神の沈黙、闇の豊穣、偽りの祈り

ルサルカ

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第十一話

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 エイレシアは、崩れ堕ちた。

 今度は、再生が始まらない。

 神父さまはゆっくりとミストレスのほうを向くと、歩きだされた。

 その歩みは次第に重く遅くなってゆき。

 ついには、ミストレスのとなりに膝をつきなされると。

 沈むように地面へ倒れなされた。

 おれは飛び出すと、神父さまの手から第七聖典を奪いとる。

 そして、ミストレスの傍らに立った。

 ミストレスは、明らかに再生しようとしている。

 おそらくミストレスの不死の呪いは強力で、解毒の因子が容易に活性化しないのではないかと思う。

 おれは、第七聖典をミストレスに向けた。

 ミストレスは身を起こし、傍らの神父さまに手を伸ばすとほろほろと涙を零す。

 そうだ、そうなのだ。

 おれは、確信する。

 邪悪な夜の獣であろうと。

 それを狩るイスカリオテ機関の刺客であろうと。

 所詮は偽物なのだ。

 みな、真の悪でも真の善でもなくそれらは混ざりあい、不純であり。

 やはり、真なる神はこの世の全てから超えたところにこそおられる。

 そう思うと、おれは第七聖典をミストレスの胸に突き立てた。

 血がしぶき、ミストレスは神父さまに重なって倒れる。

 おれはミストレスを神父さまから引き離すと、その唇へ口づけをした。

 溢れる血が、おれの口の中へと入る。

 その血には、不死の呪いがあるはず。

 そしておれが怪物となり。

 この偽物の世界を破壊する夜の獣、終末の怪物となるのだ。

 おれが、ミストレスから口を離すと。

 突然、全身が燃えるように熱くなり。

 頭の中で何者かが刃物を振り回すような頭痛が襲ってきた。

 おれは膝をつき呻きをあげると。

 成すすべもなく、降りてくる闇に身を委ねた。



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