【完結】初夜に寝取られたので、しっかりお仕置きしようと思います

桃月とと

文字の大きさ
3 / 12

3 話し合い

しおりを挟む
 王の呼び出しは謝罪のためだと察しがついたので、体調不良を理由に断った。今後全て、向こうの都合に合わせる気はない。

「マリア、例の女の件だけど」
「お任せください。調べは進んでおります」

 マリアは私の侍女だ。商家出身で賢く、大変気が聞く。多分この世界で裏切られたら1番辛い相手が彼女だ。

「アイリス様、徹底的にやりましょう」
「あら! そのやる気、いいわねぇ」
「当たり前です! 我々、昨夜は怒りに震えて眠れませんでした!」

 我々とは私が連れてきた者達だろう。故郷を捨ててまで一緒に着いてきてくれ、その上私の不運を悲しんでくれたとは。

(しっかりやり返さないとね!)

 だいたい私が舐められたら、連れてきた家臣達も舐められかねない。私がしっかりしないと。

 それから3日、部屋でダラダラと過ごした。表向きはショックで寝込んでいるとして。その間こちらの機嫌を取ろうと様々な物が贈られてきたので、全部随行してくれた侍女や使用人や護衛にあげた。

「張本人の王子が一度も謝罪にこないとはどう言うことですか!」
「まあまあユリウス落ち着いて」

 血圧が上がるわよ。

「我が国の王も王妃もお怒りです!」
「もう連絡が来たの!?」
「当たり前です!!!」
「それで?」
「……思う存分にやれとのことです」

 よかった。両親や生まれ故郷に迷惑をかける可能性だけが気になっていたのだ。一応相手は王子で、こちらは姫だ。お互いそれなりの立場にいる。これで本当に思いっきりやれる。

「それじゃあお話しましょって王に伝えてくれる? 関係者全員を呼んでねって」
「承知しました」

 さあ、どんな感じになるかな。

「この度は愚息が大変申し訳ないことをした……!」

 開口一番、頭を下げて謝罪してくれたのはやっぱり王だった。

(頭下げる経験なんて滅多にないだろうに、こんな小娘相手に大変だな~)

 これが大国と小国との力関係だ。おそらく父からドぎつい手紙が彼にも届いたのだろう。顔色が悪い。

「陛下からの謝罪は結構です」

 国王は自分達の立場がしっかりわかっているようだし、私側のようだから許す。

「レオン!」

 王に促された不倫男は最初に舌打ちをした後で謝罪した。

「君のプライドを傷つけてしまい申し訳ない」
「レオン!!!」

 私やユリウス、その他こちら側の家臣の氷のような表情を見て王は焦っている。

「何故ですか父上! あの女は美しいリーシャに嫉妬して彼女を傷つけたのですよ! 本来罰する必要があるのはあの女の方ではないですか!」
「いい加減にしないか!!!」

 あーあーあーあー。ダメだこりゃ。

「それで?」

 ダメ王子は無視して女の方に話を振る。まだ腫れている鼻を隠し、こちらを睨みつけている。

「我が娘をこんな目にあわせたのはそこの女か!」

(勘弁してしてよ~)

 その瞬間、私の側に控えていた騎士が、女の父親を取り押さえ地面に組み伏せた。

「パパ!」

 リーシャが叫び声をあげる。

「貴様ァ! 何をしているのかわかってるのか!」

 男爵は取り押さえられているというのに強気だ。自分がなぜこんな目にあっているか理解していないらしい。

(なーにがパパじゃ! こちとら大国の姫で王子の妃だっつーの)

「いかがいたしましょう?」

 暴れる男爵など全く意に介さないように騎士が私に尋ねる。

「ユリウス、我が祖国では私にあのような口を聞いた者はどうなりますか?」
「通常は王族にあのような暴言は死罪です」

 男爵を見下ろしながらユリウスが淡々と答えた。

「な、何を言っている!?」

 この男爵、別に何か功績をあげて爵位を得たのではない。王子レオンとリーシャの手切れ金代わりに、王が与えたらしい。

「俺と離れ離れになったリーシャが心配だ!」

 そう言って渋る王に頼み込んだそうだ。一介の飲み屋の店主が、ある日いきなり貴族の仲間入りをして勘違いしているのだろう。

「はぁ。話が進みませんわね」

 私はわざとらしくため息をついた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

新婚初夜に『白い結婚にしてほしい』と言われたので論理的に詰めたら夫が泣きました

ささい
恋愛
「愛人がいるから、白い結婚にしてほしい」 政略結婚の初夜にそう告げた夫ルーファス。 妻カレンの反応は—— 「それ、契約不履行ですよね?」 「あなたの感情論、論理的に破綻してますよ?」 泣き落としは通じない。 そして初夜の翌朝、夫は泣いていた。 逃げ道は全部塞がれ、気づけば毎日論破されていた。 これは、論破され続けた夫がなぜか幸せになる話。

どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。 無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。 彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。 ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。 居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。 こんな旦那様、いりません! 誰か、私の旦那様を貰って下さい……。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

従姉の子を義母から守るために婚約しました。

しゃーりん
恋愛
ジェットには6歳年上の従姉チェルシーがいた。 しかし、彼女は事故で亡くなってしまった。まだ小さい娘を残して。 再婚した従姉の夫ウォルトは娘シャルロッテの立場が不安になり、娘をジェットの家に預けてきた。婚約者として。 シャルロッテが15歳になるまでは、婚約者でいる必要があるらしい。 ところが、シャルロッテが13歳の時、公爵家に帰ることになった。 当然、婚約は白紙に戻ると思っていたジェットだが、シャルロッテの気持ち次第となって… 歳の差13歳のジェットとシャルロッテのお話です。

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

エメラインの結婚紋

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――

居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。 父親は怒り、修道院に入れようとする。 そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。 学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。 ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。

結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。

しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。 友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。 『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。 取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。 彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。

処理中です...