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ミレアの謎
7.
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「アストーッ!!」
パラガスは振り向きながら、地面に激突したアストの名を叫んだ。
「一体、何が起きた!」
ロッツロットが叫ぶ。
倒れて動かないアストとシャムの所に、フレッシュゴーレムの腕が近付く。
だが、肉の巨像の腕は突然、活動を停止させた。
ミレアが空より降りて来た為に…。
「そうか、ミレアが邪魔をしたのか……」
パラガスは、ミレアとアストのいる場所へと馬を向かせ、そして馬を停止させた。
続いて、双頭の国王もパラガスへと近付いた。
見渡せば、広大な野原で生き残る者は数える程しかいなかった。
「死んだか……鍵よ」
ミレアがアストに近付き、横たわるアストに告げた。
アストの右手の指が動く。
「生きていたか…」
「……か、鍵って……な、んだよ……」
地面に顔をつけた状態で、アストが息切れ切れに口を開いた。
鎧は纏っているが、全身は強くうち、所々で出血している。多分、骨のいくつかも折れているだろう……。
「しつこいわね、まあ良い、教えてあげましょう……」
ミレアが微笑む。
「あの夜、私を抱いた貴方が鍵となり、私の封印は解かれた」
「ふ、封印…?」
アストは地面に寝そべったまま口を開き、倒れたシャムの方を向いた。
そして動かないシャムを目にし、シャムが死んだ事を理解した。
胸の奥が痛む。目に涙が浮かぶ。
兄弟のように、親友のように思っていた。
シャムの死は突然で、何もかも考えたくなかった。
アストにとってシャムの死は、身体の痛みよりも辛かった。
だが、今はミレアの謎を聞かねばならない。
辛さを噛み殺し、アストは質問した。
「ほ、本物の、あの夜の前のミレア、は、どうした……?」
「おかしな事を聞く、本物のミレアは私、あの夜までのミレアはこの身体の持ち主の人格よ」
「どういう事だ……」
アストはゆっくりミレアの方へと、顔を向けた。
「この身体は一千年前のもの、持ち主は自らを犠牲に私を封印し、そして化石のように岩と同化した」
ミレアは髪をかきあげ、さらに告白した。
「人の命は短命、封印をとくには、その者が死ぬか処女を失うか…、この身体の持ち主は誰にも邪魔されないように祈ったみたいだが、数年前の地震により、この身体の持ち主は復活した」
アストはミレアを睨んだ。
「女は千年の眠りのせいか、地震のせいか解らないが記憶を失っており、何故か私の名前だけを覚えていたようだ」
ミレアはそこまで告白すると最後に「不幸な娘だったわ」と締め括った。
「貴様、何者だ……」
アストは歯をくいしばり、ミレアに問いだした。
「……私?私はミレア、この身体を永遠の器とし、死と魂を操る…」
ミレアが薄笑いする。
「龍地球の子と呼ばれた命龍スピリットドラゴン、ミレア!」
その叫びと共に、ミレアの廻りに白い気体が浮き出てきた。
亡霊が幾つも、ミレアの廻りに召喚されたのだ。
「貴様ーっ!」
アストは頭を上げ立ち上がろうとした。
「この身体の持ち主は巫女だった。私は十龍を始末しようとしたのだが、巫女に邪魔された。しかし私は貴方のおかげで目覚めた。私は他の十龍を殺し、龍地球を支配する…」
「許せない、貴様だけは…」
アストは無理矢理、立ち上がろうとした。
身体が思うように動かない。
「ボクは、彼女をユニコーンに乗れなくしただけでなく、目の前の化け物を復活させてしまったのか!」
アストは涙を流しながら叫び、ふらつきながら身体を起こした。
「貴様を絶対に殺す、死んでも殺す…」
その時、ミレアのいる空間が歪んだ。
「魔術師パラガスか…」
ミレアは遠くで杖をかざすパラガスを見た。
パラガスの重力圧空間魔法が、ミレアへ放っていた。
先程、キーカンバーを倒した魔法だ。
アストが右脚を引きずりながら、右手を剣に左の義手からフックでなく、小剣(ダガー)小剣を付けて、ミレアに近付いてきた。
「絶対殺す、死んでも殺す…」
アストが狂ったように、ミレアを睨む。
「まるでグールね……」
パラガスの魔法で攻撃されているのに、ミレアは苦痛を感じるどころか、アストに対し、微笑んでいた。
ミレアの言ったグールとは簡単にいえば、ゾンビだ。
ゾンビと違いグールは魔術では甦らない。
グールは生前の恨みが肉体に残り、肉体が魔獣と変化した怪物だ。
