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テラス席
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一瞬ニコッとまたぼくに笑顔を見せた後、ルークは突然走り出して、そこから姿を消した。
「あれ? どこいっちゃったんでしょうね」
「うん」
先生に呼ばれたか、それか先生を見つけて質問しに走っていったのか。きっとそのどちらかだろう。成績のいいルークだけど、たとえ地頭が良かったとしても、彼は努力を怠らない人だ。
言ったことないけど、彼のそういうところをぼくは尊敬していたりするんだ。
ああ……、でもそれってもしかしたら、先祖からの血筋なのかもしれないな。クラーク家はかつて魔術師追放などのごたごた時に攻め入ってきた他国との戦争で、怒涛の働きで敵を退けた功績によって公爵位を得たのだから。
「あっ、ルーク様だ」
誰かの一声で、教室内がざわざわと騒がしくなった。
ぼくもその声につられて入り口をみると、ルークがぼくに手を振った。
もしかしてぼくに会うために走ってきてくれたの?
慌てて席を立ってルークの元へ行く。そばには、さっきは気がつかなかったけれど、ルークがこの学園で知り合った友人、ウインター侯爵家の三男クリスがいた。
彼とは本当に気が合うようでよく一緒に居た。……でも確か卒業近くには、疎遠になってた記憶があるんだよな。
「こんにちは、ルーク様」
「こんにちは」
ルークは照れたように笑った後、「お昼時間のことなんだけど」と切り出した。
「はい」
「ランチは、テラス席で食べないか?」
テラス席とは婚約者同士のカップルのために作られた席だ。テラス席は数席しかないので予約制になり、そこを取れなかったカップルは校庭にあるベンチで食べるのが主だったりする。もちろん、普通にみんなと一緒に食堂で食べるカップルも大勢いるのだが。
この国は人口減少のショックからまだ立ち直れずにいるがゆえに、婚約しているもの、将来を誓いあった恋人同士たちに対してのフォローが細やかなのだ。
前回もやはり、ルークはたびたびテラス席を予約してくれた。
だけど今回は――
「いいのですか? ぼくらはまだ正式に婚約はしてませんけど」
「それはちゃんと確認を取ってある。一年以内に婚約する予定だと言ったら、快諾してくれた」
「そうなんですか……」
「ノエル?」
さっきの、サラがルークに接近している様子を見て怖くなっている自分がいた。今はまだルークが彼女に対して興味がなかったとしても、これから先はどうなる?
悶々としているぼくを見て、アーネストがぼくの肩をポンと叩いた。
「もしかしてノエル様、私のこと気にしてくださってます?」
「えっ?」
「私にぼっち飯させるの悪いと思っているんでしょう?」
にこにこと笑いながら言うアーネストに、ぼくは少したじろいだ。だって、アーネストがぼくの背中を押すために、そういう言い方をしているんだろうっていうのはすぐに察しがついたから。
「そうなのかい?」
ルークの横からクリスがぼくに尋ねた。
「えっ、まあ……」
モゴモゴと返事をするぼくを見て、ルークもクリスもそうなのかと納得したみたいだった。
「だったらアーネストは僕と一緒にお昼を取りましょう。お互いぼっち飯になるところでしたからね」
「それは喜んで」
商談成立といった2人を見てルーくがぼくの顔を見る。これはもう、オーケーするしかないようだ。
「それじゃあお昼よろしくお願いします。 ぼくの方から誘いに行った方がいいですか? 」
「何言ってるの。エスコートは僕にさせて?」
ああ、またキラキラと笑顔が輝いている。これにはやっぱりぼくは太刀打ちできない。
「はい……」
こくんと頷いて返事をすると背後がざわざわと騒がしくなった。
あーっ、みんなが聞き耳立ててたんだ……!
騒がれなきゃいいけど……。
ちらりとルークを窺うも、彼は何も気にしてる様子はなく、ただニコニコと笑っていた。
「あれ? どこいっちゃったんでしょうね」
「うん」
先生に呼ばれたか、それか先生を見つけて質問しに走っていったのか。きっとそのどちらかだろう。成績のいいルークだけど、たとえ地頭が良かったとしても、彼は努力を怠らない人だ。
言ったことないけど、彼のそういうところをぼくは尊敬していたりするんだ。
ああ……、でもそれってもしかしたら、先祖からの血筋なのかもしれないな。クラーク家はかつて魔術師追放などのごたごた時に攻め入ってきた他国との戦争で、怒涛の働きで敵を退けた功績によって公爵位を得たのだから。
「あっ、ルーク様だ」
誰かの一声で、教室内がざわざわと騒がしくなった。
ぼくもその声につられて入り口をみると、ルークがぼくに手を振った。
もしかしてぼくに会うために走ってきてくれたの?
慌てて席を立ってルークの元へ行く。そばには、さっきは気がつかなかったけれど、ルークがこの学園で知り合った友人、ウインター侯爵家の三男クリスがいた。
彼とは本当に気が合うようでよく一緒に居た。……でも確か卒業近くには、疎遠になってた記憶があるんだよな。
「こんにちは、ルーク様」
「こんにちは」
ルークは照れたように笑った後、「お昼時間のことなんだけど」と切り出した。
「はい」
「ランチは、テラス席で食べないか?」
テラス席とは婚約者同士のカップルのために作られた席だ。テラス席は数席しかないので予約制になり、そこを取れなかったカップルは校庭にあるベンチで食べるのが主だったりする。もちろん、普通にみんなと一緒に食堂で食べるカップルも大勢いるのだが。
この国は人口減少のショックからまだ立ち直れずにいるがゆえに、婚約しているもの、将来を誓いあった恋人同士たちに対してのフォローが細やかなのだ。
前回もやはり、ルークはたびたびテラス席を予約してくれた。
だけど今回は――
「いいのですか? ぼくらはまだ正式に婚約はしてませんけど」
「それはちゃんと確認を取ってある。一年以内に婚約する予定だと言ったら、快諾してくれた」
「そうなんですか……」
「ノエル?」
さっきの、サラがルークに接近している様子を見て怖くなっている自分がいた。今はまだルークが彼女に対して興味がなかったとしても、これから先はどうなる?
悶々としているぼくを見て、アーネストがぼくの肩をポンと叩いた。
「もしかしてノエル様、私のこと気にしてくださってます?」
「えっ?」
「私にぼっち飯させるの悪いと思っているんでしょう?」
にこにこと笑いながら言うアーネストに、ぼくは少したじろいだ。だって、アーネストがぼくの背中を押すために、そういう言い方をしているんだろうっていうのはすぐに察しがついたから。
「そうなのかい?」
ルークの横からクリスがぼくに尋ねた。
「えっ、まあ……」
モゴモゴと返事をするぼくを見て、ルークもクリスもそうなのかと納得したみたいだった。
「だったらアーネストは僕と一緒にお昼を取りましょう。お互いぼっち飯になるところでしたからね」
「それは喜んで」
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「それじゃあお昼よろしくお願いします。 ぼくの方から誘いに行った方がいいですか? 」
「何言ってるの。エスコートは僕にさせて?」
ああ、またキラキラと笑顔が輝いている。これにはやっぱりぼくは太刀打ちできない。
「はい……」
こくんと頷いて返事をすると背後がざわざわと騒がしくなった。
あーっ、みんなが聞き耳立ててたんだ……!
騒がれなきゃいいけど……。
ちらりとルークを窺うも、彼は何も気にしてる様子はなく、ただニコニコと笑っていた。
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