異世界魔剣士タイムトラベラーは異世界転移を繰り返して最弱でしたが特殊能力が開花します

三毛猫

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怠け

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「必ず強くなります」と盛大に宣言して早3日。元の世界ではトレーニングに慣れていた。しかし異世界という非現実感と解放感からか既に怠けそうになっていた。
更に怠惰な日常に誘う欲が首都では溢れている。欲に負け抵抗するのが毎日辛い。

まずは色欲。国賓待遇で城内で生活する俺は朝からメイドに身支度を手伝ってもらう。そのメイドがリネットに似て可愛い。

「リネットが1人、リネットが2人・・・」

「連司先輩大丈夫ですか?そんないやらしい目をしていたら、神村先輩にまた怒られますよ」

「そうだな」
頬を叩いて気合いを入れる。

次に食欲。朝昼晩、稽古で消耗した体力を補うに余りある豪華な食事がテーブルに並べられ好き放題食べられる。しかし暴飲暴食で太れば素早さは失われてしまう。

睡眠欲。朝早く夜遅くまで稽古する。睡魔と常に戦っている。

名誉欲。承認欲求はどこまでも深かった。街を歩けば皆んなから握手を求められ、人に囲まれる。しかしまだまだ認められたい。名実ともに本物の勇者になりたい。だが今のままでも悪くないと妥協に走りそうになる。


将軍ゲルバンの剣術稽古では
「身が入っておらん!」と何度も叱られた。

欲に負ける。何度も心が折れそうになる。そんな時に神村先輩は真っ直ぐに魔法の鍛錬を積んでいた。その姿があったから俺はまだ欲に負けずにいられたのかもしれない。

7日後、俺の稽古の先生は将軍ゲルバンから宰相アーヒュウッドに講師に変わった。
アーヒュウッドは国内でも最強クラスの魔法使いで、魔法使いの中でも最高位魔導士の資格を持つ。
背がスラリと高く、腰まで銀色の長い髪、高い鼻で支えている丸渕メガネ。青い瞳に白い肌、人族とエルフのハーフだった。

「いよいよ私が指導する時がきました」

俺と神村先輩、翔吾の3人は周囲に人家がない草原にいた。講師のアーヒュウッドは長い杖を俺たちに向ける。

「先の勇者様にも指導したことがある私が教えるのは能力の解放です。つまり、貴方方の力を無限に広げるのが役目です」

アーヒュウッドは俺と向かい合った。

「マジックブレイカーは、魔剣士でもあります。魔剣士は魔石やアイテムに秘められた魔力を消費して剣に力を乗せ自身の何倍もの威力の攻撃与えることが出来る特殊なジョブです」

アーヒュウッドは、柄に宝石が埋め込まれた短刀を俺に渡した。さらに握り拳大の魔石を俺に握らせた。魔石は俺の掌で消えて無くなった。魔石を吸収したのだ。

「構えて。地面を切るように振ってみてください」

俺は短刀を抜き、構えた。今まで感じたことのない熱いものが体内から湧き上がる。その熱い何かが、俺の手を通して短刀に流れた。言われた通り地面に向けて短刀を振り下げた。

「連司くん!」
「連司先輩・・・」

隣にいた2人が驚いている。地面に数十メートルに渡って切れ目が出来ていた。


「これ、俺がやったのか?」

「そうです。大きな魔石の力と宝剣の力で地面を真っ二つにしました。宝剣の短刀でこの威力。すばらしい能力です。しかし常に魔石やアイテムを吸収して力を貯めていないと魔力切れを起こして力が発揮できません。これから魔力切れまで素振りの後に、体内の魔力量操作について会得していきましょう」

アーヒュウッドの稽古は試験直前日まで続いた。



 勇者判定試験当日

王の間に呼ばれて女帝リデニアの口から試験内容が発表された。

「ゴブリン50体、キマイラ10体、ワイバーン10体、オーク20体の討伐を7日以内に完了すること」

支給された鞄には数日の食糧と寝袋、数枚のゴールドのみ。討伐判定員として兵士が7人と宰相アーヒュウッドが同行した。


リデニアの首都を出発して、魔物討伐に出る。

「今まで稽古で鍛えた成果を発揮しよう」

「うん」

「連司先輩について行けば楽勝だなぁ」

「油断はできない。神村先輩、魔力探知を」

神村先輩は地面に手をついて魔物の位置を探る。魔物や魔獣がごく僅かな魔力を遠くからでも感じることができる。

「真っ直ぐ行った先にゴブリンの群れがいる」

魔力量から魔物の種類まで判定する。

「斥候してきます」

翔吾は猛スピードで走って行った。
ほんの数分で往復してきた翔吾の報告では、谷になった場所にゴブリンが30体とキマイラの肉を囲み宴会状態だそうだ。

俺たちは森を抜けて崖下にいたゴブリンの集団に近付いた。

「一気に終わらせる」

俺は剣に魔力を流す。そして崖から飛び降りた。着地の寸前で地面に剣を振る。風圧で僅かに体は浮き、落下の衝撃は無くなり地面に着地した。

ギィィー!
俺に気付いたゴブリンが一斉に声を上げて仲間に知らせる。ゴブリン達は鳴き声を上げながら突進する。

俺は剣に魔力を流して、横に一閃。
30体はいたゴブリンは一斉に真っ二つになった。

崖上にいた討伐判定員から思わず「うぁーすごい!」という声が漏れた。









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