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無自覚美少年の男子校ライフ♪
嫉妬という名の不安
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コンテストが行われるのは3日後。その日は10時から講堂で、コンテストに出場する人たちが、王子の姿や女装姿をお披露目する。
僕は今、出来上がった衣装を前に眉間にしわを寄せていた。
まるでエプロンのようなトップスに、トップスに…!
なんだよコレ! てぃ、Tバックのショーツじゃねーか!
…これって、俗に言う裸エプロン…!
「ちょっと待てよ、コレ! 裸エプロンしろってのか僕に!」
「まさか!ちゃんとパンツも付いてんじゃん」
衣装担当の小島が、Tバックをヒラヒラさせながらニヤニヤしている。
「だって、こんなん! 後ろ丸見えでカッコ悪いよ!」
「え~?何言ってんだよ。そこが良いんだろ、そそられて」
ソソラレル…?
どこをどう見てソソラレル…?
衣装は本当にエプロンそのものだった。
黒地に白のレースが施され、しかも長けはギリギリ、股間が隠れるかどうかの短さだ。しかもその股間部分には白のスケスケのレースが施されているので、どう考えても黒のTバックが透けて見える。
しかも後ろは首の所と腰の部分で、結ぶ紐があるだけで、もう本当に丸見え状態の間抜けな姿だ。
…こんな姿で全校生徒の前に立つの…?
情けなさ過ぎて、死にたい…。
がっくりと項垂れる僕に、候がよしよしと頭を撫でる。
その隣りでは浩太が、なぜか大きな体を小さく丸め、後ろを向いて蹲っている。
「浩太、どうしたの?気分でも…」
「俺、ちょっとトイレ!」
言うや否や、ダダダとものすごい勢いで廊下に出て行った。
おしっこ我慢してたのか。
…あ、僕もなんかモヨオシそう…。
「候、僕も…」
トイレに行ってくると伝えようと思って候の所を見ると、バスケ部の先輩らしき人が候をちょうど訪ねてきていて、「ちょっとワリィ」と言ってさっさと僕から離れて行った。
ん~。まあ、いいか。先に浩太も行ってることだし。完全に一人ってわけでもないしな。
僕はそのままトイレに行くべく廊下を進む。
そしてふと、ホントに何気に窓から外を見ると、蓮先輩の姿が視界に入った。
蓮先輩だ!
僕はつい嬉しくなって窓から下を覗き込んで…。
覗き込んで後悔した。
…だって、だってそこには、蓮先輩の取り巻きの…アイドル並に可愛い人と、何やら話し込んでいる2人の姿があったんだ。
ドキドキと嫌な感じで煩くなる心臓。だけどそれでも僕は、彼らから目が離すことは出来なかった。
綺麗でカッコイイ王子様な先輩に、アイドル並の色気と可愛さのある2人。
並んで立つと存在感も甚だしい。
きっと僕が先輩と並んで立っても、あんな存在感は生まれないだろう…。
見たくもないのに目が離せずに、食い入るように2人を見つめていたら、先輩が、彼の頭をくしゃくしゃっと撫でて優しく微笑んだ。
それにはにかむ様に笑う彼の顔があまりにも幸せそうで可愛くて、僕は思わず目を逸らして息を思いっきり吐き出す。
…胸が痛いよ。
これは嫉妬だ。
あんな完璧なアイドルみたいな彼に、嫉妬するだなんて烏滸がましいけど、それでも…。
醜くてどうしようもない思いは、僕の中から溢れて止まりそうになかった。
「おい、なにしてるんだ? こんなトコで」
「あ…」
トイレから帰って来た浩太が僕を見て、眉根を寄せていた。
「と、トイレ…。僕もトイレ行きたくなっちゃって」
一瞬訝しげな顔をした浩太だったけど、「じゃあ付き合う」と言って、僕と共に歩き出した。
その時、僕の視界の隅に、窓の下をちらりと見る浩太の姿が映った。そして眉を寄せて僕の顔を窺う仕草も。
きっと僕の態度を不審に思って、あの二人の姿を見て納得がいったんだろう。
だけど浩太は僕に何も聞こうとはしなかった。
だから僕もそれに感謝して、何食わぬ顔でトイレへと急いだんだ。
僕は今、出来上がった衣装を前に眉間にしわを寄せていた。
まるでエプロンのようなトップスに、トップスに…!
なんだよコレ! てぃ、Tバックのショーツじゃねーか!
…これって、俗に言う裸エプロン…!
「ちょっと待てよ、コレ! 裸エプロンしろってのか僕に!」
「まさか!ちゃんとパンツも付いてんじゃん」
衣装担当の小島が、Tバックをヒラヒラさせながらニヤニヤしている。
「だって、こんなん! 後ろ丸見えでカッコ悪いよ!」
「え~?何言ってんだよ。そこが良いんだろ、そそられて」
ソソラレル…?
どこをどう見てソソラレル…?
衣装は本当にエプロンそのものだった。
黒地に白のレースが施され、しかも長けはギリギリ、股間が隠れるかどうかの短さだ。しかもその股間部分には白のスケスケのレースが施されているので、どう考えても黒のTバックが透けて見える。
しかも後ろは首の所と腰の部分で、結ぶ紐があるだけで、もう本当に丸見え状態の間抜けな姿だ。
…こんな姿で全校生徒の前に立つの…?
情けなさ過ぎて、死にたい…。
がっくりと項垂れる僕に、候がよしよしと頭を撫でる。
その隣りでは浩太が、なぜか大きな体を小さく丸め、後ろを向いて蹲っている。
「浩太、どうしたの?気分でも…」
「俺、ちょっとトイレ!」
言うや否や、ダダダとものすごい勢いで廊下に出て行った。
おしっこ我慢してたのか。
…あ、僕もなんかモヨオシそう…。
「候、僕も…」
トイレに行ってくると伝えようと思って候の所を見ると、バスケ部の先輩らしき人が候をちょうど訪ねてきていて、「ちょっとワリィ」と言ってさっさと僕から離れて行った。
ん~。まあ、いいか。先に浩太も行ってることだし。完全に一人ってわけでもないしな。
僕はそのままトイレに行くべく廊下を進む。
そしてふと、ホントに何気に窓から外を見ると、蓮先輩の姿が視界に入った。
蓮先輩だ!
僕はつい嬉しくなって窓から下を覗き込んで…。
覗き込んで後悔した。
…だって、だってそこには、蓮先輩の取り巻きの…アイドル並に可愛い人と、何やら話し込んでいる2人の姿があったんだ。
ドキドキと嫌な感じで煩くなる心臓。だけどそれでも僕は、彼らから目が離すことは出来なかった。
綺麗でカッコイイ王子様な先輩に、アイドル並の色気と可愛さのある2人。
並んで立つと存在感も甚だしい。
きっと僕が先輩と並んで立っても、あんな存在感は生まれないだろう…。
見たくもないのに目が離せずに、食い入るように2人を見つめていたら、先輩が、彼の頭をくしゃくしゃっと撫でて優しく微笑んだ。
それにはにかむ様に笑う彼の顔があまりにも幸せそうで可愛くて、僕は思わず目を逸らして息を思いっきり吐き出す。
…胸が痛いよ。
これは嫉妬だ。
あんな完璧なアイドルみたいな彼に、嫉妬するだなんて烏滸がましいけど、それでも…。
醜くてどうしようもない思いは、僕の中から溢れて止まりそうになかった。
「おい、なにしてるんだ? こんなトコで」
「あ…」
トイレから帰って来た浩太が僕を見て、眉根を寄せていた。
「と、トイレ…。僕もトイレ行きたくなっちゃって」
一瞬訝しげな顔をした浩太だったけど、「じゃあ付き合う」と言って、僕と共に歩き出した。
その時、僕の視界の隅に、窓の下をちらりと見る浩太の姿が映った。そして眉を寄せて僕の顔を窺う仕草も。
きっと僕の態度を不審に思って、あの二人の姿を見て納得がいったんだろう。
だけど浩太は僕に何も聞こうとはしなかった。
だから僕もそれに感謝して、何食わぬ顔でトイレへと急いだんだ。
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