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3章

43 全ての元凶

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ルナール 視点

娘の誕生日会の準備に大忙しのルナールよ。

当日になり料理や着替えで大忙しよ。

ティーはクリスにアホ毛を抜かれながら寝ている。
その都度、ぴっと鳴いていて可愛い。だけど…

「クリスちゃん、アホ毛だらけになってるからもう止めようね。」

クリスがティーのアホ毛を抜くせいで、クリスはアホ毛に埋もれてきた。やめてあげて!

私はクリスに干し芋を持たせアホ毛を回収し、ティーを着替えさせた。
しかしなんでティーは起きないのかしら?
いつもはアホ毛を抜かれるとすぐ起きるのになぁ…

仕方がないこのまま着替えさせるか。
今日の主役だから、ラブリーさんのところで作って貰った、白でフリルとリボンをあしらったベビードレスを着せた。
可愛い!
そう、まるでキノコだ…





さて、クリスも着替えだ。
クリスはピンクのティーと同じドレスを着せた。
こっちも可愛い。

ティーのアホ毛をしゃぶっているのでよだれだらけだが、ドレスがよだれを弾いてる。
ラブリーさんはいい仕事しますね。
しかも3歳くらいまで着れるように調節出来るようにしている。
ほんと有難い。

着替えを終えたリアとリリスに2人を任せ私は料理の仕上げに向かった。

前日までにほとんど完成させ、保存の魔法をかけているので残りはケーキのトッピングだけである。

台所に立つと窓がカタカタとなっていた。
なんだろうと思い見ると、妖精がビッシリと窓に張り付いていた。
怖っ!?

私はすぐに部屋に戻りリアに徐精霊剤を散布してもらった。
人にも神にも精霊にも無害で精霊が嫌がる成分で作った薬である。
(作成者 ルナール)

精霊が散ったあとで料理再開した。
30分後に完成し準備は終わった。

コンコン!

誰か来たようね。

玄関のドアを開けると父と母と上の兄がいた。

「ルナ!来たぞ。ティーちゃんはどこじゃ?」

はいはい…わかってますよ。
部屋の奥からリア達が出て来た。

ティーはまだ寝ている…そろそろ起きて欲しい。

しょうがない、父に渡そう。

私はリアからティーを受け取り父に渡した。
私からティーを受け取った父は寝ているティーに頬ずりをした。

「ティーちゃん!じーじだよー!」

スリスリスリスリスリスリ…

流石にティーは起き暴れたが逃げられない…
アホ毛で攻撃しようにもクリスに何度も抜かれているため頭の上でブンブン動かす事しか出来ないようだ。

「あー!あー!あー!」

髪の色もリアと同じ青に変わって、物凄い泣いて助けを求めているが他の対応をしよう。
神気のダダ漏れが無い分成長しているわね。
娘の扱いが雑?気のせいよ!オホホ!

その後も次々と招待客が来てその都度対応し、会場に通して行った。

「先輩!遊びに来ましたよ。」

赤、白、緑の髪の女神がやって来た。
彼女たちは私達が見習い神時代の後輩だ。
今や彼女達も立派な女神である。

「よく来てくれたわ。さっ!入って!」

ガチャ!!

私は全員入ったところで鍵を締め、緑髪の女神を縛りあげた。

「先輩!?なにするのですか?」

私はみんなのいる部屋に座らせた。
彼女は運命女神カリネ、私が見習い神の時の後輩の1人だ。
一応、いろいろやらかしているので呼び出してみた。
現在、彼女は参加者全員に囲まれている。
側から見れば魔女裁判に見えるでしょうね。

「ちょっと、先輩何するのですか?私、まだ何もしてませんよ!」

「今まで物語のように、あり得ないことだらけのことばかっり起きていたの、貴女の仕業以外でこうなるか説明してくれないかしら?」

私は今までの経緯を皆に説明した。
そして、口々にこれは間違いないと言っていた。

「私は無実ですよ!そうだ!きっと妖精や精霊のせいですよ!」

「いや、精霊や妖精なら儂らなら見えるから居たらわかるじゃろう。」

「そうだった!?えーと…」

純血神の私達は近くで精霊や妖精が居れば見える。
それに妖精がいないはずの街で起こっているのだ。
可能性は彼女が居合わせる確率より低い。

「貴女の運命の書を出しなさい!」

「嫌だー!!」

「創造神権限じゃ!出せ!」

「横暴だー!」

彼女が見えてる範囲で指定した相手の名と行動を書くと10%で実現してしまう。
書くと言うことは、書いた跡があるということだ。
なので、彼女の本を見れば何をやったかわかる。

運命の書を開くと…

カグリア先輩とキラティアちゃんが戦う。



ルナール先輩が人助けをする。



カグリア先輩がゴリラと仲良くなる。笑



キラティアちゃん空を飛ぶ!



色々書いてあったが、かなり彼女が関わっていた。
ふと、気になる一文を見つけた。

キラティアちゃんと第二王子が知り合う。

なにこれ?

「なんでこんなこと書いたのよ。」

「えーと…それについては知らないです。」

「でも、ここに書いているわよ?」

「私は書いてないですよ。今知りました。」

彼女が首をブンブン振る場合は嘘をついてないことが多い。
つまり…

「運命の書を置きっぱなしにしたのはいつ?」

「あ!?…」

彼女は黙りこくった。
置き忘れたのね。

おそらく運命の書を置き忘れて誰かに書かれたのであろう。

「しかし、どうするかのう?」

「二重線で消すしかないでしょ。」

二重線で消せば一応かなってなければ無効になるらしい。

彼女は当分は知り合いのブロッコリー農家で働かせることになった。

とりあえず話は終わったので彼女を解放、予定通りティーの誕生日会を始めた。

まずはあいさつ、ラブリーさんのドレスを着せたティーを見せ記念撮影をした。

来た人が良識神だったのでトラブルはなかった。
だか、家に入らないほど大量のプレゼントが届いたのは驚いた。
どうしよう…
とりあえず、アイテムボックスに収納…あとで整理だ。ハァ…

誕生日ケーキの火を短いアホ毛の風圧で消す珍事もあったが、問題なく終了した。

運命女神カリネは誕生日会後に父に連れて行かれ、謎だけが残っていった。

そして、子供達はケーキをもぐもぐしていた。



「ティーとクリスはまだダメー!!」

取り上げたらぶーぶー言われた…まだ早いからね。
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