他にも生前の恨みの強さにより、吸血鬼、悪霊そして最強の不死怪物とされる死神さらに首無し騎士がいる。
「いい加減にして、三流魔術師…」
ミレアが軽く右手を振ると、呆気なく魔法が消えた。
パラガスにとり、今の魔法は自身の最強の魔法だった。
勝ち目はなくなった。
パラガスは絶望を、死を覚悟した。
「鍵、貴方達の死は絶対よ、でも安心して、貴方達の勇気に評し、ゾンビや巨像の一部にしないわ…」
ミレアが微笑みながら、宣言した。
「貴様は殺す、ボクの愛したミレアの仇、シャムの仇、国民の仇、そして我が尊敬するルイ国王の仇、絶対にとる!」
「愛したミレア?馬?ルイ?」
ミレアがアストの顔を食い入るように、発言した。
「そんなに仇を討ちたいなら、仇の者に貴方を殺してあげるわ」
ミレアが叫ぶ。
そして何やら呪文を唱えた。
「貴方の尊敬するルイ国王の亡霊を今、召喚した、貴方を葬るのはこの亡霊よ」
「国王の亡霊?何をする気だ!」
アストは驚愕した。
「私が今から使う魔法は禁断の魔法よ、魂の霊力を最大限に高め、貴方に撃つ。キーカンバーもこの魔法で死に、私の奴隷となった。そして霊力で高まった魂が輪廻転生することは、永遠にない」
「貴様、国王は関係ないだろう!!」
ミレアの発言にアストが怒りをあらわにした。
ミレアの胸の辺りに、国王ルイの顔らしき白い気体が、苦しそうな表情で浮かんでいた。
「アストー、逃げろーっ!」
アストの身体が逃げられる状態ではないと知りつつ、パラガスはそう叫ぶしかなかった。
「寂しがることないわ、貴方を葬った後、パラガスとロッツロットを殺すから…」
そう答えるとミレアは呪文を唱え始めた。
「くそっ!」
アストは怒りに任せ、目の前のミレアに向かって剣を投げた。
怪我のせいで剣は、ミレアの一歩前の地面に突き刺さった。
「ボクは貴様を許さない、死んでも殺す!絶対に殺すっ!!」
「ほざけ、私の魔法は今、完成した、鍵よ貴方の死は確実となった」
ミレアは勝利を宣言した。
「クソッたれーーーーっ!!!」
アストは何も出来ない自分と、ミレアを呪いながら叫んだ。
「霊魂弾禁断魔法ッ!!!」
ミレアの無情のルイ・アールドの魂が今、アスト目掛けて放たれた。
霊魂弾はアストの顔面へと直撃し………、
一瞬にして首から上を失い……………
アストは即死した。
パラガスは振り向きながら、地面に激突したアストの名を叫んだ。
「一体、何が起きた!」
ロッツロットが叫ぶ。
倒れて動かないアストとシャムの所に、フレッシュゴーレムの腕が近付く。
だが、肉の巨像の腕は突然、活動を停止させた。
ミレアが空より降りて来た為に…。
「そうか、ミレアが邪魔をしたのか……」
パラガスは、ミレアとアストのいる場所へと馬を向かせ、そして馬を停止させた。
続いて、双頭の国王もパラガスへと近付いた。
見渡せば、広大な野原で生き残る者は数える程しかいなかった。
「死んだか……鍵よ」
ミレアがアストに近付き、横たわるアストに告げた。
アストの右手の指が動く。
「生きていたか…」
「……か、鍵って……な、んだよ……」
地面に顔をつけた状態で、アストが息切れ切れに口を開いた。
鎧は纏っているが、全身は強くうち、所々で出血している。多分、骨のいくつかも折れているだろう……。
「しつこいわね、まあ良い、教えてあげましょう……」
ミレアが微笑む。
「あの夜、私を抱いた貴方が鍵となり、私の封印は解かれた」
「ふ、封印…?」
アストは地面に寝そべったまま口を開き、倒れたシャムの方を向いた。
そして動かないシャムを目にし、シャムが死んだ事を理解した。
胸の奥が痛む。目に涙が浮かぶ。
兄弟のように、親友のように思っていた。
シャムの死は突然で、何もかも考えたくなかった。
アストにとってシャムの死は、身体の痛みよりも辛かった。
だが、今はミレアの謎を聞かねばならない。
辛さを噛み殺し、アストは質問した。
「ほ、本物の、あの夜の前のミレア、は、どうした……?」
「おかしな事を聞く、本物のミレアは私、あの夜までのミレアはこの身体の持ち主の人格よ」
「どういう事だ……」
アストはゆっくりミレアの方へと、顔を向けた。
「この身体は一千年前のもの、持ち主は自らを犠牲に私を封印し、そして化石のように岩と同化した」
ミレアは髪をかきあげ、さらに告白した。
「人の命は短命、封印をとくには、その者が死ぬか処女を失うか…、この身体の持ち主は誰にも邪魔されないように祈ったみたいだが、数年前の地震により、この身体の持ち主は復活した」
アストはミレアを睨んだ。
「女は千年の眠りのせいか、地震のせいか解らないが記憶を失っており、何故か私の名前だけを覚えていたようだ」
ミレアはそこまで告白すると最後に「不幸な娘だったわ」と締め括った。
「貴様、何者だ……」
アストは歯をくいしばり、ミレアに問いだした。
「……私?私はミレア、この身体を永遠の器とし、死と魂を操る…」
ミレアが薄笑いする。
「龍地球の子と呼ばれた命龍スピリットドラゴン、ミレア!」
その叫びと共に、ミレアの廻りに白い気体が浮き出てきた。
亡霊が幾つも、ミレアの廻りに召喚されたのだ。
「貴様ーっ!」
アストは頭を上げ立ち上がろうとした。
「この身体の持ち主は巫女だった。私は十龍を始末しようとしたのだが、巫女に邪魔された。しかし私は貴方のおかげで目覚めた。私は他の十龍を殺し、龍地球を支配する…」
「許せない、貴様だけは…」
アストは無理矢理、立ち上がろうとした。
身体が思うように動かない。
「ボクは、彼女をユニコーンに乗れなくしただけでなく、目の前の化け物を復活させてしまったのか!」
アストは涙を流しながら叫び、ふらつきながら身体を起こした。
「貴様を絶対に殺す、死んでも殺す…」
その時、ミレアのいる空間が歪んだ。
「魔術師パラガスか…」
ミレアは遠くで杖をかざすパラガスを見た。
パラガスの重力圧空間魔法が、ミレアへ放っていた。
先程、キーカンバーを倒した魔法だ。
アストが右脚を引きずりながら、右手を剣に左の義手からフックでなく、小剣(ダガー)小剣を付けて、ミレアに近付いてきた。
「絶対殺す、死んでも殺す…」
アストが狂ったように、ミレアを睨む。
「まるでグールね……」
パラガスの魔法で攻撃されているのに、ミレアは苦痛を感じるどころか、アストに対し、微笑んでいた。
ミレアの言ったグールとは簡単にいえば、ゾンビだ。
ゾンビと違いグールは魔術では甦らない。
グールは生前の恨みが肉体に残り、肉体が魔獣と変化した怪物だ。
他にも生前の恨みの強さにより、吸血鬼、悪霊そして最強の不死怪物とされる死神さらに首無し騎士がいる。
「いい加減にして、三流魔術師…」
ミレアが軽く右手を振ると、呆気なく魔法が消えた。
パラガスにとり、今の魔法は自身の最強の魔法だった。
勝ち目はなくなった。
パラガスは絶望を、死を覚悟した。
「鍵、貴方達の死は絶対よ、でも安心して、貴方達の勇気に評し、ゾンビや巨像の一部にしないわ…」
ミレアが微笑みながら、宣言した。
「貴様は殺す、ボクの愛したミレアの仇、シャムの仇、国民の仇、そして我が尊敬するルイ国王の仇、絶対にとる!」
「愛したミレア?馬?ルイ?」
ミレアがアストの顔を食い入るように、発言した。
「そんなに仇を討ちたいなら、仇の者に貴方を殺してあげるわ」
ミレアが叫ぶ。
そして何やら呪文を唱えた。
「貴方の尊敬するルイ国王の亡霊を今、召喚した、貴方を葬るのはこの亡霊よ」
「国王の亡霊?何をする気だ!」
アストは驚愕した。
「私が今から使う魔法は禁断の魔法よ、魂の霊力を最大限に高め、貴方に撃つ。キーカンバーもこの魔法で死に、私の奴隷となった。そして霊力で高まった魂が輪廻転生することは、永遠にない」
「貴様、国王は関係ないだろう!!」
ミレアの発言にアストが怒りをあらわにした。
ミレアの胸の辺りに、国王ルイの顔らしき白い気体が、苦しそうな表情で浮かんでいた。
「アストー、逃げろーっ!」
アストの身体が逃げられる状態ではないと知りつつ、パラガスはそう叫ぶしかなかった。
「寂しがることないわ、貴方を葬った後、パラガスとロッツロットを殺すから…」
そう答えるとミレアは呪文を唱え始めた。
「くそっ!」
アストは怒りに任せ、目の前のミレアに向かって剣を投げた。
怪我のせいで剣は、ミレアの一歩前の地面に突き刺さった。
「ボクは貴様を許さない、死んでも殺す!絶対に殺すっ!!」
「ほざけ、私の魔法は今、完成した、鍵よ貴方の死は確実となった」
ミレアは勝利を宣言した。
「クソッたれーーーーっ!!!」
アストは何も出来ない自分と、ミレアを呪いながら叫んだ。
「霊魂弾禁断魔法ッ!!!」
ミレアの無情のルイ・アールドの魂が今、アスト目掛けて放たれた。
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