるならさ、このレシピ考えた人、この人彼女にしたら完璧じゃない?」
「んー?」

 最近私この人のレシピはまってるんだよね、とスマホを渡そうとすると、一ノ瀬は立ち上がって私の隣まで来て画面を覗き込む。肩がふれあいドキリとする私のことなんてお構いなしに、一ノ瀬はレシピの考案者を見て男じゃんとゲラゲラ笑う。

「いいね、どの料理も男飯って感じ。なあ、次これ作ってよ」

 肩が触れ合ったまま、甘えた口調でスマホの画面を指差す。二人だから気を抜いているのだろうか、彼女にもこんな風に甘えた声を出すのだろうか。なんだかいつもと違う一ノ瀬に頭の中がパニックになってしまい、可愛く返事をしたらいいものの私の口から出てきた言葉は、

「え?自分で作れば?」

 だった。やってしまった。どうして私はこうも可愛い態度を取れないのか。しかし一ノ瀬は私の冷たい態度など全く気にしていないようで、

「確かに」

 と笑った。さらに、じゃあ俺が作ったら食べにきてね、と付け足す。チャラい。でも好きだ。しかし一ノ瀬のことが好きでたまらないはずの私は性懲りも無く、

「おいしくできるならね」

 と言ってしまった。ああ、うまくいかない。一ノ瀬の笑い声を聞きながら、心の中で反省しつつ視線を泳がせると机の脇に置いてある買い物袋に気づいた。そこから見える赤いパッケージに手を伸ばす。

「あれ、これ私が好きなチョコ」
「見つけちゃった?コンビニ行ったら限定のいちご味見つけたから買っておいた。結城が好きだって言ってたなーって思って」
「ほんと?嬉しすぎる。そういうところマメだよね、一ノ瀬こそいい彼氏になるよ」

 遠慮なく袋からチョコを取り出すと口に入れる。ビールとチョコは合わないからハイボールが飲みたいな、なんてぼんやりと考えながら、お茶をコップに注いだ。

「…………だよ」
「え、なに?」

 一ノ瀬が何かをつぶやいたが聞き取れなかったため聞き返す。一ノ瀬は私と目を合わせ、今度ははっきりと言葉を口にした。

「結城にだけだよ」

 真剣な眼差しにドキドキするがなんて返事をしていいか分からず笑って誤魔化す。

「え、一ノ瀬の周りのチョコ好き、私だけ?」
「そういうことじゃなくて、コンビニとか行って、これあいつが好きなやつだ、とか思うのは結城だけってこと」

 向き合う形で床に座っている私の手を結城がそっと握る。気恥ずかしさから体が熱くなり、手汗もじわじわかいてきたが一ノ瀬は手をしっかり握り離してくれない。

「私も……」
「ん?」
「私も、一ノ瀬が好きそうだなって思ってレシピ選んだ」
「……はは」

 突然腕を引かれ私は一之瀬の胸の中に飛び込んだ。思わず、うぶっ、と可愛くない声をあげるが一ノ瀬はぎゅっと私を抱きしめ、自身の固い胸板に私の顔を押し付ける。一ノ瀬って結構胸筋あるんだ、と感心していると頭の上から一ノ瀬の甘い声が降ってきた。

「両思いってことだね?」
「……どうだろ、一ノ瀬の気持ち、わかんない」
「ごめん、先走った。結城、好きだよ。付き合ってください」
「……私も一ノ瀬のこと、好きです」
「ありがとう。結城のこと大切にするから」

 私を抱きしめる腕の力が緩んだため一ノ瀬から離れると、腰を引き寄せられ唇に軽くキスをされた。

「ちょ、一ノ瀬酒臭い」
「だってビール飲んでるし。結城も飲めば?まじで泊まっていけよ」

 一ノ瀬の言葉に心が揺れるが、同時に頭の中で今の自分の状態を考える。まず下着。付き合ってお泊まりとなればもちろんやることはやるだろう。残念ながら今日は金曜日の仕事終わり、気を抜いた下着の上下はばっちり揃っていない。次にムダ毛。仕事はめっきりパンツスタイルなのでムダ毛が自由に伸びている。乙女としてあるまじき、脱毛サロンに通うのが面倒で途中で辞めてしまったことが悔やまれる。

