13 / 41
かくれんぼ
13話
しおりを挟む
大原先生が帰ると、午後の五時半だった。
僕はおじいちゃんの部屋へと向かった。
「おじいちゃん?」
和室には、いつの間にか家に来た幸助おじさんとおじいちゃんが将棋を打っていた。一階から亜由美が階段を上ってきた。多分、4年の担当の先生に送ってもらったんだと思う。
澄ました顔をして、自分の部屋へと入る亜由美はいつものように僕の顔も見なかった。
まるで、周りの風景は自分とはなんの関係もなく、見たい時だけ見て、触りたい時に触ればいいと思っているのではないだろうか。
「あー!! やられた!」
幸助おじさんの叫びが聞こえた。僕はおじいちゃんに聞こうとしたことを、幸助おじさんに聞くことにした。
「幸助おじさん。例え話だけれど、大人が建物の三階から地面に飛び降りることはできるかな?」
溝が深い顔がこちらに向いた。
「可能でしょう。素人でも受け身くらいはとれば大丈夫」
「固い地面でも?」
「固いとダメ。固いコンクリートでなければ、三階の高さなら着地だけしっかりしていればね。でも、実は三階などの高さから飛び降りることは、非常に危険なんだ。丁度、転落した場合だが、頭部が真下に向きやすい」
「うん。解ったよ。ありがとう」
幸助おじさんは歯を見せてニッと笑うと、目線を将棋に向けた。
僕は三階にある放送室の窓から、犯人は飛び降りたと考えている。三階の高さだけれど、大人なら可能だと幸助おじさんが言った。子供だと多分無理。放送室の窓の下には柔らかい土の花壇があるけれど。
そして、その大人は全校生徒と先生たちではない。全校生徒と先生は亜由美を除いて全員体育館にいたんだ。つまり、学校側では有り得そうな人だと、用務員のおじさんの場合と、学校へ侵入した人の可能性がある。いずれにしても、窓から飛び降りると最短の時間で放送室から姿を消すことができるし、勿論階段を使ってもいいのだけれど、それだと先生たちに鉢合わせする場合がある。
あれ? 階段は学校の西側と東側にあって、当然、先生たちは体育館よりの西の階段を使ったのだろうから、犯人が東の階段から降りる場合もあるか。いずれにしても、それだと用務員のおじさんはあり得る。用務員室は学校の体育館側の反対にあって、それに、放送室の窓の下の花壇は用務員のおじさんと少数の生徒が世話をしている。
後は学校へと侵入した大人の可能性がある。
明日学校へ行ったら花壇を確認してみよう。
足跡があれば学校へと侵入した人の可能性があるし、用務員のおじさんなら足跡を残すことはしないはず。
犯人は大人で放送室でチャイムを鳴らし、人形の手を置いた。人形の手を置いた意味は何かの警告か、それとも、これから何か起きるという意味。あ、同じかな?でも、最悪の場合はその警告は僕に向けているかも知れないということだ。
ここまできて、僕は恐怖はしない。
僕はおじいちゃんの部屋へと向かった。
「おじいちゃん?」
和室には、いつの間にか家に来た幸助おじさんとおじいちゃんが将棋を打っていた。一階から亜由美が階段を上ってきた。多分、4年の担当の先生に送ってもらったんだと思う。
澄ました顔をして、自分の部屋へと入る亜由美はいつものように僕の顔も見なかった。
まるで、周りの風景は自分とはなんの関係もなく、見たい時だけ見て、触りたい時に触ればいいと思っているのではないだろうか。
「あー!! やられた!」
幸助おじさんの叫びが聞こえた。僕はおじいちゃんに聞こうとしたことを、幸助おじさんに聞くことにした。
「幸助おじさん。例え話だけれど、大人が建物の三階から地面に飛び降りることはできるかな?」
溝が深い顔がこちらに向いた。
「可能でしょう。素人でも受け身くらいはとれば大丈夫」
「固い地面でも?」
「固いとダメ。固いコンクリートでなければ、三階の高さなら着地だけしっかりしていればね。でも、実は三階などの高さから飛び降りることは、非常に危険なんだ。丁度、転落した場合だが、頭部が真下に向きやすい」
「うん。解ったよ。ありがとう」
幸助おじさんは歯を見せてニッと笑うと、目線を将棋に向けた。
僕は三階にある放送室の窓から、犯人は飛び降りたと考えている。三階の高さだけれど、大人なら可能だと幸助おじさんが言った。子供だと多分無理。放送室の窓の下には柔らかい土の花壇があるけれど。
そして、その大人は全校生徒と先生たちではない。全校生徒と先生は亜由美を除いて全員体育館にいたんだ。つまり、学校側では有り得そうな人だと、用務員のおじさんの場合と、学校へ侵入した人の可能性がある。いずれにしても、窓から飛び降りると最短の時間で放送室から姿を消すことができるし、勿論階段を使ってもいいのだけれど、それだと先生たちに鉢合わせする場合がある。
あれ? 階段は学校の西側と東側にあって、当然、先生たちは体育館よりの西の階段を使ったのだろうから、犯人が東の階段から降りる場合もあるか。いずれにしても、それだと用務員のおじさんはあり得る。用務員室は学校の体育館側の反対にあって、それに、放送室の窓の下の花壇は用務員のおじさんと少数の生徒が世話をしている。
後は学校へと侵入した大人の可能性がある。
明日学校へ行ったら花壇を確認してみよう。
足跡があれば学校へと侵入した人の可能性があるし、用務員のおじさんなら足跡を残すことはしないはず。
犯人は大人で放送室でチャイムを鳴らし、人形の手を置いた。人形の手を置いた意味は何かの警告か、それとも、これから何か起きるという意味。あ、同じかな?でも、最悪の場合はその警告は僕に向けているかも知れないということだ。
ここまできて、僕は恐怖はしない。
0
あなたにおすすめの小説
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
月の綺麗な夜に終わりゆく君と
石原唯人
恋愛
ある日、十七才の春に僕は病院で色のない少女と出会う。
それは、この場所で出会わなければ一生関わる事のなかった色のない彼女とモノクロな僕の
秘密の交流。
彼女との交流によって諦観でモノクロだった僕の世界は少しずつ色づき始める。
十七歳、大人でも子どもでもないトクベツな時間。
日常の無い二人は限られて時間の中で諦めていた当たり前の青春へと手を伸ばす。
不器用な僕らの織り成す物語。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる