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あれから寝る前に顔にキスをされて、抱きしめられて寝ている。

そして今年もマアロ拾い。
「わあ、、、すごい、去年の倍?それ以上?」
「今年は凄いな、こんなにあると冬は」
「冬?」
「ああ、冬が寒くなるし、国境付近は雪が降るぞ」
「雪!?」
「ああ、国境付近だけだから、この辺は降らないが」

マアロ祭りに半分ほど使い、残りは蒸して皮を剥いて一口大に切り干す、という作業を町全体で行った。
そして冬になる前に僕たちは国境へと向かった。
雪が越えてくる隣国の山に近い見張り台と門の二手に分かれて向かう。
僕たちは一番雪が降る見張り台の方。
干しマアロ、日持ちする野菜、干し肉、薪など積んだ馬車とともに進んでいくと、雪が降り始めていて少し積もってる所もあった。
「もう降っているのか、先を急ごう」
見張り台に着くともう1メートル近く積もってる。
「すごい、こんなに積もってるの初めて見ました」
「私も初めてだ、この半分ほど積もっているのが今までで一番だった」
「やっぱり今年は多いんですね」
「そうだな、アキラは寒くないか?」
「はい、後で雪だるま作りたい、かまくらも作れるかなぁ」
「かまくら?」
「えっと、雪で作る家?かな?」
「雪の家?」
「小さい頃テレビで作ってるのを見て」
「テレビ?」
「テレビはおいといて、一度作ってみたいと思っていたんだけど、そんなに雪が降らないとこに住んでたから出来なかったんです」
「では見張り台の皆で作ろう」

見張り台に着いて皆でかまくらを作った。
僕の拙い説明でも、僕の想像を越える大きなかまくらが出現した。
真ん中にストーブを設置したら快適だった。
雪合戦を教えたら、日本のほのぼのとしたものではなくなった。
かまくらで休憩してお茶を飲み、また戦う。
最後はみんなビシャビシャになり風呂に入り温まる。
あ、雪だるまも作ったよ、日本式の二段のやつね。
また降るといいな、毎年だと皆が大変だから三年後とか。
このひっそり思ったことを神様がうっかり叶えてしまい、三年毎に雪が降ることになるのは、まあいっか。
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