【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

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世界征服編

ラッシュラッシュラッシュ

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 激動の朝を迎えた俺は、教室に入るだけでかなりの緊張感を覚えたのは一体いつぶりだ?

 昔の宰相に税金がどうだと詰められた時以来だ。

 受け取らないと誰もどいてくれない。

 彼らもある種仕事だ。
 受け取らないとどうなるかわかったものではない。

 それは分かる。

 だが、受け取ってしまったが最後ではないか?

 俺は一体何をすればいいんだと。

 全員の思惑が全くわからない。

 悩んでも悩んでも分からん。

 錬金術師としての力なんぞ見せてるわけでもないし、権力を振りかざしてる訳でもない。

 なんでだろう?
 ていうか、バレンタインでこれなら、返すやつの事⋯⋯なんだっけ?

 なんとかデーだったような。

 開けて、中に入ると⋯⋯異質な空気感だ。

 なんで俺がこんな思いをしなくちゃならんのだ?

 普段であれば一刀両断案件なのに、好意でこうなってるからどうしようもねぇ。

 困惑が勝つ。

 「い、伊崎くん!」

 「お、神村おはよう」

 「これ⋯⋯!作ったから⋯⋯!」

 証書貰うみたいに渡されたのは、美味そうなチョコである。

 「マジ?美味そう」

 「が、頑張った!」

 ガッツポーズ可愛いのう。

 「今食べたいけど、流石にあれだから家で食うわ」
 
 だって──俺の感知がいつになく怒りの感情がそこら中から湧いてるから。

 どうしようもねぇだろう?

 こんなところで食べたら殺意の波動でも出てきそうなくらいだ。

 「うん!あとでお昼のお弁当持っていく!」

 「いつも悪いな」

 「全然っ⋯⋯!」

 手をあげて礼を言い、俺は席につく。

 神村、あれから寧ろすげぇアピールしてくれるな。

 毎日お弁当を作ってくれては、甲斐甲斐しく色々お世話してくれるのだ。

 吹っ切れたとはいえ、凄いな。
 

 ーー今度いつ行こうか? 
 紗季の行きたい所行こ!
 

 「ふっ」

 若いな、俺も。

 





 「あぁぁあああ⋯⋯」

 「ざっきーどうした?」

 「そうだよ伊崎くん」

 お昼。
 俺は神村の弁当を食いながら机に顔を埋める。

 「えぇ? 連絡が止まないんだよ」

 「何だ連絡って」

 「白波、諸星、松前、あと誰だっけ?
 いっぱいだ、いっぱい」

 マジでヤバイ。
 本気で移住を考えようかな?

 "伊崎くん今日は空いてるかね?"

 "いつもの料亭で待ってるぞ!"

 "娘が会いたいと言っててね"

 「はぁぁぁ」

 「くそ、モテるのも辛いってか?
 俺には神村さんしか優しくしてくれねぇってのに」

 「い、いえっ!」

 「あぁ? 
 俺だってなんでこんなにモテるのか理解できん」

 「伊崎くんは人のことをよく見てるからだと思います」
 
 「えぇ? 
 思ったことを言ってるだけだけどなぁ」

 「それって、伊崎くんが人を見た上で思ったことを言ってくれてるわけですよね?

 悪口じゃないのなら、ただ褒めてるってことになりませんか?」

 ⋯⋯確かに。
 あれ?俺意外と良いやつ?

 「確かにざっきー、俺のところの後輩にもお前はしっかりレシーブ出来てるんだから、仲間を信じて役割を全うしろって真顔で言ってたな」

 「伊崎くんそういうことも真顔で言えるんですね!」

 「⋯⋯途端に恥ずかしくなってきたんだけど」

 机に向けてるスマホが通知の嵐をアピールしている。

 くそ、どうしたらいいんだ?

