ドラゴンアース anotherstory ‐死の魔女‐

悲しみの対峙

5.

「ミレア…？何故キミがここに？」

パラガスは驚愕した。

ミレアは宙に浮遊しながら、微笑む。

「決まっている…、このキーカンバーの力を見る為…」

ミレアが冷たく答えた。

パラガスが言葉を失う。

パラガスには、今ある現状を理解出来なかった。

しかし…。

「貴様がキーカンバーを操ってたのだな？ミレア…」

王城より、声がした。

パラガスとミレアは振り向いた。

「国王、無事でしたか？」

パラガスが安堵する。
ミレアは国王を見つめた。

「私がここに来た理由……、アールド王国破壊、死体の補給…」

ミレアは一人呟き、

「国王ルイの処刑」

右手をルイへとかざした。

ミレアの右手から電撃が国王へとほとばしる。

パラガスが慌てて、電撃魔法で、ミレアの電撃を相殺した。

電撃のぶつかりは、国王ルイの眼前で消滅した。

パラガスは国王の前まで走り、庇うように国王の前に出た。

「ミレア！何を考えている？」

気性の穏やかなパラガスが、怒鳴った。

ミレアはただ微笑みを浮かべていた。




アストの選択に、タンクは身震いをした。

ゾンビに生きながら食われるか…、

キーカンバーに踏み潰されるか…。

「どっちも嫌ダ」

タンクは正直に答えた。

アストは苦笑いをうかべた。

どちらにしろ、死の国ボーライに逝くのは決定的。

アストはミレアのもとへ逝くなら、構わないと思った。

しかし、ドワーフを道連れにするのは気が引けた。

「なら、走るぞ、ドワーフ！」

「何処へダ？」

「とりあえずパラガス様の所へ！」

自分は死んでもいい…。

アストはドワーフを生きさせる為、走り始めた。