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世界征服編
あっちもこっちも忙しい
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"やはり自分はイカれている"。
思わずそう頭に浮かぶほどには自分が地球人である感覚が薄いのだと、常々思う。
⋯⋯特に海外に行きだしてからは。
「祈りましょう、共に」
「なんだよ、何なんだよお前ら!!
気色悪いぞ!!」
恐らく華国の人間だとは思うのだが、膝をつかされ、両腕を縛られた状態で叫び散らかしている。
力がなかった俺でもそうするしかない。
そして。
「オイオイ⋯⋯何してんだよ!?」
彼の両脇から二人のローブを羽織る者たちが現れ、その手には、大きい鉈。
「オイオイ⋯⋯ちくしょ!
なぁ!お前ら!!」
そこからは俺も見るのを止め、同じように祈るフリだけして断末魔が聞こえる最中、結構イカれているなと心の中で思ってたところだ。
どうやらこの儀式、石田が送ってきたものは悪魔儀式でもなんでもなく、黒い象徴としてアジア人を連れてきては国籍関係なく黒い髪をした者を無差別に選んでいるっぽい。
「ンーラテンデ
(浄化せよ、魂に救いを)」
ふんっ。浄化か。
するわけないだろ。
地面に滴る滑らかな血を目にしながら、俺はこの暗い世界で終わるのを待った。
「信徒伊崎」
「はい、ソシュール司祭」
献金の量によっておそらく居場所を与えてくれると言ったカルトあるあるだ。
集団で俺を軽く囲み、これぞとばかりに他の信徒にも見せつけている。
「あなたは既に浄化されていますから、気に病む必要はありません。
髪も黒ではなく金ですから、案ずることはありません」
肩に手を置いてはこの俺にそんな事を言って穏やかそうに笑ってる司祭。
ていうかここに来る前に一応髪色だけは変えておいて正解だったな。
⋯⋯割と本気で。
向こうはブロンドが当たり前だからな。
「信徒伊崎。
教典は覚えられていますか?」
司祭と話しているとニアという最初に案内を受けた女性が話しかけに来る。
「はい。
グランドオーダーを覚えるのはかなり難解ですが」
「最初は誰でも通る道です。
アレイスター神はきっと"あなたを見ていますよ"」
⋯⋯ゾクッとするぜ。
本人には他意はないだろうからこう言いたくはないが、恐らく比喩でもなんでもなく、見ている可能性があるし。
"アレイスターッッ!!
産まれてから一度でも敗北を味わったことがあるかァァァァ!?"
"お前が愛したこの国の人間を全て切り捨てた大罪人としてどう思うんだァ!?
ハッハハハ!最高だぞ俺は!
お前みたいなやつがそうやって足掻いてるのが大好きなんだ⋯⋯ヘァハッハッハッ!!"
⋯⋯そう。自分に余罪あり。
「ではまた明日」
"アレイスター神に浄化の魂を"
そんなことを抜かしてお開き。
宿に戻るとスマホに通知がいくつもあるのと。
「ご主人!」
⋯⋯リビ?
どうした?
結界を張り直して訊ねる。
「お前がここにいるなんて珍しいじゃないか」
「いやね?
多分やばいと思ってすぐに来たの!」
⋯⋯あ?
「何があった?」
「家族が突然華国に行くんだって言って準備してる!」
そう言われ、俺の頭は大混乱。
「え?ちょ⋯⋯はっ?」
「ご主人、華国に家族はいないなんて言ってたのに、両親共々親戚に会いに行くがどうのって言ってて私分からないから言いに来たの!」
⋯⋯親戚?
家にいたか?
え?つまり待てよ?俺って華国人なのか?
⋯⋯あ?日本人?
どゆこと?ワッツ!?
「ちょっと待てよ、今日は頭の痛いことばかり言われて働かん」
寝っ転がって、すぐに電話を一本入れた。
『そろそろ掛かってくると思ったわ』
「おば──」
『お姉様!!』
クソババアめ。
受話器から思わず離してブチ切れそうなのを堪える。
「あぁ、お姉様」
『以前言ったことを覚えてるかい?』
「何を?」
『愛情不足』
そう。
個人的にはかなり引っかかってた。
「あぁ。
最初は聞き流したが、よく分からなかった」
『私も途中で最悪な考えが頭に過ぎったからさね』
「最悪?」
『あれからしばらく経ってご両親の生年月日と写真を送って貰ったさね?
そんで私としては答えが出たさね。
正直、正確に見てはいるけどあくまで占いから見える視点であるかとは忘れないでおくれよ?
覚悟は出来てるかい?』
そのまま俺は深呼吸をする。
人生で緊張するのはいつぶりだろう。
「ちなみに。
それは俺にとってはどっちに転ぶ話だ?」
『んー。
恐らくどちらもあるだろうねぇ。
ただ、私も分からないのは、結果は分かっても過程が分からないということさね。
ただ一つ言えるのは、アンタは酷く罪悪感を抱く事になる』
「罪悪感?」
「ほら、早く腹括りな!!
予防線張っとる場合じゃない!」
⋯⋯クソ、なんで図星を突いてくるんだ。
この婆さんは。
「ふぅ、じゃあ頼む」
腹を括った。
聞きたくねぇ事でも来るかと思ったが。
「⋯⋯は?」
淡々と婆さんから話される。
結果、そしてなぜそうなったかという過程。
その話の一つ一つに──俺は冷や汗と鳥肌が止まらなかった。
思わずそう頭に浮かぶほどには自分が地球人である感覚が薄いのだと、常々思う。
⋯⋯特に海外に行きだしてからは。
「祈りましょう、共に」
「なんだよ、何なんだよお前ら!!