 海外逃亡も夢じゃない。
 手頃なタイミングで消えるしかない。
 
 「逃げようかな」

 「おっ、逃げるなら俺達も連れていけよ!
 海外でビッグになったら日本にも文句言いたい放題じゃね?」

 「私は遠くから応援してます!」

 「⋯⋯お前ら優しいな。幸ありますように」

 それからというもの。
 授業は終わって、放課後。

 俺は白波会長と今後の予定について会議。

 「サバとウナギ、加えてウナチップスの売りあげが上々だ。

 だが安定期に入ってる。木村」
 
 書類の束が俺の前にやってくる。

 「今後のシナリオに希望はあるか?
 それとも、伊崎くん得意の取っ拍子もないことをやるつもりなら、あの猛獣爺のところではなくて私のところでやりなさい。

 ⋯⋯頼む」

 「今ぼそっと頼むって言いましたよね?」

 「会長は伊崎さんが他に行ってしまわないか心配で心配で夜も不安な顔をしていますからね」

 「き、木村!」

 木村さんがニヤニヤしながら書類要項をまとめて俺に渡してくれる。

 「へぇー⋯⋯」

 「な、何だその顔は!」

 可愛い所あるじゃん、会長。

 「じゃあ、何か面白いことでもやりますか?」

 「なに!! 何があるんだ!?」

 少年みたいに目を輝かせてやがる。

 





 「伊崎くん!来たか!」

 今度は諸星会長とのサシでの会話。

 「どうも。お疲れ様です」

 グラスを合わせ、料亭で少し早めのご飯。

 「どうだ?学業の方は」

 「ボチボチですかね?」

 「寝ているらしいが?」

 ありゃ、バレてるらしい。

 「持て余してるんですよ、色々」
 
 「高校卒業したらどうするんだ?
 まさか大学に行くのか?」

 「予定はないですね。
 ただ、今のバッテリー関連で代表から猛アピールを食らってる真っ最中でして」

 「なに?」

 あ、なんかスイッチ入ったっぽい。

 「いかん! 
 祖国を盛り上げる為には、まずはこの日本を一番にしてから行かなくては!」
 
 「分かってますよ。
 なので、今後どうしていくかがカギになってます」

 前傾姿勢だった諸星会長がやっとそこまで言うと落ち着く。

 もたれて溜息をついている。

 「俺が渡した素材でどうです?
 結構色々やれてるはずですが」

 「ふん、全力で準備中だ。

 実現までもう直ぐのところだ。
 発注も既に受けてる」

 「早いですね。
 売上はどの程度見込みが?」

 「今の所既に最高記録が出ると言えばいいか。

 やはり、とてつもないモノを手に入れたと実感しているよ」

 まぁ、この世界には今のところ実現出来ていない素材になるわけだから、半端ないだろうな。

 俺からすれば、1秒で創れる代物だから問題はない。

 「伊崎くん、これはわりかし真剣な話にはなるのだがな」

 「はい?」

 「どうだ?うちの孫娘と」

 「それは結婚という意味ですか?」

 「ストレートに言うとそうだ。
 知らないからどうとではない。
 
 私からすれば、どのような関係だとしても、血縁に勝る繋がりはないのだ」

 「言ってる事はわかりますが、んー」

 俺としては、一度結婚なんぞしてしまえばどんなに良いと言われてたところで女遊び出来なくなるよなぁ。

 「私からすれば孫も娘も伊崎くん⋯⋯君と繋がれるなら道具として見ても構わないと思ってる。

 これは信念だ。
 これまでの私の生き方と同じだ」

 その眼光は今までの時とは違い、真っ直ぐ見据えて真剣そのものだ。

 「それは随分と言いますね」

 「あぁ。
 私がこの容姿を手にしたのも、日本を盛り返すと誓ったあの日も、君が始めた物語ではないかね?」

 「⋯⋯仰る通り」

 「しかし考えてもみてくれ。
 現状、君と私には明確な繋がりはない。

 これは君がいつでも切れるようにしてしまえば構わないというモノにしか感じない。

 本来はそうなのかもしれないが、私としてはここまで付き合ってくれた君とは血でどうにか繋ぎ止めたい⋯⋯そう思うのは自然だろ?」

 「ですね」

 頷きながら、肉を頬張り、俺は諸星会長の目を見て答える。

 「杏華、私の孫娘だ。
 変わった子でね、実は特殊な力を持っている」

 特殊な力?

 「というのは?」

 「一応色々見えるらしい。
 私ですら全貌が分からないのだが、ただ、相手はかなり日本の裏から支えているところでな。

 私も挨拶に年に一度向かうのだが、あそこは長居したくはない場所だ。

 ただ、私からすれば伊崎くん、君の方がよほど怖い。

 悪魔と取引したのだから、私としては恐れはない。

 しかし最期までどうにか繋ぎ止めたい私のワガママだ」

 本当、正直な爺さんだな。
 顔にはやりたいことがまだまだあって、だが俺がいないと不安でしょうがない。

 貴族と喋っているときを思い出すよ。

 「孫娘さんは見えるから、それを取引に?」

 「簡潔に言えばそうなる。
 だが、私としては明確に血縁が欲しいのだ。
 君という悪魔と私は契約しているのだという証がな」

 「恋い焦がれる女みたいなことを言いますね」

 「ふんっ!
 もっと焦がれてるさ」

 「堂々と言うその姿勢、俺は好きですよ」

 水が美味い。
 やっぱ外食の水ってなんでこんな美味いんだろうね。

 理由があるのか?
 それとも、冷えてるだけだからなのか?

 「⋯⋯私はね伊崎くん、愛人だって何人いたっていいと思ってる。

 そろそろ私以外にも君という存在に気づき始めて猛アプローチに入ってる頃合いだろう」

 「今日、それでですか」

 「ん?もうあったのか!
 アイツら抜け目がないな!ガッハハ!」

 「外車だの船だの飛行機だの、大量のプレゼントを貰いましたよ」

 「良かったではないか。そのまま娘も貰え。
 恐らく本人が望んでるパターンだろう?」

 「俺は結婚するなら一人がいいです」

 そう言うと諸星会長が目をぱちくりさせて初めて見る表情を見せている。

 「どうしました?」

 「意外だな。
 君のようなタイプは両手に大量の華タイプだと思っていたが?」

 「俺は──」

 
 『ねぇ、そーくん!いつ結婚する?』

 眩しい笑顔。

 『全部終わったらかなぁ、俺だって紗季と結婚したいさ。

 だけど、何かあった時、紗季に背負わせるわけにはいかない。

 全部終わったら──静かに田舎で過ごそう』


 何でこんなこと今思い出してるんだ。
 ⋯⋯馬鹿か俺は。

 「両手に華タイプですかね?」

 「何だタイムラグあったが?」

 「常識的に考えて一人だと思ってたんで」

 そう言うと腹を抱えて笑っている。

 「何を言ってる! 
 どうにでもなるに決まっているだろう!

 世にどれだけ愛人やら第何代夫人まであると思ってるんだ」

 「そう言われればそうですかね。
 でも、俺みたいなのが幸せなんて掴んでいいのか⋯⋯怪しいですけど」

 「ん?なんだ?
 珍しく自信が無さそうだな」


 ーーねぇ!住むところ見つけたよ!


 「自信なんてないですよ。
 救えなかったんですから」

 「ん?なんの事だ?
 君に救えないことなんてあるのか?」


 ーーほら!写真撮ろ!


 「⋯⋯遠い昔のことですよ」

 「自信なんて100%持ってる人間なんぞおらん。

 まぁ私の気持ちは伝えたからな?
 期間はそう長くないと思うが検討してくれ」

 「了解です。どうしましょうね」

 「ははは。
 将来を約束されているに相応しい男のセリフだな」

 「普通ってなんでしょうね?」

 「普通なんぞそこら中の人間に預けてくるといい。

 私達はそこらの人間ではないんだからな」

 
 ーー平凡にそーくんと過ごせたらそれで満足!


 「ですね。
 切り替えないと」

 「別に急いでる訳ではない。
 ただ、こうして予約できるところでやっておかないと、後で私が後悔する羽目になるからな、先に言っとるだけだ!」

 「分かってますよ。

 近況報告はわかりました。
 と、時間が遅いので、追って再度別の案件についてテキストで送ります」

 「鈴ちゃんと大地くんだったか?」

 「えぇ。待ってますから」

 「人気者だな」

 「俺、天才ですから」

 さて、あのガキ共とまたゲームでもするかね。



ーーー
今日のあとがき!

これ楽しくなってきてる作者がいます(笑)

そういえば春高バレーに疑問を持ってる人がチラホラいたんですけど、過去の回想に出してるのでそれでお分かりになると思いますん!

あと、今日の夢は引っ越しする夢を見ました。
少女のやつ調べましたよ。

ただ、暗闇とかの情報がないのでむずいですねぇ。
受話器だけがポツンって置いてあって、それに少女さんは声だけご出演だし(笑)

恐ろしあですわ。

ただ、公衆電話ではなかったので思ったのと違くてホッとしてます。

8月半ばから全く人生で夢なんて見ないのに異常に見ているのでどうなんですかね?

既に10回以上は見てるんですよねー。
しかも全部詳細過ぎますし。

なんかお告げかなんかですかね?(笑)

お告げくれてる人、直接来てくださることを願っています(笑)

お待ちしております!



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