5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません

くるむ

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行きますよ

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 昼食後にカーギル先生から、授業が済んだら職員室に来るようにと言われた。どうやらジョーンズ様と連絡が取れたようだ。


「ジョーンズ様に会いに行くんですよね。わたしも行きます」
「えっ? それは構わないけど。帰るの遅くなるよ」
「それこそ構いませんよ。……あんなルーク様とご一緒かと思うとちょっと気になりますし」
「アーネスト……。ありがとう」

 アーネストって本当にぼくにはもったいないくらいの友人だ。優しいし、頼りになるし。
 もしも今後アーネストに何かあったら、その時は絶対ぼくも力になろう。助けてもらってばかりじゃ申し訳ないし。

「お兄様たちを迎えに行く前に、まずはルーク様の教室に行こうか」
「そうですね」

 ルークを迎えに行くとすでにサラが来ていた。クリスとこれからのことでもめているようだ。ぼくらが近づくと、サラが眉を釣り上げた。
「またあなた方ですの? 私とルーク様との仲を引き裂こうだなんてしないでください」
「それはこちらのセリフですよ! 何度も言いますけどノエル様は婚約者候補としてクラーク公爵家にも認められているのです。邪魔なのは貴女だ」

 毅然と言い放つアーネストに、サラが悔しそうな顔をして顎を引いた。だけど引く気は一向になさそうだ。

「サラ嬢、悪いのだけど、これからルーク様と一緒にジョーンズ様に会う約束をしているんだ。それはカーギル先生も知っていることなんだよ。約束を反故にすることがルーク様にいいことだとは思えない。……そんなにルーク様と一緒にいたいならぼくは構わないよ。君も一緒に行くかい?」

 ぼくがそう言うと、まるでいい案だといわんばかりにルークもうんうんと頷いた。思わず殴りたくなる衝動に駆られたけど、拳をぎゅっと握って耐えた。
 だが、サラ嬢の反応はルークと違い戸惑いの方が大きかった。大体の予想はつく。宮廷魔導師のジョーンズ様に会うのが怖いのだろう。変な指輪をはめさせてるし。

「ルーク様、どうしても行かれますの?」
 うるうると瞳を潤わせて、ルークに行かないと言わせようとあざとい演出をしている。一瞬、それに息をのんだルークだったけど、クリスやぼくら3人の冷ややかな視線を見て約束は反故にできないと考えたらしい。

「ああ、約束したのは事実だから。いくよ。サラもよければ一緒に行くかい?」
「えっ? それはえーと、……私は今日は無理ですわ」

「そ。じゃあ職員室に行きましょうか? カーギル先生が待っています」
 ぼくが促すと、クリスもルークも席を立った。サラも諦めたように一緒に席を立ち、職員室へ向かうところで彼女とはわかれた。
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