気色悪いぞ!!」
恐らく華国の人間だとは思うのだが、膝をつかされ、両腕を縛られた状態で叫び散らかしている。
力がなかった俺でもそうするしかない。
そして。
「オイオイ⋯⋯何してんだよ!?」
彼の両脇から二人のローブを羽織る者たちが現れ、その手には、大きい鉈。
「オイオイ⋯⋯ちくしょ!
なぁ!お前ら!!」
そこからは俺も見るのを止め、同じように祈るフリだけして断末魔が聞こえる最中、結構イカれているなと心の中で思ってたところだ。
どうやらこの儀式、石田が送ってきたものは悪魔儀式でもなんでもなく、黒い象徴としてアジア人を連れてきては国籍関係なく黒い髪をした者を無差別に選んでいるっぽい。
「ンーラテンデ
(浄化せよ、魂に救いを)」
ふんっ。浄化か。
するわけないだろ。
地面に滴る滑らかな血を目にしながら、俺はこの暗い世界で終わるのを待った。
「信徒伊崎」
「はい、ソシュール司祭」
献金の量によっておそらく居場所を与えてくれると言ったカルトあるあるだ。
集団で俺を軽く囲み、これぞとばかりに他の信徒にも見せつけている。
「あなたは既に浄化されていますから、気に病む必要はありません。
髪も黒ではなく金ですから、案ずることはありません」
肩に手を置いてはこの俺にそんな事を言って穏やかそうに笑ってる司祭。
ていうかここに来る前に一応髪色だけは変えておいて正解だったな。
⋯⋯割と本気で。
向こうはブロンドが当たり前だからな。
「信徒伊崎。
教典は覚えられていますか?」
司祭と話しているとニアという最初に案内を受けた女性が話しかけに来る。
「はい。
グランドオーダーを覚えるのはかなり難解ですが」
「最初は誰でも通る道です。
アレイスター神はきっと"あなたを見ていますよ"」
⋯⋯ゾクッとするぜ。
本人には他意はないだろうからこう言いたくはないが、恐らく比喩でもなんでもなく、見ている可能性があるし。
"アレイスターッッ!!
産まれてから一度でも敗北を味わったことがあるかァァァァ!?"
"お前が愛したこの国の人間を全て切り捨てた大罪人としてどう思うんだァ!?
ハッハハハ!最高だぞ俺は!
お前みたいなやつがそうやって足掻いてるのが大好きなんだ⋯⋯ヘァハッハッハッ!!"
⋯⋯そう。自分に余罪あり。
「ではまた明日」
"アレイスター神に浄化の魂を"
そんなことを抜かしてお開き。
宿に戻るとスマホに通知がいくつもあるのと。
「ご主人!」
⋯⋯リビ?
どうした?
結界を張り直して訊ねる。
「お前がここにいるなんて珍しいじゃないか」
「いやね?
多分やばいと思ってすぐに来たの!」
⋯⋯あ?
「何があった?」
「家族が突然華国に行くんだって言って準備してる!」
そう言われ、俺の頭は大混乱。
「え?ちょ⋯⋯はっ?」
「ご主人、華国に家族はいないなんて言ってたのに、両親共々親戚に会いに行くがどうのって言ってて私分からないから言いに来たの!」
⋯⋯親戚?
家にいたか?
え?つまり待てよ?俺って華国人なのか?
⋯⋯あ?日本人?
どゆこと?ワッツ!?
「ちょっと待てよ、今日は頭の痛いことばかり言われて働かん」
寝っ転がって、すぐに電話を一本入れた。
『そろそろ掛かってくると思ったわ』
「おば──」
『お姉様!!』
クソババアめ。
受話器から思わず離してブチ切れそうなのを堪える。
「あぁ、お姉様」
『以前言ったことを覚えてるかい?』
「何を?」
『愛情不足』
そう。
個人的にはかなり引っかかってた。
「あぁ。
最初は聞き流したが、よく分からなかった」
『私も途中で最悪な考えが頭に過ぎったからさね』
「最悪?」
『あれからしばらく経ってご両親の生年月日と写真を送って貰ったさね?
そんで私としては答えが出たさね。
正直、正確に見てはいるけどあくまで占いから見える視点であるかとは忘れないでおくれよ?
覚悟は出来てるかい?』
そのまま俺は深呼吸をする。
人生で緊張するのはいつぶりだろう。
「ちなみに。
それは俺にとってはどっちに転ぶ話だ?」
『んー。
恐らくどちらもあるだろうねぇ。
ただ、私も分からないのは、結果は分かっても過程が分からないということさね。
ただ一つ言えるのは、アンタは酷く罪悪感を抱く事になる』
「罪悪感?」
「ほら、早く腹括りな!!
予防線張っとる場合じゃない!」
⋯⋯クソ、なんで図星を突いてくるんだ。
この婆さんは。
「ふぅ、じゃあ頼む」
腹を括った。
聞きたくねぇ事でも来るかと思ったが。
「⋯⋯は?」
淡々と婆さんから話される。
結果、そしてなぜそうなったかという過程。
その話の一つ一つに──俺は冷や汗と鳥肌が止まらなかった。
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