異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

召喚獣たちの成長

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 クロトはディアナの決意を真剣に受け止め、彼女を危険に晒すことを決めた。

 今のところはその力を必要としていないが、いつか必要になるだろう。

 なにせ、外側の世界の危険度は未知数なのだから。


「すぅ・・・すぅ・・・。」

「寝ちゃった、か・・・。それにしても、随分立派になったよね・・・。」


 クロトは初めて会った日の事を思い出し、そうしみじみと零した。

 そこに、宿の廊下を歩く音が近づいてくる。


「師匠、留守番なんてさせてすみませんでした・・・!」

「気にしないで。非常に有意義な時間だったから。」

「・・・・・・えっ?」


 予想外の言葉が飛び出し、思考が止まるアイシア。

 クロトはその隙に隠密者を発動し、その場から消え失せた。



 これは翌日、宿の食堂での話。


「ディアナ先輩!クロトさんに性的な悪戯をされましたね!」

「ぶふっ・・・!?何言ってるのアイシア!?」


 案の定、ディアナは妙な勘違いをされたのであった。

 強い信頼はどこへいったのやら。

 まあ、思わせぶりなことを言って誤解を解かずに消えたクロトが悪いのだが。










 感謝祭まで残り三日となり、クロトは感謝祭の最終確認も兼ねて本社に現れた。


「スイレン、感謝祭の準備は順調?」

「委細問題なく進んでおります。会長の仕事もありませんのでお帰り下さい。」

「え?僕だけ除け者扱いは酷いんじゃないかな?」


 スイレンの発言にクロトは苦笑いだ。


「前倒しで進め過ぎて仕事がありませんので。除け者にしたい訳ではありません。」

「ふーん・・・?スイレン、何か隠し事してるね?」

「いえ、そのようなものはありませんが?」


 クロトはスイレンをじっと見つめ・・・る前に目を逸らされた。


「・・・まあいいや。じゃあ、あとは任せるね。」

「・・・ええ、お任せください。」


 クロトはスイレンの返事を聞いてからその場を立ち去った。


(危なかったですね。サプライズなのに知られては意味がないでしょう・・・。)


 スイレンはそんなことを考え、安堵のため息を吐いたのだった。









 思いがけず時間が空いたクロトは、エメラとアクアの下を訪れた。

 二人は現在、ヴォルケーノ大火山地底部でレベル上げの最中だ。

 厳密に言えば、召喚獣のレベル上げ、だが。


「天使剣・氷竜冷撃フリージア・ドラゴネス!」

「ピュイィィィッ!」

「キュオオオオッ!」


 ラファエルの氷竜、フェニアの七色の息吹レインボーブレスが赤の主を討伐。

 二人についてきていたリュノアは「漆黒竜の影刃」で炎天煙の群れを殲滅した。


 クロトは隠密者を発動させながら近づき、神の瞳を発動。



虹の不死鳥『フェニア』
種族 魔物 幻想劣種
レベル 95
HP  6500
MP  9000
筋力  3350
防御力 3100 
魔力  4000
速力  4200
幸運    80

ユニークスキル
虹の不死鳥2 

レアスキル
虹界突破3 



 フェニアはいつの間にか種族が変わっておりユニークスキルも獲得していた。

 能力値も同レベル帯の魔物に比べると遥かに高い。



漆黒龍「リュノア」
種族 魔物 創世種
レベル 85
HP  12000
MP  10500
筋力   4400
防御力  4200
魔力   4900
速力   5200
幸運    115

ユニークスキル
可変魔力生物10 漆黒竜6

レアスキル
龍眼9 龍感8 龍力9 龍翼7 龍爪8 
龍尾3 龍の叡智8 竜界突破6 全無効 



 リュノアに至っては、素のステータスにおいてクロトを超えている。

 だが、日々魔物を狩り続けて、星十二天「天秤」との戦いから+10レベル。

 ゾディアや深橙龍も倒しているにも関わらず、伸びが悪い。

 種族的にレベルが上がり辛いというクロトの仮説は当たりだろう。



大天使『ラファエル』
種族 真天使 義体
レベル 93
HP  10300
MP   6300
筋力   3650
防御力  3650
魔力   3650
速力   3650
幸運    100

ユニークスキル
可変魔力生物5 天の加護1 永遠の誓い4 

レアスキル
氷天剣術10 氷天法術10 天界突破1



 ラファエルのステータスは以前クロトが見た時から少し変化していた。

 勤勉に鍛錬と実践を積んでいたのだろうと分かる。



(フェニアのスキルが少なく感じるね。ま、あのスキルだけ十分だとも言えるか。)


 クロトはユニークスキル「虹の不死鳥」の効果を頭に入れた後で声を掛けた。


 突然の登場に驚愕して、心臓に悪かったとクロトに不満を述べるまであと三秒。

 エメラはしっかり気づいていたようで驚かなかったが。

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