 ふう、吐息を吐き一旦頭を冷やすため離れようと膝立ちになった私の腰を一ノ瀬は再び引き寄せた。離れたはずの距離が縮まり、私の心許ない胸の谷間に一ノ瀬が顔を埋める。

「あー、やわらか」

 腰に回った手がゆっくりと動く。気持ち良さがゾクゾクと脳天を突き抜け、思わず声が漏れる。

「……んっ」
「はあ、結城」

 一ノ瀬の甘い声に流されそうになるが、落ち着け、と自分に言い聞かせゆっくりと息を吐いた。

「一ノ瀬、ほんとに今日はだめ」
「なんで?」

 一ノ瀬は私を抱きしめる腕に力を込める。付けっぱなしのテレビから映画のオープニングが流れ、気を逸らそうと声を上げる。

「あ、このシリーズ私好きなんだよね」
「結城?」

 映画見ようよ、と一ノ瀬の腕から抜け出すと、後ろから抱え込むように抱きしめられた。

「ごめん、がっつきすぎ?」
「一ノ瀬が悪いんじゃなくて」
「じゃあ何?」

 黙り込む私に一ノ瀬は、りーなちゃん、と甘く私の名を呼ぶと首にキスを落とす。

「……下着が」
「ん?」
「下着が上下揃ってないし、ムダ毛とか、肌も荒れてるし」

 一息で思いを吐き出すが、一ノ瀬の返事はない。無言になった一ノ瀬に不安感を覚え、表情を伺うため腕から抜け出そうとするが後ろからがっちりホールドされており身動きを取ることもできない。

「……一ノ瀬、幻滅した?」
「そんなわけない。ちょっと自分と戦ってた」
「うん?」
「例えばさ、俺見ないようにするし脱げばとか、部屋暗くすればいいじゃんとか」

 私にとって良いとは言えない提案に思わず顔をしかめる。一ノ瀬は再び私の首筋にキスを落とした。

「一瞬でもそんなこと考えてごめん。結城の気持ちが一番大事だから、今日はキスまでで我慢する」

 真摯な対応にほっと胸を撫で下ろし、ごめんねと伝えると謝ることなんてないからと強く抱きしめられた。

「映画終わったら家まで送るよ」
「いや、一ノ瀬飲酒運転になるし、私車で来たから自分で帰る」
「はは、結城のそういうとこ好き」


 ***


「で?まじで一ノ瀬、里奈に手を出さなかったの?」
「うん。映画見て解散」
「よかった。一ノ瀬って遊んでるイメージあったけど、大事にしてくれそうじゃん」
「彼女途切れたことないしチャラいイメージあるよね」

 職場の給湯室でコーヒーを淹れようとマグカップを持って歩いていると、廊下で同期の由奈とばったり会い立ち話をする。そして私がセックスを断った理由を伝えると、これだけ働き詰めじゃ女子力とことん落ちるのはわかるけど、それにしてもだよね、と腹を抱えて笑った。

「だって普通に同期の飲み会だし、両思いだなんて思ってなかったし、夜の準備なんてしてないでしょ」
「そりゃそっか」

 ひとしきり笑った由奈は私のスマホにエステサロンの友人紹介クーポンを送ると、打ち合わせあるんだった、と慌ただしく自分の席へ戻っていった。


 ***


 それから一ヶ月後の土曜日の昼間、お泊まりセットを持って私は自分の家を出た。家の前のコンビニに停まっている黒いSUVの助手席に遠慮なく乗り込む。

「ごめん一ノ瀬、待った?」
「いや、待ってない。寄るとこある?」
「うーん、食料?」
「買ってある。行こっか」

 付き合ってから何度か夕食を共にしたが、車に乗せてもらうのは初めてだった。飾り気のない車内はレザーシートの革の香りがほんのりと広がっている。水垢ひとつないフロントガラスから察するに、朝洗車してきたのだろう。

「いつもこんなに車綺麗なの?」
「まさか、結城を乗せるからだよ」
「ふふ、ありがとう。せっかく洗車してきてくれたから、ドライブデート?」

 運転する一ノ瀬の横顔を盗み見る。真っ直ぐ前を見る真剣な表情。ああ、好きだ。今日は自分の車で一ノ瀬の家に行くと言ったが、一ノ瀬は迎えに行くと言って聞かなかった。車内という一ノ瀬のプライベート空間に入り込み、二人きりの狭い密室、二人きりの会話、見慣れない私服。ドキドキしないわけがない。もしかしてこれが狙いだったのだろうか。

「ドライブは今度にしようか。手、繋ご?」
「だめ、ちゃんと前見て運転して?」
「はは、残念」


 ***


 いつもより少し余裕がない様子の一ノ瀬にまさか家に着いたらすぐに押し倒されるんじゃないかと身構えていたがそんなことはなく、一ノ瀬に招き入れられリビングのソファに腰掛ける。

「酒飲む?」
「まだいいかな。昼間だよ?」

 一ノ瀬は、はは、と笑うとテーブルにコーラとお菓子をいくつか置く。

「時間はたっぷりあるからな。映画見ようと思ってレンタルしといた。この前うちに来た時に見てたやつの二作目なんだけど」
「わ、嬉しい。見たかったんだよね」

 リモコンを操作しながら一ノ瀬は私の隣に座った。そして当然のように私の手を握る。

「……ちょっと、一ノ瀬っ」
「今運転してないからいいだろ?」
「き、緊張して汗ばむ…」

 顔が熱くなる私を少し驚いた顔で見た一ノ瀬は繋いだ手を持ち上げ私の手の甲にキスをした。

「気にならないよ」


 ***
 
 
 もちろん映画の内容なんて頭に入るわけがなく、あっという間に映画はエンディングを迎える。そして、エンドロールと共に、私は一ノ瀬に押し倒された。

「ねえ、部屋明るい。カーテン、」
「やだ、遠い。待てない」

 一ノ瀬は子供のように口を尖らせる。太陽はまだ高く、日当たりの良い南向きのリビングは部屋の電気をつけていなくても明るい。部屋を暗くすることを許してくれなかった一ノ瀬は、たくし上げた私のトップスをぐい、と首から引き抜いた。一ノ瀬の下に横たわる私は、ブラジャーとスカートのみの姿となる。スカートも太ももまで上げられ、一ノ瀬の左手は私の太ももを丁寧になぞった。

「……は、んっ」
「俺のために着てくれた下着、しっかり見たいし」

 一ノ瀬の言う通り先日の失敗を深く反省した私はこの一ヶ月の間に、何年振りかに下着を新調した。由奈に勧められたエステサロンに通い、久しぶりに脱毛サロンへも行き、今朝も念入りにムダ毛処理をした。一ノ瀬に抱かれる準備をしてきたのだ。

 もちろん敢えてそれを口にはしないが察した一ノ瀬はとにかく嬉しそうに私の首元に顔を埋める。

「ね、シャンプーのいい匂い。結城って朝シャン派だっけ?」

 はあ、と一ノ瀬の熱い吐息を感じ、私の体も熱くなる。

「は、ん。違うけど、だって、今日は…」
「はは、意地悪言ってごめん。嬉しい、興奮しすぎてやばい」
「んっ」
「ムダ毛ないかチェックしてあげよっか」
「……ほんと、いじわる」

