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曲がるもの、曲がらないもの
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ライアスが木剣を打ち込む。
思い返すとライアスとの出会いは異世界合コンだった。俺の隣に座るライアスは意地悪で、強そうだった。現に俺はあの時、ライアスに掴まれて道に放り出されたのだから、ライアスは力がある。
しかし今のライアスの攻撃は遅すぎてスローに見える。エリリカの攻撃が速すぎたのか?
ライアスお前、本気なのか?
俺は思い出を振り返る余裕すらあるぞ。
「おい!ライアス!空振りが多いぞ!」
聖騎士団の身内からライアスに野次が飛ぶ。
「違う!当たらないんだ!」
ライアスが野次に答えた。
一撃も当たらない。それにしても遅すぎるから、ぺちぺちとライアスの素肌を木剣で叩いた。
「ヒャン!なにか当たった!」
変な声を上げるライアス。
俺の木剣の動きも見えてないのか。
観客達は苦笑している。
つまらない試合だろう。これではライアスがただ空振りしてるだけの見せ場のない試合になってしまう。
だから俺は電を木剣に纏わせ、放った。
「雷刃斬!」
「お前!雷刃斬使えるのか!」
ライアスは驚いて、慌てて雷刃斬を放ち、打ち消した。
どうやら、属性攻撃は同じ属性のスキルで打ち消すのが上策らしい。
「火炎斬!」
「か、火炎斬!」
ライアスも火炎斬を放ち打ち消す。
技を次々に放ち、打ち消すこと12回。遂にライアスの手が止まった。
「お前に奥義を見せてやろう」
ライアスは大きく振りかぶって木剣を振り下ろした。木剣から衝撃波が俺を襲う。
「それが、奥義?斬撃波か」
俺も斬撃波で打ち消した。
「ならば、俺の奥義!鳳凰斬!」
「「鳳凰斬!?」」
聖騎士団員達が驚いて立ち上がる。
「あれはエリリカ様が長年かけ編み出されたスキル!」
団員達はエリリカをチラ見すると、エリリカは顔を隠した。
「火炎斬!」
ライアスは火炎斬を放つ。しかし鳳凰斬は火炎斬より上位のスキル。いくら同じ炎系統の攻撃でも打ち消すことは出来ない。
鳳凰斬の火の鳥はライアスの木剣に当たる。木剣に当たった火の鳥はそのままライアスの頭の上をかすめて、上空まで飛んで消えた。
ライアスの美しい金髪がチリチリになったところで、試合は俺の勝利で終わった。
「くそー!」地面を叩いて悔しがるライアス。
それを見たエリリカは「聖騎士団のそのような無様な真似を晒すな!」と叱責した。
俺からすれば、ざまぁと言いたいところだ。
「勝敗は決した。ライアスには退団を命じ、勝利したカイトは聖騎士団の入団を許可する」
「ちょっと待った!」
制止した俺に全員注目する。
「なんだカイト?」
「俺は聖騎士団には入らない。ライアスは聖騎士団を辞めなくていい。それで俺は決めた。聖騎士団より強いものを求めて旅に出る」
「いいのか、お前……」
ライアスの泣き顔がパッと明るくなる。
「ライアス。もう勝敗は決した。だから合コンの非礼は許そう。これからは村人を馬鹿にするな!村人が食べ物を作ってくれるから、聖騎士団は戦うことができるし生きていられる」
「そうだな……忘れてたよ大切なことを……」
ライアスは俺に握手を求めてきた。
俺はライアスと固く握手した。
「美しい光景だ……」
「憎み合う二人に友情が芽生えた瞬間を見た」
「素晴らしい」
観客は泣いていた。
試合が終わり闘技場を出た所でエリリカに呼び出された。
思い返すとライアスとの出会いは異世界合コンだった。俺の隣に座るライアスは意地悪で、強そうだった。現に俺はあの時、ライアスに掴まれて道に放り出されたのだから、ライアスは力がある。
しかし今のライアスの攻撃は遅すぎてスローに見える。エリリカの攻撃が速すぎたのか?
ライアスお前、本気なのか?
俺は思い出を振り返る余裕すらあるぞ。
「おい!ライアス!空振りが多いぞ!」
聖騎士団の身内からライアスに野次が飛ぶ。
「違う!当たらないんだ!」
ライアスが野次に答えた。
一撃も当たらない。それにしても遅すぎるから、ぺちぺちとライアスの素肌を木剣で叩いた。
「ヒャン!なにか当たった!」
変な声を上げるライアス。
俺の木剣の動きも見えてないのか。
観客達は苦笑している。
つまらない試合だろう。これではライアスがただ空振りしてるだけの見せ場のない試合になってしまう。
だから俺は電を木剣に纏わせ、放った。
「雷刃斬!」
「お前!雷刃斬使えるのか!」
ライアスは驚いて、慌てて雷刃斬を放ち、打ち消した。
どうやら、属性攻撃は同じ属性のスキルで打ち消すのが上策らしい。
「火炎斬!」
「か、火炎斬!」
ライアスも火炎斬を放ち打ち消す。
技を次々に放ち、打ち消すこと12回。遂にライアスの手が止まった。
「お前に奥義を見せてやろう」
ライアスは大きく振りかぶって木剣を振り下ろした。木剣から衝撃波が俺を襲う。
「それが、奥義?斬撃波か」
俺も斬撃波で打ち消した。
「ならば、俺の奥義!鳳凰斬!」
「「鳳凰斬!?」」
聖騎士団員達が驚いて立ち上がる。
「あれはエリリカ様が長年かけ編み出されたスキル!」
団員達はエリリカをチラ見すると、エリリカは顔を隠した。
「火炎斬!」
ライアスは火炎斬を放つ。しかし鳳凰斬は火炎斬より上位のスキル。いくら同じ炎系統の攻撃でも打ち消すことは出来ない。
鳳凰斬の火の鳥はライアスの木剣に当たる。木剣に当たった火の鳥はそのままライアスの頭の上をかすめて、上空まで飛んで消えた。
ライアスの美しい金髪がチリチリになったところで、試合は俺の勝利で終わった。
「くそー!」地面を叩いて悔しがるライアス。
それを見たエリリカは「聖騎士団のそのような無様な真似を晒すな!」と叱責した。
俺からすれば、ざまぁと言いたいところだ。
「勝敗は決した。ライアスには退団を命じ、勝利したカイトは聖騎士団の入団を許可する」
「ちょっと待った!」
制止した俺に全員注目する。
「なんだカイト?」
「俺は聖騎士団には入らない。ライアスは聖騎士団を辞めなくていい。それで俺は決めた。聖騎士団より強いものを求めて旅に出る」
「いいのか、お前……」
ライアスの泣き顔がパッと明るくなる。
「ライアス。もう勝敗は決した。だから合コンの非礼は許そう。これからは村人を馬鹿にするな!村人が食べ物を作ってくれるから、聖騎士団は戦うことができるし生きていられる」
「そうだな……忘れてたよ大切なことを……」
ライアスは俺に握手を求めてきた。
俺はライアスと固く握手した。
「美しい光景だ……」
「憎み合う二人に友情が芽生えた瞬間を見た」
「素晴らしい」
観客は泣いていた。
試合が終わり闘技場を出た所でエリリカに呼び出された。
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