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外伝 リュークとエリザヴェータ

何の違いがある

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「しかしだ、このままリュークを行かすのはナンセンスだと思わないか?」
「皇太子さま、それはどう言う事でしょうか?」
「どうにもこうにもロゼ、リュークを切りつけた事への謝罪はしたのか?してねえよな、俺もいたからわかるがあれは大雑把すぎる上に誠意が感じられん。つまり独りよがりの謝罪だ。あれで誠意を感じるのは無理ってなもんだ。」
 確か土下座していたよね?あれで駄目なの?
 ロゼさんは、皇太子さまと一緒に?部屋へ入って来たようです。
「ではどうしろと?」
「もう気にしていませんから。」
 もう済んだ事だし、こうして姫さまと再び会えたし、良いのにね?
「この際だから言っておく!俺様はいずれ皇帝になる!尤も親父がくたばってからの話だから、親父が長生きすればその時俺はいい年したおっさんだ!いかん、これは本題じゃないな。何が言いたいかと言えばだな、ロゼ、お前リュークを平民だからと躊躇せず切っただろう?」
「その、申し訳ありません・・・・しかし彼は平民「それだ!」です・・・・え?」
「いいかお前達、俺とエリザヴェータは皇族、ロゼも出自は侯爵だったな。そしてリュークは平民だ。確かに身分の差はある。だがな、俺とリュークに何の違いがある?」
「それは当然身分が・・・・」
「違うだろ!俺とリュークは同じ人間だ!言っておくが俺は種族で区別はするが差別はしちゃいない。この場合言いたい事はだなあ、俺とリュークは生ある者として、命があるんだ。そこに貴賤の差はない。尤も何かあった時には身分のある者や、富裕層は権力及び金に物を言わせ生き延びる確率は上がる・・・・あ――――――――うまく言えねえが貴族も平民と同じたった一つの命なんだ!それを平民だからと言って簡単に切り伏せる?俺が皇帝になれば・・・・身分制度そのものは意味があるから解体しないが、そういった意識を徹底的に改めさせる。そして平民にも要職への門戸を大々的に解放させるつもりだ。」
「そ、それは・・・・」
「この国は変わらなくっちゃいけねえ。このままではいずれ沈む。貴族の血は濃くなりすぎ、衰退の一途を辿っている。だが平民は違う!益々活力に溢れ、俺も市井で・・・・おっとこれは内緒だ・・・・ははは・・・・何が言いたいかと言えば、セセアリアス帝国は変わらなくっちゃいけねえ!それには平民の力が必要だ。ロゼ、お前が中心になって変わってみせろ!さすれば赦してやろう。」

 何だか僕のせいで話が大きくなっちゃっている?
 平民を・・・・僕は孤児だから平民以下なんだけど、平民を巻き込んじゃったよ。
 これはどうしたら?
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