 一ノ瀬は肩紐に手をかけブラジャーをずらすと、露わになった乳首にちゅっとキスをした。

「んぁっ」
「ね、触ってないのにもう固くなってる。なんで?」
「一ノ瀬、やだぁ」

 一ノ瀬の興奮した低い声が腰に響いて体に力が入らない。必死に腕を伸ばし一ノ瀬の肩を押そうとするが、その腕を絡みとられ、指先にキスをされた。

「あーもうほんとかわいい」
「それやだ。ねえ一ノ瀬も脱いでよ」

 私だけの服が乱れ息が絶え絶えになっていることに気づき、落ち着く時間を稼ぐために一ノ瀬にも脱ぐようにと提案する。しかしそれは私にとっては逆効果だった。お安い御用と一ノ瀬がTシャツを脱ぎ捨てあらわれたのは、鍛えられた胸筋と割れた腹筋。思わずそっと触れるとしっとり汗ばんでいて、ん、と声を上げた一ノ瀬と目が合い二人で笑った。

「はは、お気に召してくれた?」
「ふふ、私のために鍛えてくれたんでしょ?」
「なんで知ってんの」
「村田さんが久々に一ノ瀬とジム行ったって喜んでた」
「あー、結城と村田さん、同じチームだったか。口止めしとけばよかったな」

 一歳年上で筋トレが趣味の村田さんは、よく男性陣をジムに誘っている。そんな村田さんが、一ノ瀬がなんか目標があるとか言ってすごい久々に一緒にトレーニングしたんだよと言っているのを職場で聞いたのだ。

「一ヶ月なんて大して変わらないから気持ちの問題だけどね」
「それは私も。ねえ、腹筋触っていい?」
「だーめ、お預け食らってたんだから、まずは俺からだよ」

 一ノ瀬は私の頬に手を添えると口を近づける。

「……ん、はっ」

 一ノ瀬の熱い舌が口内をゆっくりと動き、私の舌を絡めとった。くちゅ、と二人の唾液が混ざる音がする。しばらく舌の感触を楽しんだあと、ゆっくりと一ノ瀬が顔を離すと、二人の口の間に糸がひいた。それを絡めとるように再度唇が降ってきて、受け入れようと口を開くと唾液が流し込まれる。

「……はあ、飲めよ」
「ん、いち、のせぇ」

 熱い視線を絡めたまま、ごくりと飲み込む。一ノ瀬は、はあと熱い吐息を吐くと私の耳元に口を寄せ、そっと囁いた。

「いい子」
「……んっ」

 一ノ瀬にとろとろにされた私は、一ノ瀬の甘い声にも簡単に反応してしまう。もうダメかもしれない。一ノ瀬の色気に当てられてクラクラしてきた私はもう、されるがままだ。

「背中浮かせて」
「……うん」

 言われた通り背中を浮かせると隙間に一ノ瀬の右手が入り込みブラジャーのホックを外した。咄嗟に自身の両手で胸元を隠すものの、抵抗虚しく簡単にブラジャーを剥ぎ取られてしまった。

「隠さないで」
「だって、恥ずかしい」
「綺麗だよ」

 下から掬い上げるように両手で私の胸を掴んだ一ノ瀬は顔を近づけると胸の尖りを口に含んだ。

「……んあっ、はっ」

 乳首を舌で丁寧に転がされ気持ち良さに喘いでいると、突然もう片方の乳首を優しく摘まれる。

「あっ、痛っ」

 甘い痛みに驚き抵抗しようと前に出した私の腕を一ノ瀬は片手で簡単に絡めとると頭の上で固定した。

「ねえ、一ノ瀬っ」
「痛いだけ?」

 一ノ瀬の顔が近づき、耳をねっとりと舐め上げる。耳に響く水音と腰に響く一ノ瀬の低い声のせいか、ちくりとした乳首の痛みは次第に快感に変わる。

「……はあ、んっ、待って、だめ」
「痛い?ならやめるけど」

 顔を上げ、私の表情を伺う一ノ瀬を精一杯睨みつけるが、逆効果だったようで意地悪な笑顔を浮かべた一ノ瀬は私の顎を掴み噛み付くようなキスをする。もう片方の手で乳首への刺激は忘れない。

「はっ、あん、むぅ」

 私の顎を固定していた一ノ瀬の手が、首、鎖骨を伝いもう片方の乳首へ辿り着いた。

「ん、ん、待って、はっむ」

 息継ぎの間に必死に声を上げるが、その声ごと一ノ瀬に食べられる。そして一ノ瀬は両手で同時に私の乳首を強く摘んだ。

「んあっっ」

 腰が跳ね、息が上がる。パニックになった私は一ノ瀬の胸を思い切り押したがピクリともしない。

「は、一ノ瀬ぇ」
「はは、軽くイった?」
「はあ、もう、刺激が、強すぎる」
「まだまだ、これからだよ」

 髪をかき上げ、色っぽい笑みを浮かべた一ノ瀬は、私の頬にキスを落とす。首、鎖骨、脇とキスを降らせ、スカートに手をかけた。

「これ、どうやって脱がせるの」
「左側にホックとチャックが」

 少し苦戦してチャックを下げた一ノ瀬は、私に腰を浮かすよう指示をして改めてスカートに手をかける。腰を浮かせた時、私は自身の異変に気づいてしまった。ちょっと待って、スカートと一緒にショーツも脱がせて欲しい。その言葉を口にする前に一ノ瀬は一気にスカートだけを引き抜いた。

「……あ」
「いや、見ないで」

 一ノ瀬は恥ずかしがる私を見て嬉しそうに笑うと、膝裏に手をかけ、太ももを持ち上げた。

「結城、ここ、シミになってるよ」
「やだぁ」

 恥ずかしくて一ノ瀬の顔を見ることができない。両手で自分の顔を隠すと、一ノ瀬が手の甲にちゅ、とキスをした。

「やじゃないよ、俺は嬉しいけど。ねえ、なんでこんなにぐちょぐちょになってんの」

 一ノ瀬は濡れたショーツの中心を人差し指で軽く押し、ゆっくりと動かす。肌と濡れた布がねっちょりと擦れるのが、気持ち良いのか悪いのか、わけがわからないまま喘いだ。

「ん、あ、あ……んっ」
「なんで濡れてんのか聞いてんだけど」

 時々攻めのスイッチが入る一ノ瀬が、強く私のシミを擦る。

「ああっ」
「なんで?」
「…………んっ、あっ、き、きもちいいから」
「どこが?」
「うー、一ノ瀬ぇ」
「言えるだろ」
「あん、ううー、乳首が、きもちいからあ」

 一ノ瀬は私の目元にキスをすると、やばい、まじで興奮する、と熱く囁くと自身の腰を私の太ももに押し付けた。固いペニスの感触が伝わり、私の体が熱くなる。

「いちのせぇ」
「ん?」

 一ノ瀬の腕を掴み軽く唇を尖らせると、嬉しそうに笑った一ノ瀬の顔が近づいてきてちゅっと軽くキスをした。そしてすぐに離れる。

「もっと」
「はは、可愛い」

 次は自分から一ノ瀬の舌を絡めとる。目を瞑り、くちゅくちゅ、と舌の感触を楽しんでいると一ノ瀬の指がショーツに入り込んだ。

「……ん、毛が、あんまないね?」
「そういうの、嫌い?」
「好き。見たい。腰浮かせて?」
「え、ちょっと」

 一ノ瀬はそう言うと、抵抗する私の腕を押さえてショーツを一気に引き抜いた。

「かわいい」
「ねえ、まだ明るいし、ほんとに恥ずかしいんだってば」

 薄暗くなってきた部屋で、一ノ瀬は片手で私の腕を押さえ、もう片方の腕で膝裏を持ち上げ、私の秘所をまじまじと見る。

「やだぁ」
「里奈」

 自分の名前を甘く呼ぶ一ノ瀬の声に反応し、バタバタと抵抗していた動きを止めて涙目で一ノ瀬を睨んだ。

「そんな可愛い顔しても怖くないよ。恥ずかしいって考えられないぐらい気持ちよくするから」
「あ、まって」

 一ノ瀬の体がずるずると下がり、私の足の間に到着する。足を閉じようとしたがもう遅かった。一ノ瀬が秘所をねっとりと舐め上げる。

「んぁっ」
「はは、溢れてくる」

 気持ち良さに、腰がびりびりと痺れる。一ノ瀬の親指がぷっくりと膨れあがった花芯を押し潰した。

「んっ、あっ」

 ピリピリとした快感に頭が真っ白になった私はただ喘ぐことしかできない。一ノ瀬は溢れた愛液を再び舐め上げ、指でクリトリスを擦る。飽きもせず何度もそれを繰り返す。

「……はっん、や、あん」
「気持ちいい?」

 一ノ瀬は顔を上げると私の様子を伺う。蕩け切った表情を見られたくなくて顔を背けると、一ノ瀬の指の動きがスピードを増す。溢れ出る愛液を絡め取りクリトリスに塗り付け、優しく円を描くようにくるくると撫でたかと思うと親指と人差し指でぎゅっとつまむ。

「ん、んあ、あーっ」

 強い刺激にぎゅっと目を瞑ると一ノ瀬が臍にちゅっと口付けた。

「かわい。入れるよ」
「あん、待って、」
「大丈夫」

 思わず伸ばした私の手を一ノ瀬は左手で絡めとると、右手の人差し指と中指にたっぷりと愛液を絡め、とろとろになった私の中にそっと入れた。

「あ……んっ、んっ、」

 ぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてゆっくりと指を出し入れする。甘い刺激に自分の声とは思えないほど甘い声が溢れ出た。

「あっ、んっ、あぁん」
「きもちい?」
「あん、うん、……きも、ちい」
「ああ、可愛い」

 一ノ瀬は左手で私の乳首を摘み、指の出し入れを早めた。

「あっあっ、ちょ、はやっ」
「はは、早いのと、ゆっくり、どっちが気持ちいい?」
「んー、あっ、わかんな、むりっ、むりっ」

 足を閉じようとするが、間に入っている一ノ瀬に阻まれ閉じることができない。一ノ瀬は私の膝にキスして、胸を揉んでいた手を腹をなぞりながらゆっくりと下ろした。甘い刺激と期待に私の声は大きくなる。

「ああ、いちのせっ」
「うん、きもちいいね?」
「きも、ち……あ、んっ」
 
 一ノ瀬の指が私の秘所に辿り着く。ぐちゃぐちゃになったそこに指を這わすと簡単にクリトリスを見つけた。そして、クリトリスを押しつぶすのと同時に、膣に入った指を折り曲げた。

「あ、あーーッッ!」

 体が弓形に反り、腰がびくびくと動く。頭の中で白い閃光が弾け、私はぎゅっと目を瞑った。

「里奈、イった?」
「はあ、はあ、ごめ、ん」
「次からはイクときはちゃんと言おうな?」

 一ノ瀬は目を細めると、涙が溜まった私の目元にキスをした。なんだかたまらなくなった私は、一ノ瀬の首にそっと手を回す。意図に気づいた一ノ瀬は迷わずキスをしてくれた。

「ふぁ、っん」
「はは、かわい、」

 くちゅくちゅと深いキスをして、私の口から溢れた唾液を一ノ瀬はペロリと舐めとった。

「里奈、キス好きなの?」
「……わかんないけど、一ノ瀬のキス、きもちいから」

 息を整えながらそう言うと、一ノ瀬は嬉しそうに俺もだよ、といいそっと私から離れた。

「や、どこいくの?」
「待って、ゴム」

 一ノ瀬に縋る私の指先にキスをすると、テーブルに置いてある買い物袋からコンドームの箱を取り出す。前戯だけでこんなに気持ち良くなったら、この後どうなってしまうのだろう。ソファからゆっくり起き上がると、箱から小袋を取り出す一ノ瀬を期待と不安が入り混じった気持ちで見上げた。

