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外伝 女神のチョンボで大変な事に 口田 士門

繁在家 世津

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 落ち着こう。

 2人の反応にドキドキしたけれど。
 いやあ、みつえって背が高いから、自分より背の低い男なんて相手にされないと思っていたので、一寸嬉しかった。

 更にさわ。
 いやー年が近いから、あのセクシーさには昇天してしまいそう。

 あ、1人だけ行かないのはあり得ないよな?最後の部屋、せつの部屋に。
 ノックをすると、

「はい、誰でしょうか?」
「あ、口田だよ?ちょっといいかい?」
「あ、はい、どうされましたか?何もないですが、宜しければお入り下さい。」
 相変わらず丁寧な対応だ。
 いつもこんな感じみたいだから今更か。
 あ、みつえには違うか。
 もう少し砕けてくれてもいいんだけどなあ。

「悪いね、寛いでるとこ邪魔して。」
「いいえ、むしろ歓迎ですよ?あ、それでどのような用件でしょうか?」

 あ、そうそう、あまり気にしていなかったけれど、みつえはスウェットみたいなパジャマを着ていて、セクシーさは無かったんだけれど、今目の前にいるせつは、いかにもお嬢様と言った感じの、ゆったりした寝間着姿だった。

「あの、その・・・・恥ずかしいのであまりジロジロ見ないで下さい・・・・」

 はっ!いかん、注意しないと。

「そういえばせつは2人に自分が勇者だと伝えているのか?」
「・・・・いえ・・・・誰にも伝えていないんです。もし知られたら、今の事態が私の所為と知られてしまうのが怖くて・・・・」

 ・・・・難しい問題だな。
 しかし、今後せつはどうなるんだろう?あのくそ女神がわざわざ召喚したんだ。
 必ず何かやらされるだろう・・・・

「このまま知られずに済ますか、どこかで打ち明けるか、難しいな。」
「はい・・・・」
「ああ、そうだ、せつ、君には話しておこうと思うんだが、自分のステータスやスキルは確認できるのかい?」

「えっと・・・・ステータス?スキル?いえ、知りません・・・・」

 あのくそ女神、自分で召喚した勇者に何も言っていないのか?

「そうなのか?いや、せつはこれから色々大変な事になるだろうから、この世界の仕組みとか、知っておいたほうがいいんじゃないかと思ってね。」

「・・・・そうですね。あの・・・・もしですけど、しもんさんは、私がその・・・・勇者としての行動をしないといけなくなった場合、一緒に居てもらえないでしょうか?」

 ・・・・これはどういう意味だ?
 もしかしてせつは俺の事・・・・いやいや、単純に勇者として活動するからお供をしてほしい、って事だよな?

「俺でよければ、最後まで付き合うよ?」
「ほ、本当ですか!良かった・・・・嬉しい・・・・」

 あ・・・・よく見るとせつの顔、泣きそうじゃないか。
 なんだかんだ言って不安なんだろう。

 俺は思わず後先考えず、抱きしめてしまった。

「大丈夫だ。俺はせつから離れたりしないよ。せつから離れない限りは。それにきっとみつえもそうだろう。さわもついてきてくれると思うぞ。」

 せつも抱き返してくれるけれど、
「しもんさん?みつえって・・・・いつの間に?それにさわ?前重先生ですか?」

 ジト目で見てくるせつ。
 そんな目で見ないでくれよ。
 豆腐メンタルな俺の心は挫けそうだ。

「あ、ああ、その事か。俺がせつを名前で呼んでいるので、自分も名前で呼んでほしいって言われてな。今後の事を考えると、3人とはもっと親密に付き合いたいからさ、名前で呼ぶ事にしたんだよ。」

「親密・・・・?・・・・・・・キャー!」

 突然突き飛ばされる俺。
 せつの顔は真っ赤だ。

 それにしてもいい匂いさせているよなあ、くらくらする。
 前の2人もそれぞれいい匂いだったけれど、どうして女性はいい匂いがするんだ?
 あ、そうだ・・・・一応ステータス見させてもらおうか?


 <名前:繁在家 世津>
 <種族     :人間>
 <年齢        :18>
 <性別:女の子>
 < LV        :9>
 <職業:学生:冒険者>
 <力           :E>
 <体力       :E>
 <知力       :A>
 <精神力   :D>
 <俊敏       :D>
 <魅力       :A>
 <運           :F>
 <保有スキル>

 清掃・料理・裁縫・刺繍・音楽・装飾・社交・美術・歌唱・護身術

 <譲渡スキル>

 <称号・賞罰:勇者・冒険者・オークスレイヤー>

 <所属>

 パーティ”吹奏楽と口田”ランク F
 クラン”御国台”    ランク F

 おお!流石・・・・知力と魅力がAだ。

 だが、運がないな・・・・ああ、くそ女神のストーカーか。
 確かに運がない・・・・

 俺はせつに、せつの情報を教えた。

「ステータスってどうなっているのでしょうね?」
「どういう事?」
「私は力がないですけれど、たぶん強いのですよね?このデータを見る限り、そんな強そうには感じないのですけれど。」

 ・・・・うん、俺もそう思った。

 レベルが関係しているのだろうか?
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