レンタル従魔始めました!

よっしぃ

文字の大きさ
上 下
145 / 200
ロキュス・目覚める

第145話 ロキュス死す?

しおりを挟む
 ロキュスさんの頭が、反対向きになっている!

 自身にも危険があるのだがそんな事はもう眼中になく、レネーはロキュスに駆け寄った。

 ほんの少し私より前にロキュスさんは居ただけなのに、何故?

 レネーはロキュスを抱き起した。
 頭はあり得ない方向のままだらんとしていた。
《ロキュスさんが死んじゃう!》
 レネーはロキュスを助けようとその場に寝かせ、首を元の位置に無理やり戻した。

 もしこの場に人が居れば止めただろう。
《もう手遅れだ》と。
 まだ現実を受け入れられないレネー。
 周囲に人が居れば誰もがそう思った事だろう。

 だがレネーには何か確信があった。
 ロキュスさんはまだ何とかなる!

 レネーはここにきて周囲を見渡した。

 まず目についたのはフェンリル。
 相変わらず苦しそうにしており、尾が目の前付近を時折向かってくるが、ここには辛うじて届かない。

 次に見たのは天馬。
 天馬は動かない。
 他には何もない。
 そしてフェンリルを見た。
 相変わらず苦しそうにしており、尾が動いている。
 もう一度天馬を見た。
 天馬は動かない・・・・
 ここにきてレネーは天馬の様子に違和感を覚えた。

 天馬が全く動かないのだ。そう、息さえもしていないかのような。

 レネーはもう一度足元に横たわるロキュスを見た。
 ロキュスは身じろぎひとつしていない。
 大木に打ち付けた身体はあちこち血で汚れていて、先ほどまで血が出ていたが・・・今は不自然なほどに出ていない。

 人は死んでも直ぐには血が止まらない。
 心臓が止まっても暫く出続けるのだ。
 それが無い。
 そしてレネーが感じたロキュスの変化。
【す、スラちゃん聞こえる?今あなたが何かしてくれているのよね?】

 スラちゃんの眷属のうち、スラちゃんの分身スライムの内1体がレネーに入り込んでいる。
 そのスライムを通じて意思疎通が図れないのか試みたのだ。
 今までもこちらの言葉を理解し、行動してくれていたスライム達。
 ただ向こうは「言葉を発せず(と思っている)、眷属の声が聞こえなかった。
 ロキュスは従魔達と何らかの意思をお互い伝えられている。

【・・・・今ご主人様を回復させている。】
 スラちゃんから返事が来るとは思っていなかっただけにレネーは正直な所驚いた。
「どうやって?」
【私は進化し、特化した眷属達を一時的に取り込み、その能力を使用できるようになった。今はご主人様と他の従魔・眷属の時間を止めている。そしてその間にまず肉体の回復を図っている。ご主人様の番よ、よく首を元に戻してくれた。感謝する。】
「え、えっとどういたしまして?それとその、番って・・・・まだ夫婦じゃないのよ?」
【いずれ番となるのであれば一緒の事。うむ。外的損傷は回復済み。次は魔力だ。これが終わればいよいよ蘇生となるのだが・・・・これには少し時間がかかる。ご主人様は明日復活するだろう。それまで我とご主人様を見守っていてくれ。】
「え?ちょっと?こんな所に1人で居ないといけないの?」
【他の従魔の時間を元に戻そう・・・・アスワムよ、頼む。】
 この時既にスラちゃんはロキュスの体内から出ており、そのまま地面へと潜っていった。
【スラ、任せるのだ。】
 レネーの前にはアスワムが居た。そしてレネーとロキュスを守るかのように天ちゃんが傍に来た。




しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界で新生活〜スローライフ?は精霊と本当は優しいエルフと共に〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,398pt お気に入り:1,124

異世界転生令嬢、出奔する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:15,612pt お気に入り:13,929

各位、これより異世界転生が始まります

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:299pt お気に入り:0

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:32,099pt お気に入り:29,997

二人の転生伯爵令嬢の比較

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:156pt お気に入り:956

オレはスキル【殺虫スプレー】で虫系モンスターを相手に無双する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,763pt お気に入り:642

処理中です...