「なに、可愛い顔して」
「別に、可愛い顔とか」
「脱がせて」

 上半身裸の一ノ瀬が私の前に立つ。スラックスの上からでもわかるほど張り詰めた男根をそっと撫でた。

「……はっ」

 一ノ瀬の口から溢れたでた声に驚き見上げると、目元を赤らめた色っぽい表情と目が合う。

「好きな子に触ってもらって、気持ちいに決まってるだろ」
「うん」
「早く、脱がせて。……里奈の中に入りたい」

 切羽詰まったような切ない声に、触られていない私の密部からドロリと愛液が流れ出たのを感じた。一ノ瀬の言動全てが、私を興奮させる。

 そっとスラックスの前を寛がせ、足首まで下ろす。続いてボクサーパンツも脱がせると、ぶるんと勢いよく屹立が飛び出し私の目の前に現れた。思わず一ノ瀬の顔と、ソレを交互に見る。

「なに」
「……いや、大きいなって、思って」

 私の体を触って興奮してくれたのだろうか。腹につきそうなほど硬く張り詰めた一ノ瀬のモノは、先走りでぬらぬらと湿っている。

「はは、ありがと」
「……舐める?」

 私の言葉に反応したのか、一ノ瀬のモノがびくんと揺れた。ドキドキしながら一ノ瀬を見上げる。一ノ瀬は私の頭を優しく撫でた。

「それは、すごく魅力的な提案だけど、今日はマジですぐ出ちゃいそうだから」
「私は、構わないけど」
「……里奈の中に出したい」

 熱い吐息と共にそう吐き出すと、再びソファに押し倒される。ベッドじゃなくてごめん、もう我慢できない、と耳元で囁く一ノ瀬の言葉に私は小さく喘ぐと、改めてここは一ノ瀬の家のリビングだと言うことに気付かされた。映画はとっくに終わりテレビは真っ黒な画面を映しており、窓から見える薄暗くなった空はほんのりオレンジに染まっている。

「なに考えてんの」
「……ぁっ、もう夕方だなって」

 いつのまにかコンドームの装着を終えた一ノ瀬が熱い男根の先端を私の割れ目に擦り付ける。
 
「……電気つける?」
「やだぁ」

 一ノ瀬は焦らすつもりなのか、ゆるゆると動くがなかなか入れてくれない。体が一ノ瀬を受け入れるのを今か今かと待ち侘びて、自然と腰が揺れる。

「はっ、里奈、えろ」
「ね、もう、入れて……、あきくん」
「……はっ」

 喘ぎ声と共に一ノ瀬の名前を呼ぶと、切羽詰まったような声を上げ、ぐい、と腰を押し進めた。丁寧な前戯で私の膣中はぐっちょりと湿っているためソレを難なく受け入れる。

「……はっ、ん」
「ああ、里奈の中、あったかい」

 一ノ瀬が気持ちよさそうに息を吐くと、私の体をぎゅっと抱きしめた。圧迫感と気持ち良さを感じながら私はゆっくりと一ノ瀬の背中に手を回す。

「ん、はっ、全部入った?」
「まだ、もう少しかな」

 ぐちゅぐちゅ、と卑猥な音をたて一ノ瀬は軽く腰を動かす。もうずいぶん奥まで入っている気がするが、これ以上受け入れることができるのだろうか。

「はあ、きもち」
「うん、亜貴くん、キスして」

 名前を呼んでキスを強請ると、一ノ瀬は私に覆いかぶさる。おでこ同士をこつんと重ね、嬉しそうに目を細め一ノ瀬が囁いた。

「里奈ちゃん、キス好きだね?」
「すきぃ、はむ、んぅ」

 言い終わる前に言葉は一ノ瀬に飲み込まれる。くちゅくちゅ舌を絡めながら、一ノ瀬がゆっくりと腰を動かした。

 ぐちゅぐちゅと部屋に響く水音、それに合わせてリズミカルに私の口から溢れ出る喘ぎ声と、一ノ瀬のが吐き出す熱い吐息。気持ち良さを噛み締め思わず目を瞑ると、目元にキスをした一ノ瀬が、俺のこと見てて、と囁いた。

