【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

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世界征服編

メディアとか言う敵

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 「伊崎さん」

 「ふわぁ~」

 ゲシゲシ脇腹を小突かれる。

 「なんだよ」
  
 「一人だけですよ?
 足乗っけて煙草なんて吸ってる人は」

 一月が経とうとしてる。
 そんで只今お昼の1時でございます。

 まぁ当たり前なのだが、発明や研究、モノ作りというのはそんな簡単に進む事はないというのはみんなわかると思う。

 俺が手伝えばすぐなんだが、そんな事をすれば俺の時間はますます失くなるだけだ。

 『この一撃⋯⋯この拳に賭けるぜぇ!!
 無双極・拳獄⋯⋯ッ!!』

 「いけっ!!俺の相棒刹那!」

 俺のオキニである儀礼刹那くん。
 技かっこよくね!?

 俺も出してみようかな?

 コイツのスキルは無双拳という流派を極めたオーラを拳に纏わせて一撃を叩き込むシンプルなスキルだが、演出に拘ってるからめちゃくちゃカッコイイ。

 やっぱり投資して正解だったな。

 イラストレーターさん。
 お金出したから納期早くさせたのはごめんなさい。

 倍にしておいたから。

 「伊崎さん⋯⋯やめ──」

 「大将、俺のキャラなんだが」

 やってきた銀と石田の目が合ってしまう。
 何やら石田の目が死んでいる。

 「はぁぁぁ⋯⋯アニキまで伊崎さんに毒されて⋯⋯」

 「いや、実際大将の言い分が正しいように思えてきた。

 やることは無い、こちらは程々に聞きながら要件さえ理解していれば」

 「なぁ?言ったろ?
 日本人は全部カチカチし過ぎなんだよ。
 やる時にやって、やらない時はやらん。

 制御が下手なだけをみんな一緒にし過ぎだろ」

 『ふんっ、タイマンで俺に勝てる奴なんているか?』
 『源、ついてこい』

 「やっぱりかっこいいな、堂島兄弟」

 ⋯⋯銀、お前が楽しそうで何よりだ。

 「おっ、イベント♪イベント」

 石田の顔は死にかけだが、俺は間違ってるとは思わない。

 そんなこんな。

 「大変です!」

 俺達のラウンジに、一人通訳が肩で息をしながらやってくる。

 あ、馬鹿。
 せっかく掃除したのに。

 「と、とりあえずこちらへ!」

 付いていきあくびしながら入ると、会議室は険悪なムードだ。

 「通訳、どういう事だ?」
 
 座りながら煙草に火をつける。

 「どうやら、競っていた二社が潰したいのでしょう」

 テレビを見ろというので目を向けると。

 『ERURAと組んだ日本、大ハズレ』
 『内部関係者によるリークによると』

 テレビはどのチャンネルも俺達の関係を突っ込むものであったり、違法な手法を取っているのではないか?

 様々な角度から責め立てるような話題を取り上げていた。

 「なるほど、中々早いな」

 「伊崎さん、分かってたんですか?」

 隣で見ていた石田が動揺しながらも訊ねてくる。

 「そりゃそうだろう。
 お前隣にいただろ?俺がなんて言ったか」

 "あぐらかいてるお前らみたいな奴の言う事なんて誰が聞くんだアホ面が"

 "足元見てんじゃねぇぞハゲ"

