16 / 57
ハイスランド学園入学
しおりを挟む
ルークとの婚約の許可は別としても、ぼくはぼくの今まで満足に叶えられなかった夢のためにも、ハイスランド学園に通うことを希望していた。
ルークは宣言した通り、ぼくとの仲を進めていきたいと思っているようで、時間を見つけては会いにきていた。
そして時は過ぎ、ハロルド兄様がハイスランド学園に入学し、その一年後、ぼくもルークもアーネストも、無事にハイスランド学園に入学した。
「見て見て、ルーク様よ。いつ見ても素敵よね」
「ああ、格好いいよな。惚れ惚れする」
彼らの視線の先には校庭を歩くルークがいた。朝日を浴びて、キラキラと輝く金色の髪をなびかせている。
ルークはいつも大勢の視線を集める。それは公爵家の嫡男だからということだけでなく、彼自身が放つ魅力あふれるオーラのせいでもあるのだろう。そして何より顔がいい。
「それに知ってます? ルーク様、まだ婚約相手は決まってないらしいんですのよ」
「まあ、どうしてなんでしょう?」
「公爵家だものなー。やっぱり高い理想があるんだろう」
「ええー? じゃあ私らには無理ってことですか?」
「勝手なこと言ってますね」
アーネストがちらりと僕を見る。
「仕方ないよ、みんな知らないんだから」
ぼくがハイスランド学園に入学したことでルークとの婚約を最低限突破したことにはなるけれど、まだ正式に婚約が決まったわけではない。
それは僕の中でもそうだった。
サラもこの学園に入学しているのでルークとの接点は多分これからだ。これからの2人がどうなっていくのかわからないから、ぼくの方としても、彼らを注視していかないといけないと思っている。
「それにしても、ノエル様と同じクラスで良かったです」
「それはぼくもだよ」
ぼくとアーネストはAクラスだ。
ハイスランド学園は成績順でクラスが決まっていく。トップは特進Aクラス。そしてAクラス、Bクラス、Cクラスと続く。
ハイスランド学園は三年で卒業するのだが、まだまだ学びたいものはハイスランド学院でもう三年学ぶことができる。ただ、それは学園を卒業した者に限られたもので、それでも試験に受からなければ合格できない。ただ、卒業時に特進Aクラスにいる者だけは、希望すれば自動的に学院に入学することができた。
クラス編成は純粋な成績順なので、学科が違う人とも同じクラスになることがある。それは基本の授業がみんな同じということもあり、魔法属性の違う者同士との交流も必要だと考えられたからだ。
それなのでハイスランド学園の授業は、基本科目と選択科目から成り立つことになる。
「ルーク様は特進でしたね」
「うん」
ぼくは前回 Bクラスだった。これだけは、一度学園に通った記憶が役に立ったと言えることだ。
「あっ」
「え?」
僕が思わず声を発してしまったので、アーネストも何事かと窓の下のルークに目を戻した。
ルークのそばにサラがやってきて、話しかけている。
今まで気をつけていたけれど、ルークのそばにサラの影を感じたことはなかった。もしかしたらこれが、ルークとサラの出会いなのか? それとも、ぼくが気がつかなかっただけで、2人はもう知り合いだったりするんだろうか?
心臓が壊れるんじゃないかと思うくらいバクバクと激しい音を立て始めた。掌からの汗がやばい。
親しい素振りがあるのかしっかり確認しようと思っていたのだけど、ルークは一言二言話しただけですぐにサラのもとから離れていった。サラは、茫然といった感じで立ちすくんでいる。
「ありゃー、ルーク様、やけにあっさりしてますね。大好きなノエル様に勘違いさせる要因を作ってはまずいと思ったんでしょうかね」
「え?」
「だって、なんとなくサラ嬢、ルーク様に気があるように見えませんでした?」
「……それは、うん」
「男前ですねえ、ルーク様」
そう、なのか?
アーネストと話しながらぼくは、じっとルークを見続けていた。視線を感じたのか、ルークがパッと上を見る。パチッとぼくと目が合った。
途端にルークの表情が、ぱあっと花が咲いたように明るくなった。そして僕にニコニコと手を振る。
「ほら、ノエル様も」
戸惑いながらもぼくは、アーネストに促されて手を振り返した。
ルークは宣言した通り、ぼくとの仲を進めていきたいと思っているようで、時間を見つけては会いにきていた。
そして時は過ぎ、ハロルド兄様がハイスランド学園に入学し、その一年後、ぼくもルークもアーネストも、無事にハイスランド学園に入学した。
「見て見て、ルーク様よ。いつ見ても素敵よね」
「ああ、格好いいよな。惚れ惚れする」
彼らの視線の先には校庭を歩くルークがいた。朝日を浴びて、キラキラと輝く金色の髪をなびかせている。
ルークはいつも大勢の視線を集める。それは公爵家の嫡男だからということだけでなく、彼自身が放つ魅力あふれるオーラのせいでもあるのだろう。そして何より顔がいい。
「それに知ってます? ルーク様、まだ婚約相手は決まってないらしいんですのよ」
「まあ、どうしてなんでしょう?」
「公爵家だものなー。やっぱり高い理想があるんだろう」
「ええー? じゃあ私らには無理ってことですか?」
「勝手なこと言ってますね」
アーネストがちらりと僕を見る。
「仕方ないよ、みんな知らないんだから」
ぼくがハイスランド学園に入学したことでルークとの婚約を最低限突破したことにはなるけれど、まだ正式に婚約が決まったわけではない。
それは僕の中でもそうだった。
サラもこの学園に入学しているのでルークとの接点は多分これからだ。これからの2人がどうなっていくのかわからないから、ぼくの方としても、彼らを注視していかないといけないと思っている。
「それにしても、ノエル様と同じクラスで良かったです」
「それはぼくもだよ」
ぼくとアーネストはAクラスだ。
ハイスランド学園は成績順でクラスが決まっていく。トップは特進Aクラス。そしてAクラス、Bクラス、Cクラスと続く。
ハイスランド学園は三年で卒業するのだが、まだまだ学びたいものはハイスランド学院でもう三年学ぶことができる。ただ、それは学園を卒業した者に限られたもので、それでも試験に受からなければ合格できない。ただ、卒業時に特進Aクラスにいる者だけは、希望すれば自動的に学院に入学することができた。
クラス編成は純粋な成績順なので、学科が違う人とも同じクラスになることがある。それは基本の授業がみんな同じということもあり、魔法属性の違う者同士との交流も必要だと考えられたからだ。
それなのでハイスランド学園の授業は、基本科目と選択科目から成り立つことになる。
「ルーク様は特進でしたね」
「うん」
ぼくは前回 Bクラスだった。これだけは、一度学園に通った記憶が役に立ったと言えることだ。
「あっ」
「え?」
僕が思わず声を発してしまったので、アーネストも何事かと窓の下のルークに目を戻した。
ルークのそばにサラがやってきて、話しかけている。
今まで気をつけていたけれど、ルークのそばにサラの影を感じたことはなかった。もしかしたらこれが、ルークとサラの出会いなのか? それとも、ぼくが気がつかなかっただけで、2人はもう知り合いだったりするんだろうか?
心臓が壊れるんじゃないかと思うくらいバクバクと激しい音を立て始めた。掌からの汗がやばい。
親しい素振りがあるのかしっかり確認しようと思っていたのだけど、ルークは一言二言話しただけですぐにサラのもとから離れていった。サラは、茫然といった感じで立ちすくんでいる。
「ありゃー、ルーク様、やけにあっさりしてますね。大好きなノエル様に勘違いさせる要因を作ってはまずいと思ったんでしょうかね」
「え?」
「だって、なんとなくサラ嬢、ルーク様に気があるように見えませんでした?」
「……それは、うん」
「男前ですねえ、ルーク様」
そう、なのか?
アーネストと話しながらぼくは、じっとルークを見続けていた。視線を感じたのか、ルークがパッと上を見る。パチッとぼくと目が合った。
途端にルークの表情が、ぱあっと花が咲いたように明るくなった。そして僕にニコニコと手を振る。
「ほら、ノエル様も」
戸惑いながらもぼくは、アーネストに促されて手を振り返した。
2,571
あなたにおすすめの小説
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
やり直せるなら、貴方達とは関わらない。
いろまにもめと
BL
俺はレオベルト・エンフィア。
エンフィア侯爵家の長男であり、前世持ちだ。
俺は幼馴染のアラン・メロヴィングに惚れ込み、恋人でもないのにアランは俺の嫁だと言ってまわるというはずかしい事をし、最終的にアランと恋に落ちた王太子によって、アランに付きまとっていた俺は処刑された。
処刑の直前、俺は前世を思い出した。日本という国の一般サラリーマンだった頃を。そして、ここは前世有名だったBLゲームの世界と一致する事を。
こんな時に思い出しても遅せぇわ!と思い、どうかもう一度やり直せたら、貴族なんだから可愛い嫁さんと裕福にのんびり暮らしたい…!
そう思った俺の願いは届いたのだ。
5歳の時の俺に戻ってきた…!
今度は絶対関わらない!
美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。
竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。
男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。
家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。
前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。
前世の記憶チートで優秀なことも。
だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。
愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後
結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。
※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。
全5話完結。予約更新します。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる