異世界魔剣士タイムトラベラーは異世界転移を繰り返して最弱でしたが特殊能力が開花します

三毛猫

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5回目の異世界

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「どうだ!ここが異世界」
草原のど真ん中でシャーナは両手を仰ぎ陽の光を浴びている。その後ろで俺と翔吾は草むらに倒れていた。

シャーナが路地裏で偶然見つけた真っ黒な空間は読み通り異世界に通じていた。


「でもどうしてあんな路地裏で異世界に通じる空間を見つけられたんです?」

「それは酔い潰れて、壁をペチペチ叩いていたら真っ黒な空間が現れたわけだ」
シャーナは笑っているが、俺と翔吾は若干引きながら聞いていた。


周りを見渡すと、見覚えのあるオオウシ山脈があり後ろには森が広がっていた。

装備品も殆ど持ってきていない為、あるものといえば

シャーナのペティナイフ
翔吾の浮き輪とスマートフォン
俺のスマートフォン
ぐらいだ。

魔石も吸収していない状態且つ、ペティナイフでは俺は戦えない。翔吾の弱い魔法頼みで、シャーナの戦闘力は未知。魔物が出ないといいがと思っていると、森からゴブリンが5体も走ってきた。


「一旦、距離をとろう」

ゴブリンから走って逃げていると鎧を着た兵士の集団が森に向かって行進していた。

「全体、止まれー!」
馬に乗った先頭の男が大声で号令をかけると隊列は停止した。

「前方からゴブリン。逃げる人族を助けよ」

鎧を着た兵士が数人、俺たちの方へ走ってきた。俺と翔吾とシャーナとすれ違うと兵士数人はゴブリンを一刀両断して倒した。


「ありがとうございます。助かりました」

馬に乗った男に礼をする。
よく見ると馬に乗った男はリデニア国将軍ゲルバンだった。

「この者たちを捕えよ」

兵士が俺たちを囲む。

「ちょっと待ってください!ゲルバン将軍!勇者に認定された連司と翔吾です!」

「知っておる。10年前魔王討伐に出た5代目勇者一行。私が稽古した勇者の方々だ。しかし、貴殿らは魔王国で突如消え去り敵前逃亡したと報告を受けている罪人だ」

異世界から戻ってまた異世界に帰ってきたら消えて敵前逃亡した勇者一行という汚名を着せられていた。

「大人しく縛られてやろうじゃないか」
シャーナは両手を上げて敵意のないことを示した。
俺たちも仕方なくゲルバンに従い拘束された。


「演習予定は変更!引き上げるぞ!」

兵士一行に連れられて草原からリデニアの街に入った。
街の人々は俺たちに石を投げつけた。
国の恥。逃げた5代目勇者など罵詈雑言を浴びせられる。


リデニア城内の王の間で再び女帝リデニアと再会した。10年という歳月でリデニアは年老いていた。およそ70代ぐらいだろうか。
リデニアの隣には宰相アーヒュウッドと見たことがない男女が3人並んでいた。

「5代目勇者一行よ。魔王の右腕であるオルデカンを討伐したとの報告の後、敵前で消え去り逃亡し10年の月日を経て再び現れたのは何事か?」

俺は異世界転移と一度異世界を往復すると10年経過している事について説明したが誰一人納得していない様子だった。
そして女帝リデニアは骸になり、唯一リデニア国に送り返された神村先輩を城の敷地内の墓所に埋葬したことを俺たちに告げた。

「神村亜弥華は唯一5代目の勇者である」

「待ってください」
アーヒュウッドの隣にいたマントを着た男が手を挙げた。 

「僕たちは5代目勇者さん達を信じたいです。僕は5代目勇者さんみたいにマジックブレイカーではありませんが6代目勇者させてもらってます」

6代目勇者の男は顔は小顔で体つきは細く、一般の兵士より弱そうに見えた。


「6代目勇者の言葉を含めて審議する。今日は解散とする」

リデニアが宣言すると王の間から退出し俺と翔吾とシャーナは同じ牢屋に入れられた。


「亜弥華は埋葬されたか。一度でいいから墓参りに行きたいものだ」
しんみりするシャーナ。翔吾は頷いて聞いていた。

「世界の理を壊す秘薬があれば、墓を掘り返してでも絶対に蘇らせる。その為には早く誤解を解かないと」

「焦っても仕方ない」
シャーナは俺の焦りを諭す。


それから丸一日が経過した。
牢屋の見張りが牢の鍵を開け、俺たちは釈放された。

「リデニア様と6代目勇者様に感謝しろよ」と見張りの兵士に言われ城外へ出された。


「先輩これからどうします?」

「身支度を整えたら魔王国に入る」

俺は再度魔王討伐に向けて動き始めた。
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