 「た、たしかに」

 浮かんだであろう言葉に同意の頷きを見せる。

 「まぁ実際、一般人からすれば、この情報に差はない。

 分かるのは──俺達が良い風に映らなくするのが目的。

 それと日本に対するイメージダウン。
 自分たちの方が上なのだという透けてくるマウント⋯⋯それだけだ」
 
 「国際的にまずいんじゃ?」

 「関係ない。
 俺達日本なんて世界的に見れば島国の戦争しねぇって言ってる敗戦国で、無駄に優しくて勤勉な奴らって認識があんのかどうかくらいなもんだろう。

 それに、今の政府もそうだが、既に毒されてる。

 金と権力を握らせれば⋯⋯心当たりはお前の方が沢山あるはずだが?」

 そう。水道だけは死守しなければならない。
 アレにもう手を付けだしてるのは嫌な予感しかしない。

 生存の沽券に関わる。

 「そ、そんな」

 「それに、バッテリーの指摘をしているところだが、実際問題間違ってる訳でもない」

 「え?」

 「見ろ、だからエリックたちも頭を抱えてるだろ」

 要は、EVに必要なバッテリーがあろうと、それを普及させる程のインフラがまだ整ってない。

 スマホならそれでいいんだろうが、車となると多くの人間の要。

 ──それを変えることはまさに文字通り"革命"だ。

 どれだけ利益になるかなんて天文学的になっていくなんて目に見えている。

 だが、少し前に聞いた通り、発電量とそれを設置して繋げるインフラが全く整っていないから、金持ち以外に使うメリットがない。 

 「と言っても、シンプルに中流の一部が買えるくらいにはバッテリーも強いがな」

 充電要らずでかなり走れる。
 既に出している情報で言えば相当だ。

 だが、まだそこまでだというのも理解できるし、普及するには決定打がない。

 「エリックはなんて言ってる?」

 「今の状態が続けば、間違いなく失敗すると」

 「だろうな」

 「伊崎さん、これは予想していましたか?」

 「ある程度はな」

 メディアなんて所詮一般人の興味やヘイトを買う装置みたいなものだ。

 貴族とあまり変わらん。やりたい放題。
 ──それだけだ。

 「ちなみに向こうサイド、対策はあるのか?」

 「それがあったら伊崎さんを呼んでいません。

 すっかりエリックも意気消沈です」

 んー⋯⋯未来の億万長者のルートを変えたから、変な事になったのか?

 まぁ確か、この時期はまだエリックは大した立場でもなかったはずだ。

 「しかしまぁ、結構な叩きようだな」

 ニュースはどこを見ても叩き、叩き。
 うちらを目の敵にしているレベルだ。

 まぁそりゃそうだわな。
 利益を数えさせたら半端じゃないんだから。

 「ん?」

 「どうしました?伊崎さん」

 「いや」

 見ているモニターが4つあるのだが、一つ、都市伝説を語るチャンネルがあった。

 「おい、あれちょっと見せて」

 「あ、了解です!」

 通訳が急いで小型のやつを持ってくる。

 「これがどうかされたんで?」

 『見てください、この謎のフワフワしたものです!』

 ⋯⋯どっかで見たことあるな。

 『空中にこのようにして⋯⋯え?見えてないんですか?』

 その瞬間、俺の頭はいつになく高速で回りだす。

 「リズミッドの配合は2.487666491818889⋯⋯」

 「い、伊崎さん?」

 「周波数は※※※」

 「出来上がったデアゴットをやる事で遠くに⋯⋯いや、ロクテをしなければならない。

 いや?これはアシがデクーにアレイしないと」

 「ソウ!?」

 誰かが何かを言ってるのだが、今反応出来ん。

 無限に構築される魔法式。
 知識。
 情報。

 まるで全盛期を思い出すくらいの高速思考だ。

 それからどれくらいだ?10分程詠唱バリの高速お喋りが終わる。

 「⋯⋯あれ」

 周りを見ると信じられないものでも見たかのように俺を囲んでいた。

 「悪い」

 「だ、大丈夫ですか?」

 「あぁ、問題ない。
 少し頭がバグったと思ってもらえれば」

 でも、アレを作るには⋯⋯いや?
 
 「ソウ!ソウ!」

 グワングワン視界が目まぐるしく揺れていく。

 「なんだ?通訳!」

 揺れながら訊ねる。
 するとエリックが興奮した顔で通訳に何か言ってる。

 「伊崎さん、何か打開策を思いついたんだろう!

 早く教えてくれ!その顔をしている!

 私もその表情をよく知っている!

 ⋯⋯だそうです!!」

 「あぁ⋯⋯なるほど?」

 「素材ならどうにかする!だそうで!」

 通訳も同じように両肩をぶらんぶらんされているので同じ反応だ。

 「いや、まぁ⋯⋯」

 「Hurry!!!」

 あぁ、俺でも頭を使わなくても何言ってるか分かる。

 「とりあえず結論、インフラなら作ればいい」

 俺がそう言うと全員──しーんとして頭の上にはてなが浮かんでいた。


ーーー
あとがき!
昨日四回短い間に夢を連発で見ました(笑)
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