「はあ、んっ、んっ、」
「一番奥、入れるから」
「えっ、これ以上は、待って」
「待てない」

 一ノ瀬は私の膝裏を持ち上げ腰を浮かせると、斜め上から突き刺すように自身の腰を突き立てた。

「ああーーっ!」
「……くっ、はっ」

 一番強い刺激に抑えきれず、大きな声が上がる。

「りな、だいじょうぶ?きもち?」

 パンッパンッと肌が触れ合う音と、じゅくじゅくと水をかき混ぜる音が混ざり合う室内で、一ノ瀬は私を気遣いながらおでこにキスをした。

「んぁっ、激し、も、だめ、ああんっ」
「はは、まだ、いけそうだな」
「やぁん」

 どこを見てそう判断したのか、一ノ瀬はニヤリと笑うと手をそっと私の下腹に添えた。ちょっとまって、それは刺激が強すぎる。抗議の声は喘ぎ声に変わり一ノ瀬に届けることができない。

「んあっ、あっ」
「……は、りな」

 器用に腰を動かしながら一ノ瀬の指が私のクリトリスを探りあてた。そしてソレを強く刺激する。

「あぁ、んあーっ」

 クリトリスの刺激によって達した私の膣内は、一ノ瀬のモノを誘い込むようにうねり、自分の意思と反して腰がびくびくと震える。
 
「……はっ、くっ、ごめん」

 謝罪をした一ノ瀬は両手で私の足を抱え、強く腰を打ちつけた。

「ああん、あきくん、あきくん」
「りな、りな、愛してる」
「あきくん、わたしも、すきぃ」
「……はっ、くっ、イく、んっ」

 一ノ瀬は私を強く抱きしめると、ぐっと腰を最奥に押し込んだ。一ノ瀬のモノが震え、射精をしている感覚が伝わる。

「……はあ、まじで、気持ちよかった」
「うん、ふふ、汗でぐちゃぐちゃだね」

 一ノ瀬の額を伝う汗を拭うと、一ノ瀬は笑いながら私の首筋をぺろりと舐めた。

「ぁん」
「しょっぱ」
「やだ、もう」

 目を合わせ、二人で笑い合う。体はだるいが幸福なひとときだ。一ノ瀬がズルっと私の中から自身を引き出した。思わず切ない声が上がり、一ノ瀬がいた場所がぽっかりと穴が空いたように感じて少し寂しい。

「……ぁん」
「エロい声出さないで。里奈のこと抱き潰しちゃいそ」
「……いちのせぇ」

 一ノ瀬はテッシュで濡れた私の秘所を優しく拭き、自身の避妊具を乱暴に取り外すと、私の唇にキスをした。風呂沸かすからと浴室へ向かう背中を見送る。喉の渇きを覚え、テーブルに置いてあったコーラを飲んだがぬるくてまずかった。

もう外が暗い。夜が始まった。カーテンを閉めようと立ち上がると、浴室から戻ってきた一ノ瀬がパチ、と部屋の電気をつけた。明るさに目が眩む。全裸だったことに気づき焦って服を探すと、一ノ瀬が大きなバスタオルを肩にかけてくれた。

「ありがとう」
「おう。一緒に風呂入る?」
「……恥ずかしいから、まだだめ」
「まだ、ね」

 嫌だとは言わない私の言葉に一ノ瀬は、じゃあ先に入りな、俺晩飯作るから、と嬉しそうに笑った。この時の私はまだ知らない。まだ体力が有り余っている一ノ瀬の夜は長く、私は翌日の昼過ぎまで起き上がれなくなるのだ。

 
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