ワイルドなおじさまと

Hazuki

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温泉 二日目〈午前〉

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「おはよう。今日は葉月の行きたいとこに連れてくよ」
「どこにも行きません。またあんなことされたら、、、」
「もうしないから、絶っっっ対。約束します」

「本当に行きたいところはないの」
「美術館とかガラス館とか綺麗な教会もあるよ」
「ここで直さんとのんびりしたいの」
「葉月、、、したいってセックス?」
「もう、、、ムード台無し。女のロマンもあるんだよ」
「でも一つくらい行こう。手繋いで歩きたい」
「直さんのオススメは?」
「ステンドグラスが綺麗な教会かな」
「じゃあそこに行って、ランチして、午後はたくさん、、、愛して欲しいな」
「葉月それ、、、わざと?天然?」

朝食をとり、教会までドライブ。
無料で解放されていて、観光客も気軽に入れる。
教会の正面の壁一面にステンドグラスが施されている。
聖書のシーンを切りとってデザインされている、と直さんが教えてくれた。
「近くで見れるから、行こう」
手を引かれ、結婚式だったらバージンロードであろう中央を進む。
「綺麗、、、」
「朝だと太陽の光が差し込むから、より綺麗なんだって」

「葉月」
呼ばれて直さんを見ると、手に小さな箱を持っている。
「45年生きてきて、残りの人生一緒に生きたいと初めて思った。葉月は若いからこんなおじさん嫌になるまででいい、俺の傍にいて欲しい」
箱を開けて中から取り出したゆびわを、葉月の左手の薬指にはめる。
「嫌になんてならない、ずっと傍にいるから」
ステンドグラスから柔らかな日差しが降り注ぐその場所で、二人は優しく唇を合わせた。

パチパチパチ、、、。
その場にいた観光客のかたからの暖かい拍手に、照れる二人なのでした。


~~~~~~~~~~

長くなりそうなので午前、午後に分けます。
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